2012年6月7日、東京の渋谷公会堂で「エイジング サイエンス シンポジウム(主催:産経デジタル、後援:産経新聞社)」が開催された。
「アンチエイジング サイエンスの最前線」
~老いと若さの遺伝子への挑戦~
◆講演
『機能性食品の効果のDNA診断』
阿部 啓子先生
(東京大学名誉教授・特任教授、神奈川科学技術アカデミー「健康・アンチエイジング」プロジェクトリーダー、農学博士)
『カロリー制限と老化:過去、現在、そして未来』
リチャード ウェインドルック博士
(ライフジェン テクノロジーズ社共同創業者、ウィスコンシン大学教授、ニュー スキン エイジング ケア アドバイザリーボード メンバー)
『老いと若さを制御するミトコンドリア』
太田 成男 先生
(日本医科大学大学院医学研究科加齢科学系専攻細胞生物学分野教授)
◆パネルディスカッション
・木下 博勝 先生
(鎌倉女子大学教授、医学博士)
・ジョセフ チャン博士
(ニュー スキン エンタープライズ 最高科学責任者 兼 製品開発担当 エグゼクティブ バイスプレジデント)
シンポジウムの主催はメディアだが、これは良くある企画広告で、特定の企業の協賛または協力で行われる。メインの出演者はニュースキンの関係者だし、参加者はニュースキンのディストリビューターに割り当てられて一般の募集は行われていない。
「新聞社主催のイベントに、ニュースキンの研究者が呼ばれるなんてスゴイ」と、つい錯覚をしてしまう。そして数日後に、写真入でイベントの内容が特集記事としてデカデカと紙面を使って掲載される。そのページには他社の健康食品など広告はゼッタイ入らない。
今度はディストリビューターが、その記事で「新聞で一面使って特集された」と宣伝に使うわけである。産経新聞は、以前にも同じ手法でフォーデイズの記事を掲載していた。
新聞社としては、スポンサーからイベントと特集記事の費用をもらう一つのビジネスである。スポンサーは、いかにも新聞記事に載ったように広告できるし、ディストリビューターも人集めの話題性十分だ。
気になるのは、こうした広告手法が適切かどうか。
つい最近の消費者委員会で、テレビにも見られると指摘がされている。
細川委員 売り方の問題で、テレビでの広告と番組の境が、今、非常になくなっていますね。チャンネルが増えてきて、今、地上放送以外に、BS、CSとかあるけれども、そんなに中身は増えていなくて、結局、薄めているというか、本当は広告であるようなものを、いわゆる情報提供番組と称して、ほとんど広告主がつくっているようなものを垂れ流して、毎週同じような番組をやっているというようなものがいっぱいあるんですね。 しかも、番組のような形を取っていて、広告ではないように見せて、芸能人が出てきたり、あるいはレポーターがすごくいいですね、というような形でやっていくという、このテレビ上の広告か番組かわからないという形での売り方ですね、これも総務省はどう考えているのか、1回、私はヒアリングもしてみたいと思っていたんですけれども、たしか放送法あるいはガイドラインで広告か番組か、視聴者がわかるように分けなければいけないということがあるし、広告総量規制も、たしか放送時間内の30%というようなそういうルールもあったはずなんですけれども、これは番組だと言われてしまうと、もう広告に入らないとか、そこら辺のことも問題視しないと、私は解決しないんではないかと感じます。 河上委員長 ご指摘の点は、健康食品の問題に限らないところがありますね、普通の製品の性能なんかにも同じ問題があるかと思います。 2012年5月18日、第88回 内閣府消費者委員会 |
もうひとつ気になった点があるので、別の機会に書く。