モフモフモフ~

ほかに話せる場所もないので書かせていただきますねブログ

無目的に歩くということ

2019-09-21 19:15:27 | 食べもの
今までの人生、引越回数は多いのだが、その際その街をプラプラしながら歩くということをあまりしてこなかった。

無目的に歩くことが苦手だったせいかもしれない。なにかしら獲物をゲットできなかった時の時間の無駄に不寛容だった。

引越した後になって偶然テレビや雑誌でその街の特集や記事に出くわし、そんなものがあったんだ~!と知ることがたまにあった。

一番驚いたのは、駅から徒歩5分くらいのところに住んでいた時。その頃は仕事で余裕がなくて、まさに会社と自宅を往復するだけ。休みの日に近所のスーパーに行くことはあったが、その土地についてそのスーパー以上に知ろうという気持ちはまったく起こらなかった。

数年後某グルメ番組でかつての家からさらに10分くらい歩いたところに昔ながらの活気ある商店街があることを知った時は、結構ショックだった。

知らなければそれはないも同然だ。電車に乗らずとも楽しそうな場所があったのに。灯台下暗し。近くに味わえるものがあったとしてもそれに気が付けず遠くばかり見てしまうのは私の性分かも。

地元の人と交流したこともほとんどない。図書館でカードをつくって時に通うくらいがせいぜいだった。

住んでいる場所に根を張り始める最初って、子供がきっかけなんじゃないかと思う。

子供が生まれ、予防接種とか定期健診とかその土地の行政サービスを積極的に受けるようになる。サービス提供の場にいけば子持ちの人がたくさんいて自然に交流が生まれる。公園デビューとかもそうだろう。

私は子供がいないので身軽だしこの土地に執着する理由もない。今住んでいる場所は夫ちゃん側に理由があるからで、私としては他に住みたい場所の候補がいくつかある。(ちなみに夫ちゃんは、病院やら美容院やらなんでも近所で済ませてしまうので結果地域を開拓していて驚く。地元のお店情報や評判をゲットしてきて私に知らせてくれる。)

今現在住んでいる地域だが、以前よりは目的地に急いで向かわずに周りをキョロキョロしながら、時に知らない道路を曲がったりして探検するようになった。心の余裕でもできたのかなと思ったが、というよりは単に暇な時間が増えたからだと思う。

そんな中メニュー豊富で値段も手頃な居酒屋とすこぶる美味しいパン屋さんを見つけた。

特にパン屋さんは平日3日しかオープンしておらずなかなか買えなかったが、先日やっと手に入れることができた。

予想外に混んでいて狭い売り場には3人くらいの列ができていた。とにかくプワプワの美味しいパンだった。

地域での楽しみが増えると日常がより豊かになるな。



『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』を読んだ

2019-09-06 20:53:18 | 
河合香織氏著『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』を読んだ。



10年以上前に同じく河合氏著『セックスボランティア』を読んだことがある。オランダでは障がい者の性欲処理のために助成金がでるとあって、オランダ人の人権に対する考えの深さに衝撃を受けて久しい。思えばオランダに興味をもったきっかけになった本。

今回の本『選べなかった命』は今年の大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれことを知り、タイトルからしてめちゃくちゃ気になって買って読んだ。

私が一番衝撃を受けたのは、本書のメインの話そのものではなくフランスの話だ。

「生まれてこない権利」というワードとそれを巡る裁判の話。

フランスで6歳の男児がダウン症の自分は生まれてくるべきではなかったとして、胎児の時に診断した医師に賠償を求める訴訟を起こし、最高裁判決で「生まれてこない権利」が認められ医師に損害賠償が命じられたという。

「生まれてこない権利」が認められたということは、「そうですね。あなたの命(生まれたこと)は間違っていましたね。」と認めたに等しい。

間違った命なんてあるのか。

「生まれてこない権利」を認めるということは、本人、当事者の気持ちを慮り寄り添った結果ともいえるが、同時に当事者の存在そのものを否定することになりはしないのか。当事者は果たしてその先の人生を前向きに生きていけたのだろうかと気になった。(訴訟は2001年)

こうした訴訟はロングフルライフ(Wrongful life)訴訟と言うそうだ。その後、このような判決に対して障がい者団体や医師たちから強い反発があり、このような訴訟を禁止する法律が制定されたとのこと。。

う~ん。。。

う~ん。。

時間が来たので今日はここまで。