伊藤忠商事は、再生可能エネルギー事業の拡大を目指し、米オレゴン州で建設が進む世界最大の風力発電事業である、シェファード・フラット風力発電事業(845MW)に参画することになった。
同件の総事業費は約20億ドル(約1,600億円)で、伊藤忠商事は子会社のティア・エナジーを通じ、米国住友商事、グーグルとともに、3社で合計約5億ドルの投資を行う。
ティア・エナジーは伊藤忠商事が北米で行うIPP事業の為の現地子会社であり、長期的な視点に立った投資を行っている。今後、同件開発を手掛けたケイスネス・エナジー社、GEエナジー・フィナンシャル・サービス、及び今回新規に共同で権益を取得する米国住友商事、グーグル各社と、これまでの発電分野におけるノウハウを活かし、2012年の完工、その後の安定操業を目指し、尽力する方針。
シェファード・フラット風力発電事業は、アーリントン近郊、オレゴン州の北部中央に位置するギリアム郡とモロー郡にまたがる30平方マイル(約80㎢)の土地をプロジェクト・サイトとし、2012年の完工後は、米国の一般家庭235,000戸以上の家庭に供給可能な電力を提供するとともに、およそ20万台の乗用車が年間に発生させるCO2量と同等の年間150万トンのCO2削減に貢献する事業。
また、同件の電力は米電力大手のエディソン・インターナショナルの子会社で、カリフォルニアの電力会社であるサザン・カリフォルニア・エディソンに、20年間の売電契約に基づいて供給される。
この電力供給は、サザン・カリフォルニア・エディソンが掲げる再生可能エネルギーの利用向上に資するものとなる。
同事業の建設は3つのフェーズからなり、合計338基のGEエナジーの最新鋭2.5xl風力発電機を設置する風車建設のみならず、総延長95マイル(約152km)の道路敷設、送電グリッドに繋ぎ込む為の総延長167マイル(約267km)の送電線敷設を含む。
ケイスネス・エナジーでは、同件がオレゴン州に年間1,600万ドルの直接経済効果をもたらすと推測している。
GEエナジーの2.5xl風力発電機は他のモデルより大型で、永久磁石を使って発電を行う。この発電機に用いられている技術は、発電機の効率性、信頼性及びグリッドへの接続性を向上させ、風力発電コストの低減を実現させるもの。