日韓往来 [Journal Korea]

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「現在──過去・未来」

韓国最高裁、対日本企業の損害賠償請求権認める判決 ◆

2012-06-04 21:04:35 | 戦後・「慰安婦」問題◆
【5月24日、韓国最高裁(大法院)、日本企業への損害賠償請求権認める】
【ポスコが財団に100億ウォン=約6.7億円寄付表明】
【日本政府:「解決済み」、韓国政府:「慰安婦、被爆、サハリンは協定外】

*1965年に日韓基本条約、請求権経済協力協定。この政府間決着の問題点が噴出。交戦国ではないから植民地、戦争動員等を一括処理した。政府間は基本的に「決着済み」の戦後体制にある。
その後「個人請求権」が浮上してきた。
サハリン残留韓国人、軍隊慰安婦、原爆被爆者、在日動員被害者問題に対応してきた日本は、韓国政府の姿勢次第で「再協議」「自主的追加措置」に進むかどうか。韓国政府の経済協力金による「国内措置」としての「経済復興優先」(製鉄、道路、ダムなど)が見直しの時期に来ている。
軍事政権批判から朴正熙大統領政策(経済投資)の評価という動き。世界的企業を生み出し経済発展を遂げてきて、民主化と個人の賠償要求への動きは一つの流れとなっている。
同様、日本でも、日韓条約・協定の問題を必ずしも論議せず、総じて戦後処理と経済発展にのってやってきた経過も見直しの時期に来ている。90年代からの個人による戦後補償請求訴訟決着が、方向性がまだみえてはいない。(は)




──報道引用──資料として

2012
韓国最高裁「日本企業に対する元徴用者の請求権有効」
聯合ニュース 5月24日(木)20時32分配信
【ソウル聯合ニュース】朝鮮半島が日本の植民地支配を受けていた当時に強制徴用された被害者ら8人が三菱重工業と新日本製鉄に起こした損害賠償訴訟の上告審判決で、韓国の大法院(最高裁判所に相当)は24日、個人請求権は有効だとの判断を示し、審理を釜山高裁などに差し戻した。日本企業の賠償責任を認める判決が出る可能性が高くなった。
 大法院は、高裁などが日本であった同様の賠償請求訴訟を根拠に請求を棄却したことについて、「日本の植民地支配が合法的だということを前提にしたもの」と指摘。その上で、植民地時代の強制徴用自体を違法と見ている韓国憲法の価値と日本の裁判所の判決は全面的に食い違っており、その効力を承認できないとした。
 また大法院は、三菱重工業と新日本製鉄に対する個人の請求権は1965年の韓日請求権協定で消滅していないとの判断も示した。
最終更新:5月24日(木)20時48分

戦時中の徴用、個人の賠償請求有効…韓国最高裁
読売新聞 5月24日(木)22時43分配信
 【ソウル=中川孝之】第2次大戦中、朝鮮半島から徴用された韓国人の元労働者9人が、三菱重工業と新日鉄に損害賠償や未払い賃金支払いを求めた訴訟で、韓国最高裁は24日、個人の損害賠償請求権は有効との初判断を下し、原告の請求を棄却した2審判決を破棄、高裁に差し戻す判決を言い渡した。

 今後、原告の訴えが認められる可能性が高い。

 原告らの一部は1990年代、広島と大阪で同様の訴訟を起こしたが敗訴が確定している。韓国の2審判決は、日本の判決を準用して請求を棄却したが、最高裁は「日本の判決は、日本の植民地支配が合法であることを前提にしているが、強制連行を違法とする韓国の憲法と真っ向から対立するため、承認できない」などとした。
最終更新:5月24日(木)22時43分

記事入力 : 2012/05/26 12:00
強制連行:時間との戦いを迫られる被害者たち
新日鉄を相手取り訴訟を起こした4人の被害者

日本による植民地時代に徴用され、日本製鉄で強制的に働かされたヨ・ウンテクさん(89)が25日、ソウル市江東区岩寺洞の自宅で、訴訟に関する資料を見せてくれた。大法院は24日、ヨさんたちが新日本製鉄を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で「新日本製鉄は徴用被害者に対し損害賠償を行う責任がある」という趣旨の判決を下した。/写真=許永翰(ホ・ヨンハン)記者

