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ねここねこの家

写真ありで我が家の出来事、
主人と、猫ちゃんず(×3)の普段の様子
思いのままのブログ日記♪

アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~2 第19話 「悪用されたマーズの鉱石」

2019-11-30 18:35:29 | 小説

 

第19話 「悪用されたマーズの鉱石」


「マーズの鉱石って進化するんですか?」


守里はシークル艦に向けて質問をした。

麻生は顔をしかめたまま、一つの出来事を語った。


「昔の話じゃが…マーズの鉱石に水素を混入した実験をしたことがあった。爆発的な威力だったから採用されることはなかったんじゃ」


「麻生さんと同じようなエンジニアなら考えますよね?」


守里の問いかけにゲンナ号の近くにいたベラーナが畳み込めるように質問をする。


「剣の親父さんならできるってことか?恐ろしいことだぜ?」


アル・レレン艦長が続けて話す。


「…あり得るな。同じエンジニアなら考えるだろうし。私だって恐らく敵なら容赦はせん。水素だろうが何だろうが強くさせるだろう」


麻生も同じ意見だった。


「それをどう使っているかですよね?水素爆発はしないだろうし…」


守里は小声で伝わった「仲間にならないか」の話もした。


アル・レレン艦長は麻生のに向かって話し出す。


「守里君には何か他にあるのかもしれないが、知っていることはあるかい?」


麻生は缶バッチに書かれていることは他にはなく、恐らくパワークロノスが目的ではないかと話した。

他にあるか…守里に質問がいく。


「俺の腕ってことはないと思うし、そもそも設計は麻生さんとセイナがしているから…あ、関係ないかもしれませんが、以前マーズの鉱石を天井裏から持ってた時にこれがありましたよ?」


守里が画像を転送すると、セイナが驚く。


「これっておじいちゃんがマーズの鉱石と一緒に残した砂時計!」


セイナは成分を調べることにすると、簡単に答えが出た。


「何でかは分からないんだけど…水素が混じっている。しかも砂自体が結晶になっているの。石英(せきえい)っていうクオーツで酸化鉱物だよ」


ベラーナが答える。


「かなり難しい説明なんだけど…俺バカだから分からないかも…要するに何に便利なのさ?」


「うーん簡単にいうと耐久性に優れたものが作れるってことかな。水素もあれば速度もあげられるし、爆発はさせなくてもパワークロノスとかGV(ジーヴィー)を強化できるの」


麻生とセイナは整備士のサイと話して、どのくらいで作れるか相談した。


「成分量を調査してだから、1日あればできると思います」


サイが答えると麻生とセイナは、時間を短縮させるために加わることを告げると半日でできることも分かった。


「新型デロリデです!」


シークル艦から声がすると、守里は設計などを急ぐという言葉を聞いてから新型デロリデに向かう。


「やばいな…あれって施設の方に向かうかも…」


守里は阻止するように立ちはだかった。

この新型デロリデには早さを感じない。

両手剣で立ち向かうと火花が散った。


「やめてくれ!運ぶだけなんだ!」


新型デロリデから声がした。


「白旗を上げてこっちにきて欲しい」


守里は捕まえてシークル艦に向かった。


「…俺は…捕まるくらいなら自爆もするぞ!」


機体から見えたのは爆発物だった。

そうまでして運びたいものがあるとも思えない。

逃げの手口と咄嗟に思った守里は機体の手から爆発物を振り落とした。


「い、いやだ!」


新型デロリデの操縦者の言葉に耳を傾けている時だった。

その時早くに向かってくるジャイワナーゾが目に入った。

マーズの鉱石を悪用した父親が乗っているように思えた。

1人で2機は難しいか、そう思っていると新型デロリデの動きが止まった。


ジャイワナーゾが体当たりをしてきて、Gビャクヤの体勢が大きく崩れる。

新型デロリデを運ぶようにして飛び立っていった。

その場に何かある。


新型デロリデの操縦者であろう人物だった。

動かないことは分かっていた。

自害するほどの物を運んでいたことになる。

助ける間もなく地上に落下していった。

 


アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~2 第18話 「守る心」

2019-11-29 18:27:08 | 小説

 

