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話題の本、角幡唯介・著『極夜行』を読んだ

2018-11-24 18:35:00 | 
本の帯に「ひとり極夜を旅して、四か月ぶりに太陽を見た。」とあり、そそられて角幡唯介氏の『極夜行』を読んだ。



極地探検家、角幡氏の本を読むのは初めて。読みだしたら、今年の〝ノンフィクション本大賞”に選ばれたというニュースが流れていて「こりゃ取るわ~」と一人ガッテン、興奮したりしていた。

合間あいまをぬって一気読み。超絶面白かった

ただでさえ北極を旅するのは大変なことだろうに、あえて”太陽の昇らない時期”を選んで旅をするというハチャメチャさが凄い。

極夜が明けて太陽を見た時、一体何を思い感じるのかにつき、強烈な執着があったとのこと。なぜそこまで執着するのか、旅の前は角幡氏自身にもわからないのだが、旅を終えてご自身も納得のその理由にたどりつく。その理由もまた魅力的。深い。

探検中に見える世界は、暗闇に広がる氷河やら谷ばかりで景色の描写にすぐ限界が来そうなものだが、角幡氏の表現は尽きることなく、最後までとにかく読ませてくれる。探検家にしてこれだけ文章がうまいということ自体、ものすごく大きな価値だと思う。

「ぶりざーどが襲ってきて・・」、「今は氷床行進中ってことはこんなイメージかな・・」などという具合に、小学生の時に観た映画『南極物語』の風景にもヘルプを頼みながらタロウ、ジロウと共に想像力を膨らませ、私も北極に身を置いた。(角幡氏にはウヤミリックという賢い犬がおとも

何度かピンチも襲ってくるので、その度にハラハラドキドキ。無事に帰還できてよかったです

「探検」とは「脱システム」という思想の体現でもある、と角幡氏は書いており、このあたりにも大いに魅かれた。日常生活のあらゆるところまでシステムが入り込んでいる現代において、脱システム状況に身を置くためには北極あたりまでいかないとダメ・・、いやいや、北極に行ってもGPSなど使おうと思えばいくらでも使うことができるので、今や前人未到の地などないとの指摘にちょっと落胆したりした。

角幡氏は「脱システム」にこだわる中で、携帯衛星電話を使ったことに若干の後ろめたさがあるようだが、そのあたりは旅のスケールを考えれば小さな問題なのではないかと思った。

私個人としては、携帯衛星電話よりも、「家族」というシステムというか、制度についての角幡氏の考えが気になったりしたな。そうそう、メモメモ。

総じて、とても素晴らしい経験をすることができた~


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