 ヨ・ウンテクさん(89)は25日「私はただ裁判に勝ったことを知っているだけだ。なぜ、どのようにして勝ったのかは分からない。まだ実際に賠償金を受け取ったわけでもなく、完全に解決するまでは死ねない」と語った。ヨさんは今月24日、日本の三菱重工業と新日本製鉄(旧・日本製鉄)を相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、両社に賠償責任があるとする大法院(日本の最高裁判所に相当)の判決を勝ち取った強制徴用被害者9人(5人は故人)のうちの1人だ。

 ヨさんは1943年「大阪の製鉄所で2年間訓練を行った後、韓半島(朝鮮半島)の製鉄所で技術者として働けるようにする」という日本製鉄(現・新日本製鉄)の広告を見て、シン・チョンスさん(86)と共に大阪に向かったという。ところが、大阪でヨさんたちを待ち受けていたのは奴隷労働だった。日本人の巡査たちが突然「徴用状」を突き付けてきた。就職のため日本に渡ったはずが、いつの間にか奴隷にされてしまったのだ。

 「溶鉱炉の前で1日10時間働き、体が溶けるほど疲れ果てた。それにもかかわらず、1日におにぎり1個しか与えられなかった」(シンさん)

 日本人に「精神棒」と呼ぶ棍棒(こんぼう)で殴られながら、毎日10時間以上もの重労働を強いられたヨさんたちに対し、日本製鉄が支給したのは、たばこ1箱だけだったという。日本の巡査たちは、真面目に仕事をしているか随時監視し、「逃げ出したい」と口にしたシンさんはむちで打たれたという。その後、シンさんは6・25戦争(朝鮮戦争)のとき、自らの意思で軍隊に入隊して最前線で戦い、妙香山(北朝鮮領)まで進撃したが、中国軍に包囲され九死に一生を得た。除隊後は米軍部隊で食堂の従業員として働き、現在はソウル市内で飲食店を経営している。

 ヨさんたちと共に新日本製鉄を相手取り訴訟を起こしたイ・チュンシクさん(88)は1941年、大田で約80人の青年たちと共に日本に連行された。北海道にある製鉄所で、石炭を溶鉱炉に投入する仕事に従事し、徴用期間中に一時帰国したが、間もなく日本軍に召集され、神戸に連れていかれた。イさんは「経験した人でなければ分からないだろう。大法院の判決を聞いて、わんわん泣いた」と語った。

 キム・ギュスさん(83)は14歳だった1943年、日本製鉄に連行され強制的に働かされた。逃げ出そうとして見つかったときには、5日間にわたってむちで打たれ続けたという。6・25戦争に出征し国家功労者となったキムさんは、ある出征者団体の代表を務めている。
ソン・ウォンヒョン記者 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

ポスコ、徴用被害者に100億ウォン寄付を表明
東亜日報 MAY 26, 2012 08:16
1965年の韓日基本条約によって日本の借款の恩恵を受けたポスコが、日本の植民地支配の被害者に対する社会的責任として、100億ウォンの社会貢献金を寄付することを決めたことが25日までに分かった。日本借款の恩恵を受けた企業が責任を理由に寄付するのは初めて。ポスコ以外の恩恵を受けた企業も寄付を検討している。
首相所属の対日抗戦期強制動員調査支援委員会は25日、ポスコが3月16日の理事会で、社会貢献金の名目で100億ウォンを「日帝強制動員被害者支援財団」に寄付することを決めたという公文書を送ってきたと明らかにした。

