第2話 「海域に広がる罠」
「疲れているだろうがこれを見ろ」
アル・レレン艦長はアゼラの位置を示しながら、地図を表す。
「何かおかしいですね…確か戦っていた時にはバミューダ海域の空中だった…」
守里はなぜか場所が微妙に地上を表し、その空中だったことに疑問を抱く。
それはベラーナも同じだった。
「アゼラは異界なのか?移動しているとかか?」
ベラーナの言葉にアストラーダが答える。
「場所は同じなはず。うまいこと撹乱されているだけで…罠っていうべきかもしれない」
その言葉に、アル・レレン艦長は虹を思い出した。
守里、ベラーナ、アストラーダは地図を確認する。
数十秒経ってから、アル・レレン艦長が答える。
「誰かが壊したはずのバリアを復活させていたな」
アストラーダは考えながら告げた。
「多分…キーラ隊の中に紛れて別部隊が、またバリアを貼ったかな」
「別部隊がいるのか?」
ベラーナがコーヒーを片手に聞いた。
「キーラ隊の他にいるとしたら、プロテガだな。固定されていてマイールたちを守っている。ここからは攻撃できない。また照射で壊すしかない。繰り返しになるが…」
アストラーダの言葉の元、アル・レレン艦長は決断した。
「シークル艦は照射後、こちらの部隊とともに空中戦に備える。Gビャクヤは右前方から。ベラーナ機、アストラーダ機は左後方から。さらに上空の位置からシークル艦は攻撃する。シークルレーザー砲を避けるんだ」
守里たちは、このままでは拉致が開かないことを承知で頷く。
艦には喰らえさせない勢いで行くしかない。
固定されているならなおさらと守里、ベラーナ、アストラーダが思った時、整備士のサイが来た。
「シークル艦ならある程度耐えられます!」
コーヒーを置いてベラーナも答える。
「艦を狙わせるな!」
同時にアストラーダも頷く。
「照射は1時間後、準備を整えておくんだ」
アル・レレン艦長の言葉のあと、それぞれが急いで支度を整え出した。
「寝る暇はないが、食事は取っておくんだ」
アル・レレン艦長の優しさが見えたが、表情は真剣だった。
シークル艦に攻撃はさせたくない、守里はそう感じていた。
それはベラーナやアストラーダも、同じだったに違いはないだろう。
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