随分以前に読んでおきながらレビューを書き忘れていた。遅まきながら『銀齢の果て』をご紹介。私が敬愛して止まない作家筒井康隆が、その黒い笑いに磨きをかけた最新作を届けてくれた。
舞台は近未来の日本。厚生労働省が増えすぎた老人人口を減らすため、70歳以上の人々に強制的に殺し合いをさせる「老人相互処刑制度」を導入した。といういわば『バトル・ロワイヤル』の老人版。いやあなんでこんなに面白いのだ。しかも『バトル・ロワイヤル』のように中学生同士で殺し合うよりも、こっちのほうが現実味があるので、より黒さが増している。殺し合いの描写の生々しさはもはや円熟の域。
老人差別と言われるので、自身が70歳を超えるまで書くのを我慢していたそうである。筒井さんにおかれては死ぬまでみんなが忌み嫌う作品を出し続けていただきたい。
そういや昔、大学に入って同じクラスだったある男が、筒井康隆の大ファンだと言った私に「筒井康隆なんてあんな悪いことばっかり書く作家、駄目だよ。彼が好きだなんて、そんなこと絶対言わないほうがいいよ」と真剣に諭したことがあった。「馬鹿者め。手前のようなピュアな奴が最も危険で害悪を撒き散らす、危険極まりない存在なのだ」、とほとんど殺意に似た感情が彼に対して沸き起こったことを憶えている。
逆に言えば、それほど好き嫌いが分かれることが、筒井康隆の作家としての偉大さを示しているのだが。
舞台は近未来の日本。厚生労働省が増えすぎた老人人口を減らすため、70歳以上の人々に強制的に殺し合いをさせる「老人相互処刑制度」を導入した。といういわば『バトル・ロワイヤル』の老人版。いやあなんでこんなに面白いのだ。しかも『バトル・ロワイヤル』のように中学生同士で殺し合うよりも、こっちのほうが現実味があるので、より黒さが増している。殺し合いの描写の生々しさはもはや円熟の域。
老人差別と言われるので、自身が70歳を超えるまで書くのを我慢していたそうである。筒井さんにおかれては死ぬまでみんなが忌み嫌う作品を出し続けていただきたい。
そういや昔、大学に入って同じクラスだったある男が、筒井康隆の大ファンだと言った私に「筒井康隆なんてあんな悪いことばっかり書く作家、駄目だよ。彼が好きだなんて、そんなこと絶対言わないほうがいいよ」と真剣に諭したことがあった。「馬鹿者め。手前のようなピュアな奴が最も危険で害悪を撒き散らす、危険極まりない存在なのだ」、とほとんど殺意に似た感情が彼に対して沸き起こったことを憶えている。
逆に言えば、それほど好き嫌いが分かれることが、筒井康隆の作家としての偉大さを示しているのだが。
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とりあえず気になっているのは「家族八景」「七瀬ふたたび」です。コアな筒井ファンからすると、ミーハー的選択かも知れませんが…。
今度古本屋にでも行ってみようかな。
初期ドタバタの筒井作品では、新潮文庫の『宇宙衛生博覧会』とかいかがでしょう。
こういうのは勢いが大切なので、古本屋にて三冊購入。今読んでいるのが片付いたら、手を出してみます。