同委員会は、政府支援金175億ウォンと公共機関の出資金125億ウォンの300億ウォンで財団設立を推進していたが、並行してポスコなど日本からの借款恩恵企業10社に寄付を要請した。この寄付要請の公文は、ポスコをはじめ、韓国道路公社、韓国電力、KORAIL、KT、外換(ウェファン)銀行、KT&G、水資源公社の8社に送られた。

ポスコは、財団設立時に30億ウォン、来年1月までに40億ウォン、来年末までに30億を順次寄付することを明らかにした。100億ウォンの寄付とは別に、強制動員被害者関連事業が推進されれば、募金の形で追加支援する計画も持っている。

そのほかの企業も補償に参加する意向を表明している。道路公社は、「財団への寄付に快く参加したい」という返答を同委員会に送り、具体的な金額について内部検討を進めている。韓電も寄付するかどうか検討を始めたという。

来年初旬の設立を目指している同財団は、強制動員被害者の追悼碑の建設、追悼墓地の造成、被害遺族支援事業などを行う予定だ。委員会のイ・ジェチョル報道官は、「中長期的には日本政府と企業の補償を受け、1兆ウォン以上の基金を集める計画だ」と明らかにした。        

企業の補償参加に対して、被害者遺族は歓迎する立場を明らかにした。日帝被害者共済組合のイ・モンドゥ会長は、「韓日条約の借款5億ドルのうち無償支援金3億ドルは被害者個人のためのもので、借款恩恵企業が寄付することは、遅ればせの感はあるが歓迎する」と話した。

先日、最高裁判所の原告勝訴判決を引き出した崔鳳泰(チェ・ボンテ)弁護士は、「強制動員の責任を負うべき日本政府と企業、日本借款の恩恵を得た韓国企業と韓国政府が参加する『2+2財団』を設立し、被害に賠償すべきだ」とし、「財団参加企業には営業を保障し、そうでない企業は損害を与えなければならない」と主張した。

日本政府「徴用被害請求権、完全に解決済み」
2012年05月26日08時45分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment90mixihatena0

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国務総理室傘下の日帝強占下強制動員被害真相究明委員会が05年2-6月、強制動員被害申告を受け付けた。受付初日の05年2月1日、ソウル鍾路区の真相究明委を訪れた遺族が、日本軍に徴兵されて戦死した父の写真を見せている。[中央フォト] 韓国最高裁が「日本企業に対する徴用被害者の個人請求権は有効だ」という判決を下したことに対し、日本政府は25日、これを受け入れないという立場を明らかにした。

日本の藤村修官房長官はこの日の会見で、「他国の司法判決でただちにコメントすることは控えたい」としたうえで、「一般論として(1965年の)日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みというのが政府の一貫した立場だ」と述べた。玄葉光一郎外相も「個人も含め、日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済み」と主張した。

日本政府のある関係者は「個人請求権は今まで韓国政府も認めなかったのでは」とし「最高裁の判決後に韓国政府がどのように立場を整理するのか見る」と話した。

三菱重工業や新日本製鉄など該当企業もひとまず「判決文をまだ読んでいないのでコメントを控えたい」(三菱重工業広報室)と慎重な立場を見せた。

一方、新日本製鉄が保有するポスコの株式(5.03%)は日本の本社が株式預託証書の形で保管していることが明らかになり、韓国の裁判所が国内で差し押さえるのは現実的に難しい見込みだ。

日本メディアは今回の判決を受け、慰安婦問題などでこじれた両国関係がさらに悪化すると予想した。朝日新聞は25日の国際面トップ記事で、「韓国社会・メディアで日本との交渉を要求する声が高まるだろう」とし「李明博(イ・ミョンバク)政権がレームダックで完全に求心力を失ったうえ、日本政府は請求権協定の解釈を変える可能性がなく、問題は複雑になるだろう」と指摘した。

日本経済新聞は「韓国でこうした司法的な判断が出ているのは、経済危機克服で自信を得て、日本に対して主張をためらわなくなった社会の雰囲気を反映している」と解釈した。

消費税増税に政治生命をかけている野田佳彦首相の最大懸案は保守野党の自民党を逆なでしないことだ。したがって当分は野党の反発が強いこの問題に積極的に取り組まないという見方が強い。

