goo blog サービス終了のお知らせ 

南房総館山・なぎさの自然詩

南房総館山の自然や海での出来事を紹介しています。

ねこじゃとコチドリ

2022-05-21 19:32:45 | コチドリ

今日拾った貝殻。
左側からサメダカラ、ウキダカラ×2、オミナエシダカラ×2、コモンダカラ×2、ツノガイ×2、タマガイの仲間×3です。
房州弁ではタカラガイを「ねこじゃ」と呼びます。なのですが私は自分自身では使ったことは無くて、海岸で会った年配の方がねこじゃと言っているのを聞いた事があります。



海岸に咲いていたハマボッスの花。


この時期の花を咲かせる海浜植物は白色が多いように感じます。



ハマボウフウの花粉を一生懸命食べていたハナムグリは、カメラを近づけても逃げる気配がありません。


鳴きながら砂浜に降り立ったコチドリ。
3羽のコチドリが飛んできて、すばしっこく走り回っていました。



その内の1羽は砂の凹みにうずくまるような格好をしています。その姿もかわいいな~と思ってしばらく眺めていました。
今年この浜でコチドリの卵を確認した後、しばらくして卵が無くなってしまってからは、まだ産卵をしていないようなので、引き続き観察していこうと思っています。





福徳岡ノ場の軽石とコチドリ

2022-05-07 20:06:00 | コチドリ

今日は晴れたり曇ったり、時々雨が降ったりととても不安定な空模様でした。


海上には今にも嵐になりそうな雲が通り過ぎ、幸い小雨に降られる程度で済みました。



海岸には木の枝などと一緒に軽石が多数漂着。


2021年8月に噴火した福徳岡ノ場の軽石だと思われます。
9ヶ月という長い間漂流していたのが、今頃房総半島にたどり着いた事に驚きました。


そしてヒシの実。


よく見てみると突起が3個あり、今まで見た事の無い形をしています。


更にアオイガイもありましたが、真っ二つに割れていたので残念です。



採餌中のコチドリの姿にも出会えました。



以前コチドリの卵3個を確認していた巣の場所を見てみると、卵が無くなっていました。
ヒナを連れている様子も無いので、どんなトラブルがあったのか分かりませんが、恐らくこの巣は繁殖に失敗したと思われ、とても残念です。


海浜植生の中ではハマボウフウの花が咲き始めました。ハマボウフウの白い花は緑色の野原の中で一際目を引きます。
春から夏にかけて次々と海浜植物の花が咲くので、海岸へ行く度にどの花が咲いているのかを見て歩くのが本当に楽しみです。
雨上がりの新緑の匂いを胸いっぱいに吸い込み、とても清々しい気分でした。





富士山とコチドリの卵

2022-04-30 16:48:37 | コチドリ

昨日の低気圧の通過に伴って風雨の激しかった南房総でしたが、そのお陰と言うのも変ですが今朝は空気がとても澄んでいて富士山が見えました。



海岸林にある小道の先には青い海。
ここ数日間は灰色の海だったので久しぶりです。


小道を抜けて海岸へ出ると、眩しいくらいの日差しの中、青い空と海が見えました。
対岸の三浦半島にある建物までもがはっきりと見えます。



砂丘ではハマボウフウの花が咲き始めていました。



ズームアップしてみると小さな蕾がたくさん。もうすぐ咲きそうです。


そして砂丘の植生の隅にコチドリの卵を見つけました。
通常コチドリは卵を4個産むのですが、この巣には3個しかありません。もう1個はヘビや他の生き物に食べられてしまったのか、昨日の嵐で吹き飛んでしまったのかもしれません。
しかも卵の周りには親鳥の姿もありません。



コチドリの姿を探しつつ、貝殻探しもして綺麗なオレンジ色のハルシャガイを見つけました。
その間にコチドリの鳴き声がし、どこからか飛んできて波打ち際近くの砂浜に降り立ちました。
これで一先ずはコチドリが卵を放棄したわけではない事が分かり、ほっとしました。


