傍観者の独り言・戯言

団塊世代の手前勝手な放言
ブログ「傍観者の独り言」の続編

団塊世代の老後は社会の縮図模様(雑感)

2016-04-20 05:16:28 | 社会

団塊世代が後期高齢を迎える2025年に社会保障費増大する2025問題が顕在化し、団塊世代は社会のお荷物とする意見があり、他方で、団塊世代の老後破産を懸念する意見もあり、混沌な社会模様ですね。
介護施設・介護要員不足・介護離職、保育園・保育士不足と、高齢者と子育てママと非正規雇用が社会を賑わしておりますが、団塊世代の老後破産危機は現実的な問題を内在しており、ブログ『保育園落ちた日本死ね!!! 』は現実味を帯びていますね。

2025年問題について、毎日新聞の夕刊記事『社会保障費急増、2025年問題 「団塊の世代」老後はお荷物?』(4月8日)で、社会保障問題だけでなく団塊世代の特異性について、
“「専門家8人が団塊の世代の職、住、教育などについて分析した本「団塊世代60年」(生産性出版)は、この世代の特徴として、こんな声を紹介している。<プライドが高く、組織や他者批判が好きで、自分は正しい道を歩いてきたと信じ、主張の手段は相手を「論破」すること。下の世代を「自分に甘過ぎる」と決めつけ、他者にレッテルを張り、すぐに「あいつはダメだ」と言いたがる>(一部略)」”
と言われるように、独善的で協調性欠如の世代として、社会のお荷物扱いですね。

17日放送のNHKスペシャル【老人漂流社会 団塊世代 忍び寄る“老後破産”】は、団塊世代を「逃げ切り世代」と一概には言い切れないとし、老後破産予備軍として取り上げていました。番組案内を転載すると、

“「シリーズ「老人漂流社会」では、年金収入だけでは暮らしていけない“老後破産”の実態が、独居高齢者だけでなく、親子が共倒れする事態にも広がっていることを伝えてきた。取材を進めると、日本の屋台骨を支えてきた「団塊世代」にも、そのリスクが忍び寄っていることが明らかになってきた。
「団塊世代」は、1947~51年生まれの戦後世代で、およそ1千万人に上る。終身雇用制で、比較的余裕があると思われてきた世代だが、実はバブル崩壊に直面し、所得や退職金は減少。自ら高齢者となったが、長寿化で親の介護負担が重くのしかかっている。
その上、就職氷河期に直面した団塊ジュニアは、不安定就労な割合が高く、自立できずに同居している未婚者だけで300万人に上る。
年金だけで、親の介護や、子の支援がままならず、貯蓄を切り崩して生活している世帯が多く、民間シンクタンクの分析によれば、年金だけで暮らす団塊世代の預金残高は、年間90万円ほど目減りし続けている。さらに今回、団塊世代が多く居住している首都圏の団地でアンケート調査を行ったところ、団塊世代の半数以上が「生活のために働いている」と答えていることも分かった。
団塊世代が直面している老後破産のリスクを密着ルポとデータ分析で構造的に明らかにし、「団塊世代」の老後破産をどうくい止められるのか、有識者の提言も交えて問題提起してにいく
。」”

と、団塊世代には、親の介護に子供援助があり、皆が安穏ではないと。

NHKスペシャル【老人漂流社会 団塊世代 忍び寄る“老後破産”】では、定年退職後の団塊世代を老後破産の予備軍と捉えて、想定外の破綻危機要因を親の介護負担、子供(団塊ジュニア)の支援負担とし、現役世代の子供の支援が想定外要因とし、親子共倒れを警鐘している内容でした。
要は、団塊世代の老後破産危機は、現役世代の生活苦・生活不安定が主因とも言え、現役世代の生活安定が問題の本質ですね。

団塊世代の当方は、バブル崩壊で、「集中と選択」「破壊と創造」の錦の御旗で事業構造改革・リストラが経営者評価になる時勢を体験しましたが、NHK番組で紹介された人間と同様に、当時は、「何とかなるだろう」とマイペースで過ごしてきました。
退職後、知り合い企業に従事している折、老母の徘徊中の転倒事故を契機に、仕事は辞め、老母を見守り世話することなり、介護保険制度を知り、ディサービス利用後、特養入所・転倒拒食となり、一般病院で経管栄養による長期入院となり、看取りを在宅と思い現在は在宅介護中です。
介護して思うことは、本ブログ『介護は人的・経済的余裕がなければ生活破綻に(雑感)』(2015-11-18)で、人的・経済的な余裕に幸運がなければ介護の担い手は生活破綻する実感と書きました。

