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神戸大学ニュースネット委員会が、神戸大に関するニュースをお届けします。開始日:2008年2月22日

◎阪神・淡路大震災の教訓生かせ 遺族、上野政志さん講演会

2013年01月11日 | シンポジウム・講演
 阪神・淡路大震災で娘の志乃さん(当時=発達・2年)を亡くした上野政志さんによる講演会「生きてこそ~1.17を忘れない」が、国文キャンパスM202教室で開催された。上野さんは会場に集まった約20人の学生、ボランティア関係者に向けて、自身の体験を語りつつ命の大切さを伝えた。【1月11日 神戸大NEWS NET=UNN】

 「内容があまりに多岐に渡るので、一部でも皆さんに伝わるところがあれば」。こう話し始めた上野さんは、震災当時の体験のみならず、以降に体験したタイでのボランティアのこと、過去に日本で起きた震災のことなどを、スライドを使いつつ語る。その中で、昨今の東日本大震災で、阪神・淡路大震災の教訓が生かし切れていないことを指摘。「阪神・淡路の時も、その1年前に起きたアメリカの震災の教訓は生かされず、政府の対応は遅かった。『まだ阪神・淡路大震災の話をするのか』ではなく、教訓という意味での震災は今も続いている」。上野さんは、今後震災の体験がない世代が成長しようとも、その「教訓」を残すことに意義があると主張した。


 
 昨年数回にわたって東北の震災ボランティアとして活動したという男子学生(国文・1年)は、「忘れられるということが何よりも怖いということを、遺族の方から直接聞くとこで再認識することができた」と、満足そうな様子だった。

 この講演会は、学内のボランティア支援室が主催となって例年開催されている。今年は講演会の会場奥に、志乃さんの下宿跡や2011年になくなった御影石の慰霊碑の写真が並べられ、写真に見入る参加者も見られた。(記者=片山孝章)


【写真上】講演を行う上野政志さん(1月9日・国文キャンパスM202教室で 撮影=竹内勇人)
【写真下】会場に並べられた慰霊碑、御影石に関する写真(1月9日・国文キャンパスM202教室で 撮影=片山孝章)
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