第18話 「守る心」


「渡しておくよ」


ゲンナ号にきた守里は、それだけ伝えて肩をたたくとその場を去った。


「…聞かないんだな…まあさ、その方がいいかもな」


カンナが現れて言った。


「ベラーナの両親はアゼラに殺されたようなものなの。だから…」


ベラーナは遮って話し出す。


「誰だって事情はあるってな。剣だってそうさ。だから俺なら大丈夫だよ」


ベラーナは思い出の鏡を手にしてジャケットに入れた。

普通に話していたが、誰もが戦いに巻き込まれている。

守里は感傷的になりたくても、今はなれないことも分かっていた。

ベラーナも同じだろう、そう感じていた。


「俺シークル艦に戻っているよ。警備が薄くなるからさ」


守里はそう告げてベラーナと握手を交わしたが状況を理解していた。

今は戦いの中にいることを。


「こちらシークル艦!ジャイワナーゾが動き出した!」


守里は急ぐと、ベラーナはゲンナ号を守るために隠れていた。


突然セイナから連絡が守里に入った。


「あのね、あのジャイワナーゾには…多分アストラーダが乗っていると思うの。動きが早いから。」


守里は思い立ったようにセイナに告げた。


「セイナ…守るから!アストラーダからもマイールからも!それに…」


聞いていたカンナやララが告白と思い驚くと、守里は続けて告げた。


「みんなのことも!親父から守ってみせる!死者は出したくないんだ!」


アル・レレン艦長は感じていた。

若い守里には荷が重いかもしれないが、同じ思いだと。

恐らくその場を知っている誰もが死者を出したくない、そう思うだろうと。


「俺だって同じ思いだぜ!剣!カッコつけんな!」


守里はジャイワナーゾに向かいながら、あまりの早さに驚き告げた。


「ジャイワナーゾも新型タイプだ!」


緊張しているのは待ってるカンナやララだけではなかった。

シークル艦で待つセイナや麻生、クルーのみんなが同じだった。

ベラーナは守里の優しさも感じていた。


「まずはミサイルを!」


新たに加わったわずかなミサイルで先制すると軽くかわした。

接近戦に持ち込む。


「くっ!」


守里は余裕も伺える新型ジャイワナーゾに二刀で戦う。

青く光った時、守里は力を込めて刺した。

腕をかすめただけだった。

その時、新型ジャイワナーゾから声がした。


「守里君だね?君にお願いがあるんだ。その力が必要でね。仲間にならないか?」


アストラーダの声だった。


「…ふざけるな!」


守里が力を込めて両手で押し通そうとする。

新たに加わった攻撃で…そう思った時、早いスピードでその場を離れた新型ジャイワナーゾ。


麻生を始め誰もが驚くほどの早さだった。


アル・レレン艦長は感じていた。

この空間をあの早さで動くのは戦闘機でもできない。


アル・レレン艦長と麻生はマーズの鉱石が悪用されていることを知ったが、それだけじゃないことも分かっていた。


「…親父…」


守里の声は誰にでも聞こえていた。

アル・レレン艦長と麻生は、守里の父親の力で強化されていることを悟った。

守里とベラーナも同じだった。

ただ、カンナやララ、セイナは複雑な思いでいた。

 


アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~2 第17話 「思い出の鏡」

2019-11-28 15:40:29 | 小説

 