砂丘から海岸林へと変わる辺りではトベラの花の甘い香りが漂います。



こうして嵐が去った穏やかな海岸では、昨日の雨で増水した川が流れ、地形もすっかり変わってしまいました。川の水に砂が削られ川の両脇が崖のようになっている場所もあります。
これほど変化の激しい場所なのに、そこに定着する植物や動物が暮らしています。
昨日の嵐を雨風凌げる家の中で過ごしていた自分には、あの小さな体のコチドリが無事に過ごせることがとても不思議で、野生動物の底知れぬパワーにただ驚くばかりです。











コチドリの求愛行動

2022-03-15 21:48:59 | コチドリ

コチドリの様子を観察するために海岸へ行きました。
昨年営巣していた砂浜でオスとメスの寄り添う姿があり、時折オスが砂の凹みに座り込みピッピッピッと小さな声で鳴いています。メスに向かって「卵を産むのにここがいいよ」と誘っているような感じです。


お腹の白い羽毛を膨らませているのがオスなのですが、その姿でメスを追いかけていました。
そして3/13に初めてコチドリを見たときよりも、目の周りの黄色い縁取りが濃くなっています。
この2羽のコチドリが番となるのはいつなのか気になるところです。
いつ頃卵を産むのかを知りたいと思い、出来るだけ海岸へ通うつもりでいます。


春になって暖かくなると空気が濁りやすくなるのか、富士山がくっきり綺麗に見えなくなります。
今日も富士山は見えず、灰色に空気が霞んでいたため大房岬までもが見えませんでした。こんな風に霞んで何も見えないことは、あまり記憶に無いことなのでちょっと驚きました。



コチドリ初飛来とイワンボ

2022-03-13 19:45:36 | コチドリ

そろそろコチドリが南房総へやって来る季節です。今年はいつ頃やって来るのか気になっていましたが、今日コチドリの姿を確認することが出来ました。


海岸へ行くとコチドリの鳴き声を聞いたような気がして歩いていると、潮が満ち始めた磯へコチドリが降り立ったのです。


磯で餌を探し始めたコチドリは、片脚をトントントンと細かく動かした後、嘴を磯の隙間などに突っ込んでいました。
そんな素振りを繰り返しているのをしばらく観察していましたが、全く逃げる気配がなく餌を食べ続けていて、私の方が先にその場を後にしました。



するともう1羽別のコチドリが飛んできて、海藻の打ち上がっていたところで餌を探していました。こちらは近づくと警戒して直ぐに飛び去っていきました。




ビーチコーミングで見つけたものはフジツボの付いたイソバナ、タカラガイなどです。
一番右はイワンボと言って漁に使う網の錘として使われていたものです。このイワンボを拾うきっかけとなったのは、南房総市在住の彫刻家太田雅典さんの影響です。二十年くらい前に館山市立博物館で太田さんの拾い集めた大量のイワンボを立て並べて展示していました。約3cm位の小さなイワンボが床一面に置かれていたのを見たときのインパクトが忘れられません。
それ以来このイワンボを拾い集めるようになりました。


そして今日はコウイカの殻がたくさん打ち上がっていました。コウイカが大量に死んだのは何か海で異変があったのでしょうか。ここ数日気温が上がったのと関係があるのかもしれません。


更に館山湾上空にはハロが上半分だけ見えました。

今年初のコチドリを2羽確認することが出来て、無事に姿を見せてくれたことにホッと一安心です。去年この海岸で繁殖活動をしていた番かもしれないと思うと嬉しい気持ちと、今年はヒナが無事に巣立つ事が出来るのかと心配な気持ちと半々です。
この海岸はコチドリが繁殖するには問題が多いのですが、ニンゲンである私が手助け出来るはずもなく、今年はどうなるのか静かに見守りたいと思っています。