水面下で議論されてきた慰安婦賠償請求権問題は長期化する見込みだ。日本外務省の関係者は「こぶがもう一つできた」とし、議論自体を原点に戻す可能性を示唆した。

自民党の関係者は「両国政府では原則論を打ち出すしかないだけに、議員外交で突破口を見いだすしかないが、両国間のパイプが切れている」と述べた。

これに対し韓国外交部の当局者は「軍慰安婦、原爆被害者、サハリン同胞問題などは韓日請求権協定の外の問題であり、日本に法的責任が残っているというのが韓国政府の基本立場」とし「政府は強制徴用被害者の個人請求権を認めた韓国最高裁の判決も尊重する」と明らかにした。

徴用者の遺族「戦いはこれから」
2012年05月26日10時20分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment41mixihatena0
「父は生涯、塵肺症と心臓病に苦しみながらも、日本に徴用された当時のことは話さなかった」。

25日、電話の向こうから聞こえてくるパク・ジェフンさん(66)の声は震えた。、父親(01年死亡のパク・チャンファンさん)ら5人が00年に三菱重工業を相手取って起こした訴訟で、韓国最高裁が前日、日帝強制支配期の徴用者の請求権を認める判決を出した直後だった。父の代わりに11年間にわたり法廷争いをしたというパクさんは「今回の判決は夢のようだ」と語った。

故パク・チャンファンさんは1945年8月6日、日本・広島にいた。三菱機械製作所で働き始めて約1年が絶った頃、ここに原子爆弾が落ちた。どこからか飛んできた鉄の破片にあたってあごの肉が落ちる重傷を負ったパクさんは、1カ月後、密航船に乗って故郷に戻った。

生涯、被爆の後遺症に苦しんだパクさんは韓国の裁判所に訴訟を起こしてから1年後の01年、77歳で死亡した。父と一緒に訴訟を越した残り4人も、3月のチョン・サンファさん(当時89歳)を最後に全員が亡くなった。パクさんは「ようやく父らは目を閉じることができるだろう」と語った。

1965年の韓日請求権協定当時に韓国政府が把握した徴用者は78万人。政府は1974年に対日民間人請求権補償に関する法律を制定し、対象者の申告を受け、1977年6月までに死亡者8552人に1人当たり30万ウォンずつ、計25億6560万ウォンの補償金を支払った。05年以降に行政安全部傘下の「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者など支援委員会」に申告された被害者は22万6583人。日帝強制動員生還者遺族会側は徴用被害者の7割以上がすでに死亡したとみている。政府側の資料では、約22万人のうち生存者は6万人ほどと推測される。政府は生存者に年間80万ウォン程度の支援金を支払っている。

遺族会のキム・ジェチョン代表は「戦いはこれから」と語った。キム代表は「最高裁の判決が下されたが、日本政府や企業がすんなりと履行するはずがない。したがって韓国政府が日本政府に圧力を加えなければいけない」と述べた。また「日本政府が徴用者らの名簿を公開するべきだ」と要求した。

法曹界では当事者が死亡した場合、遺族が請求権を相続できるが、賠償範囲は制約的になるしかないとみている。法務法人「太平洋」のキム・ガプユ弁護士は「当事者でない遺族は精神的な被害補償を受けることができず、財産権の補償だけを受けられるため」と説明した。



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1 コメント

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これは不思議だ (ZOP)
2012-06-08 18:44:21
この主張が通るのであれば、日本側の個人請求権も復活する事になるではないか。
それが「法の元の平等」の原則だ。
これでは韓国側は何十兆円も日本に賠償する事になってしまう。
朝鮮半島に置いてきたインフラは莫大な数と額があるはずです。
この判決は韓国に悪夢をもたらすとしか思えません。
もしかして権利を振りかざしていいのは韓国人だけなのでしょうか?
もしそうなら、とても法治国家とは思えないのですが。
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