第17話 「思い出の鏡」


ベラーナ、カンナとララが合流しゲンナ号に行ったものの、強化した機体は乗せられない。

仕方がないとベラーナ機は空に浮いた状態になった。

そこで身を隠すためにも、ゲンナ号は「長野県」の施設に近い山の一角に入った。

トキノがいない中、ロロナだけが頼りだが実態のない状態。

ロロナの力も試される時だった。


「おいおい、着いて早々施設に変なのがいるけど?あれって新型デロリデじゃないの?」


ベラーナが言うと、カンナとララに緊張が走った。

ロロナは呑気に言った。


「気づいていない〜敵意もない〜」


様子を見ているとアストラーダの姿と見たことがない男の姿があり、トキノに送ってみる。


「…やっぱり…あれが剣の親父さんか…」


見ているとアストラーダは笑っていた。

なぜかベラーナには忘れられない光景に思えた。

カンナとララは変わってしまったアストラーダを見ていない。

ベラーナは、アストラーダの笑顔のことは内緒にしておくことにした。


台風が近づいていることを忘れていたのが原因だっただろう。

ベラーナ機の一部の部分が飛んでしまった。


「俺は出撃する!ゲンナ号は守らないといけない!とにかく姿は隠すんだ!」


ベラーナはあえてゲンナ号より反対に向かうと気づかれると思い、上空を通って素早く飛ぶ。

新型デロリデの1機が見えた。


「1機か…後続機はあるか?」


ロロナに聞くと答えがあった。


「後続機はない〜ベラーナ頑張れ〜」


ロロナの設計はセイナがしている。

セイナも連れて来るべきだったかもしれない、とベラーナは思った。


「これで様子を!」


ミサイルを放つと新型デロリデの足の部分をかすった。

火花が飛ぶ。


「慣れていないな…」


ベラーナの読みは当たっていた。


「近づいてもう1発!」


その情報は守里にも入っていたが、手の出しようがない。

これで動いたら反対にシークル艦が手薄になる。

我慢の時だった。


整備士のサイが現れ不思議そうな顔をしている姿が見えた。


「何かありましたか?」


守里の質問にサイが答える。


「…これ誰のだろう?落ちていた古い鏡だけど…半分割れている…」


その時同時に破壊されるような大きな音がした。

新型デロリデの姿が1機消えた。


「大丈夫だぜ?」


ベラーナの声で安心すると、ゲンナ号に鏡の写真を転送した。


「…俺のだよ」


ベラーナが暗い声で言うと、喜びから一転して告げた。


「親父との唯一の思い出だよ…」


守里は言葉を失っていると、ベラーナは引き攣った声で言った。


「案外助けられたのかもしれない…もし…あの新型デロリデの操縦士が慣れていなかったら…」


ベラーナはその言葉の後、沈黙したままゲンナ号に向かった。

麻生もアル・レレンも聞いていたが沈黙し、表情を変えなかった。

 


「小説」も大切!生活も大事!

2019-11-28 11:36:33 | 生活

小説はとても大切ですが、ここで生活に必要な情報がお届けできたら幸いです。

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アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~2 第16話 「策略」

2019-11-27 18:28:08 | 小説

 

第16話 「策略」


「攻撃方法が増えると、重力の問題があるかもしれないってことはないんですか?」


守里が麻生に質問すると、笑顔で返事が返ってきた。


「そのために少しずつ部品を軽量化しているから問題はないんじゃ」


守里は、そういえば動きが軽くなっているとも感じた。

ベラーナも同じだったのか軽く言った。


「動きが俊敏になった気がするかな。とか言って最初は気のせいかと思ったけどさ」


警戒はアル・レレン艦長のいるシークル艦に任せて、久しぶりにゲンナ号に行くことになった。

カンナやララ、AIのロロナに久しぶりに会う。


「おかえり〜」


ロロナが元気よく言うと、守里は安心した。

一時期は重量オーバーでロロナもヘトヘトになっていたからだった。

カンナは困ったように一言だけ告げた。


「これじゃ、ララの食事係よ…」


守里はカンナやララに言う。


「いざとなったら、協力してもらうことになるからお願いします」


アル・レレン艦長から直接連絡があった。

カンナやララも呼ばれたので緊張が走った。

シークル艦に行くとカンナやララは規模の大きさに圧倒される。


「俺も最初はびっくりしたよ」


ベラーナがカンナに言うと、アル・レレン艦長と艦首にいるシースが現れた。

シースの手には端末のような何かを持っている。


「新生アゼラからの機体じゃない。施設から出てきています。それともそこが拠点か」


そもそも新生アゼラがどこにあるかは分からない。

施設が関係しているんじゃないかもしれない…守里はある想像をして話した。


「施設がどこかに繋がっていて、その場所が…新生アゼラだとしたら…そこってアベルトと戦っていた場所かもしれませんね…」


アル・レレン艦長が興味深く理由を聞く。


「なぜそう思うのかい?」


守里は頭を掻きながら、それでもアル・レレン艦長の目をまっすぐ見て答えた。


「…あの場所は特別重力が重かった。バミューダ海域だったからかもしれませんが…だったら親父が好む場所のはず。昔聞いたことがあって…シロハタ・カンパニーは元はその空間だったとか…人からの話なので正確な情報かは不明ですけど…」


ベラーナが表情を曇らせて言った。


「まあ、確かに重力が重く感じたなぁ。だからかな、異様に感じたこともあった」


守里とベラーナは恐らく同じことを思っていただろう。


「異空間…って言ったらおかしいだろうけど、空間がおかしかったんです。理由はわかりませんが…」


守里の言葉にベラーナが頷く。


アル・レレン艦長も違和感を感じていたようだった。


「何処かの国なら海軍とかきているはず。確かに特殊な空間なのかもしれない。時空には狭間があるらしい」


艦首のシースも同じ意見だったが、おかしな点に気づく。


「異空間なのは合っているかもしれませんが、そんなに簡単に憶測できるのもおかしくありませんか?」


どこへ続いているか分からないことより、簡単に憶測できることがおかしいとすれば…と守里は思った。


「親父やアストラーダの策略かもしれませんね。混乱させるための」


アル・レレン艦長は若いが優れている。

答えはすぐに出た。


「施設から目をそらすためかもしれない。注目する点はジャイワナーゾがどこから発進されたかだ」


シースが答えた。


「2機が施設で1機は分かりませんね」


ベラーナが手を挙げて答える。


「随分面倒なことするじゃん。隠したいよ、って言っているだけに感じるよ。今は施設優先じゃないか?」


アル・レレン艦長は、施設へカンナとララ、ベラーナを向かわせることにした。

いざシークル艦に何かあったら守里がいる。

素早い行動にはみんなが慣れていた。

すぐに急いで行動すると同時に、守里は残りの1機にも注意するため機体に乗って準備をした。