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南房総館山・なぎさの自然詩

南房総館山の自然や海での出来事を紹介しています。

キアシシギとキリガイ

2023-05-13 22:00:03 | 海岸での出来事

雨混じりの空模様の中で海岸を歩いていると、キアシシギと出逢いました。
波打ち際で嘴を砂に入れて餌となる生き物を探しながら歩いていました。
その後ろをビーチコーミングしながらゆっくりついて行きます。
磯場に着くとキアシシギは水浴び中。
キアシシギに続くようにキョウジョシギも水浴びを始めました。


水浴びが終わり、入念な羽繕いをしていた鳥達。
キアシシギは時々目を瞑りお休み中でした。
しばらく観察していると休憩が終わり、磯から飛び立っていきました。


鳥達と別れて砂丘に咲くハマボウフウとハマヒルガオを観賞していると、コチドリの声が聞こえました。


砂浜をあっという間に走り去るコチドリを見失わないように目で追いかけます。
すると砂浜で採餌中のキョウジョシギがコチドリに近づいてきました。
さっきはキアシシギと一緒だったし、キョウジョシギは一羽でいるのが不安なのかもしれません。


海岸で鳥達と過ごしながら拾い集めた貝殻たち。
白くて細長いのは初見の貝殻で、タケノコガイ科のキリガイというそうで比較的深いところで暮らすそうです。
約8cmの長さで先端が欠けていたのが残念ですが、完品ならば10cmくらいになりそうです。

土曜日の割には人がとても少なくて、鳥達がイキイキと活動していました。
一緒にビーチコーミングしていたキアシシギ、キョウジョシギ、コチドリの他にハクセキレイ、カラス、トビ、カワセミ。
ウグイス、ヒヨドリ、カワラヒワの鳴き声と波音だけ聞こえる海岸は自然本来の姿なのかもしれません。





春の海岸と布袋石

2023-04-18 21:44:31 | 海岸での出来事

春らしい陽気になると決まって強風が吹く南房総ですが、例年に無く強風の日が多い気がします。
しかも今年は北風の強い日も多くて、風の穏やかな日を数える方が早い感じです。
そんな荒れ模様の南房総の海岸でも気温が上がるにつれて、海浜植物もどんどん花開き砂丘が色鮮やかになってきました。
風が強いと海岸に行く頻度が下がってしまって、久しぶりに海岸を歩くとミヤコグサが満開になっていて驚きました。


更にトベラの花も咲き、甲虫が花の蜜を吸っていました。
顔を近づけると良い香り。
この香りが大好きで、毎年楽しみにしています。


ハマエンドウもたくさんの花が咲いて花畑のようです。
どこか遠くへ行かなくても身近な場所で時間を気にせずに花を眺め、誰もいない海岸でその空間を独り占め出来るなんて、かなり恵まれている環境です。


春に吹く強風は様々な生き物を運んできます。
紫色のアサガオガイは泡のような浮袋で海面を漂いながら暮らす貝ですが、黒潮に乗り房総半島近くまで来てから強風で館山湾内に運ばれたようです。
このアサガオガイに付着していたエボシガイは、iNaturalistで調べたところルリエボシというフジツボの仲間だと分かりました。
アサガオガイとルリエボシは生きている状態で砂浜に漂着していたので、写真を撮った後リリースしました。


同じ海岸の波打ち際近くにあった布袋石。
白い石灰が付いていました。


死んでしまったイルカの骨はほとんどが分解されて無くなってしまうのに、耳小骨やアブミ骨の形が残るのは音を伝達する為に密度が高くなっているからだそうです。


そして海岸には冬季に別の場所で過ごしていたシロチドリが繁殖の為にやって来ました。


シロチドリは砂浜のくぼみや流木や海藻などの漂着物の近くが安心するようです。
海の上を飛ぶ姿は悠々として見えますが、臆病な性格っぽいです。

春の海岸にはカモメやカモ等の渡り鳥達が無く静かな雰囲気を感じていました。
普段見かけるアオサギやコサギ、イソシギやイソヒヨドリも繁殖シーズンとなり、いつもの場所からいなくなりました。
それと入れ替わるようにシロチドリやコチドリが海岸に現れて子育て準備に忙しそうにしています。
いつもと同じ海岸のように見えて、そこに暮らす生き物達は様変わりしていて、すっかり季節は夏の気配がしています。







コチドリとイルカの耳骨

2023-03-15 21:28:23 | 海岸での出来事

暖かな午後の海岸では潮が引き、海藻に覆われた磯が顔を出していました。
随分磯が見えていたので干潮なのかと思い、調べたら今日は小潮だったのですが大潮と間違えるほどでした。
潮の引いた広々した浜をビーチコーミングをしながらゆっくり歩いていると、ピーーョッと声がしてコチドリが現れました。
なんと約1年ぶりにこの海岸でコチドリに出逢えたのです。
おそらく海岸で繁殖する為にやって来たと思われるコチドリのオスで、すっかり夏羽に変わり頭部の黒色と黄色いアイリングが見られます。
今年も元気な姿を見られて嬉しいものの、昨年の失敗続きだった繁殖が思い出されて複雑な気持ちになりました。


さらに岩場にいたのはイソヒヨドリのオス。
こちらもそろそろ繁殖の準備に入っているのかもしれません。


そして波打ち際で採餌した後に砂浜に上陸してきたカルガモ。
歩く姿がとても愛らしいです。


カルガモがいた浜の沖の海面ではウミアイサが忙しそうに羽繕い中でした。


午後の海岸はキラキラした波が打ち寄せていて、鳥達しかいないとても穏やかな世界です。


鳥達との楽しい時間もそろそろ終わりにしようと思った帰り道に、なんとイルカの耳骨を見つけました。


今まで拾った耳骨の中で一番大きくて驚きました。
家へ帰り重さを計ってみたら18gあり、その他のも計ってみたら7〜8gだったので約2倍くらいです。
どんなイルカだったのでしょうか?
縁あって出逢えたものなので、大切にしようと思います。

今日は1年ぶりにコチドリと出逢えた貴重な日となりました。
コチドリが安心して卵を産み、ヒナを育てられることが当たり前に出来るような海岸になって欲しいと切に願います。
心有る方たちがもっと増えていけば、全ての野生動物や植物が自然のままに生きられる世界は実現可能だと思いたいです。



元旦の海岸

2023-01-02 07:40:19 | 海岸での出来事

朝の館山湾では気嵐が見られました。
気嵐は北日本で見られるイメージが強いですが、発生の条件は水温と気温との差が15℃の時だそうです。
気象庁の観測では館山市の最低気温は-0.7℃だったので、水温は15℃以上だった事が分かります。



正月休みの漁港ではさかなクンのイラスト入り漁船が陸揚げされていました。


誰もいない港内で日なたぼっこ中のアオサギ。


元旦のビーチコーミングでは微小貝拾いしました。


そしてまん丸な太陽の初日の入りが見られました。




海岸には夕日を見ようと沢山の人達が集まっていました。