また、思うことは、現役世代は自分の生活に精一杯で、本ブログ『下流老人は下流予備軍を生成要因でもあるが、デフレ脱却が最善解?(雑感)』(2016-01-16)で、

“「訪問ヘルパーさんと世間話をすると、正規職員のヘルパーさんは出産2か月で働きだし、お子さんをどうしてると問うと、幼子を母親に預け長男の幼稚園の送迎は父親にお願いしているとか、母親が入院生活になり家族全般の家事を担うことになり介護職を辞することなったとか、パートのヘルパーさんは大学・高校の子供の学費が大変とか、共稼ぎ息子夫婦が出産を迎え同居し始め孫の世話で忙殺され訪問ヘルパーを辞めざるをえないとか、共稼ぎ両親と同居している祖母の介護の手が無く正規社員からパートに変更したとか、皆庶民は懸命に家計に汗を流しています。」”

と書きましたが、団塊ジュニアの現役世代は、親の面倒を見る余裕などなく、生活費を稼ぐのが精一杯でしょうね。

特に、思うことは、保育園問題もあるが大学授業料について、本ブログ『大学の授業料高騰が社会を停滞化に(雑感)』(2016-01-29)で、

“「大学授業料高騰に一般家庭は教育ローン、大学生は奨学金返済で耐乏生活を強いられる現下は、健全な社会と思えず、奨学金制度が硬直化なのか、授業料高いのか、大学進学ありきが問題なのか、諸々考えされるが現状のままでは社会が低迷停滞すると思います。」”

と、大学授業料負担が現役世代を苦しめていると思っていました。

大学授業料については、4月6日のNHKニュースで記事『首都圏の私大新入生への仕送り 過去最少に』で、

“「首都圏の私立大学の新入生を対象に、家計の負担について、教職員の組合が調査した結果、去年の新入生が受け取った仕送りは1か月当たりの平均で8万6700円となり、今のやり方で調査を始めた昭和60年度以降、最も少なくなっていることが分かりました。1日の生活費も平均で850円と過去最低の金額になり、組合は「奨学金などの支援策の充実を求めたい」としています。
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今のやり方で調査を始めた昭和60年度以降、最も少なくなりました。仕送りの額は15年連続で減り続けていて、最も多かった平成6年度に比べて3万8200円少なくなっています。
仕送りから家賃を除いた新入生の生活費も21年連続で減り続けていて、今回の調査では1日当たり平均で850円となり、最も多かった平成2年度と比べて1610円少なくなりました。
一方、入学に備えて費用を借り入れたと回答した家庭は17.9%で、借り入れた額は平均で183万円と、これまでで最も多くなりました。
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」“

と報道しており、大学授業料高に比べて親の収入増が低く、現役世代が子供への仕送りが厳しくなっており、団塊世代の親への支援など想定外であり、むしろ団塊世代の親が現役世代の子供を援助しているのが現実ではないでしょうか?

本題の団塊世代の老後破産危機は、親の介護、子供の支援の想定外の負担が要因かもしれませんが、バブル崩壊後の日本経済の変容に国民生活が追随できない社会の歪を現役世代が頑張ってきているのです。
その歪の一端が、ブログ『保育園落ちた日本死ね!!! 』であり、現役世代は育児から難渋し、大学授業料仕送りで困窮し、非正規雇用で生活安定化を望めず、団塊世代の老後破産危機は、現役世代の生活苦が起因でもあり、団塊世代だけの問題ではなく、現役世代、次世代に関わる問題の社会の縮図でしょうね。

社会のお荷物の団塊世代の老後破産危機と言われても、当方には、なにかおかしいと思うが具体的解決策は持ち合わせなく、耐乏し、傍観するしかないですね。
現社会は、育児の母親は、保育園問題で苦闘しており、子を持つ親は大学授業料の捻出で難渋しており、子は正規職の就活に奮闘しており、他方で、労動力不足が顕在化している日本社会は何かおかしいですね。
ただ、現態勢で一億総活躍では安定化社会の実現は不可でしょうね。


「付記」

現代ビジネスサイトに、若者の貧困に焦点を当てた『貧困世代』の著者・藤田孝典氏と、NHKスペシャル『老人漂流社会』のキャスターで、『老後親子破産』の共著者である鎌田靖氏の対談『この国に静かに忍び寄る「団塊世代の貧困」という大問題  まず現実を直視したい』(2016年04月15日)がUPされています。






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