男運はわるくなかった。
中島みゆきの歌の一節。
多分、「涙」、という曲。
曲はさして、詳しくはない。
サビの部分で、くだんの、男運はわるくなかった、というフレーズが印象的だったように思う。
子供心に、脳裏に刻み込まれた、そのフレーズ。
男運なんて、考えもしなかった幼き日。
その後、中高、大学、と進むうちに、おや、と思い当たる。
男運て、こういうこと?
あれ。
私、相当、男運悪い?
いま思えば。
男運が悪いのではない。
男に縁がなかった。
そして、縁の結びかた…はもちろん。
男に接する知識と経験が皆無だった。
男運もへったくれもない。
それ以前の話だ。
それも、悲しいかな、ごくごく最近まで。
いま、思うこと。
男運はわるくなかった。
決して、わるくなかった。
私が、恋に恋焦がれていたためにお断りしたご縁の数々。
望んでくれた方はみんな、良い方だった。
当時は、恋を知らぬまま結婚することが、どうしても想像できず、幼かった。
いや。
いまでも、変わらず幼いのかもしれない。
だだっ子のように、好きな彼がいい、と泣きわめいているようなものだ。
でも、いましみじみと。
男運はわるくなかった、と口ずさむ時がある。
正確にいえば、悪いのかもしれない。
だって、まだ幸せな結婚ひとつ、叶えられていないから。
前途多難なご縁ばかりかもしれない。
でも、みんな、良い人だったし、良い人だ。
悪人なんて、いやしない。
いろいろ長所も欠点もあるかもしれないけれど、それは人間誰しも。
もちろん私も。
そして、私には過ぎた人たちが多いと、思う。
だからこそ、前途多難なのではないか。
そして、なにより。
激情に身を焦がす恋を知れた。
こんなに稀有な体験ができるなんて、本当に幸せ。
男運はよかった!
恋ができなくて苦しんだからこそ、恋がいかに奇跡的なことかを思い知っている、この恋愛不感症女。
この私が、生き霊になりそうなほど、恋慕う人に出会えた奇跡。
そして、知り合えただけで幸せだった彼と、縁を紡げたこと。
ただの恋じゃあない。
私にとっては、まさに青天の霹靂のような恋。
そこには、とりあえず、というような感情は一切なく。
まるで私にとっては王子様の出現のようだった。
惰性の恋じゃない。
雷に打たれたような激しい閃きを伴う出会いだった。
それだけでも男運はよかった、と思える出来事。
そして、他にも私を支えてくれる彼ら。
みんな、素敵だと、思うのです。
圧倒的に愛しい彼を恋慕っていてもなお、魅力的と思える彼ら。
彼らが、なにかをしてくれなくても。
存在こそが支えてくれるのも、また事実。
だから。
男運はわるくなかった。
いえ。
男運は良い、のだ。
きっと。
そういうことに、しておこう。
中島みゆきの歌の一節。
多分、「涙」、という曲。
曲はさして、詳しくはない。
サビの部分で、くだんの、男運はわるくなかった、というフレーズが印象的だったように思う。
子供心に、脳裏に刻み込まれた、そのフレーズ。
男運なんて、考えもしなかった幼き日。
その後、中高、大学、と進むうちに、おや、と思い当たる。
男運て、こういうこと?
あれ。
私、相当、男運悪い?
いま思えば。
男運が悪いのではない。
男に縁がなかった。
そして、縁の結びかた…はもちろん。
男に接する知識と経験が皆無だった。
男運もへったくれもない。
それ以前の話だ。
それも、悲しいかな、ごくごく最近まで。
いま、思うこと。
男運はわるくなかった。
決して、わるくなかった。
私が、恋に恋焦がれていたためにお断りしたご縁の数々。
望んでくれた方はみんな、良い方だった。
当時は、恋を知らぬまま結婚することが、どうしても想像できず、幼かった。
いや。
いまでも、変わらず幼いのかもしれない。
だだっ子のように、好きな彼がいい、と泣きわめいているようなものだ。
でも、いましみじみと。
男運はわるくなかった、と口ずさむ時がある。
正確にいえば、悪いのかもしれない。
だって、まだ幸せな結婚ひとつ、叶えられていないから。
前途多難なご縁ばかりかもしれない。
でも、みんな、良い人だったし、良い人だ。
悪人なんて、いやしない。
いろいろ長所も欠点もあるかもしれないけれど、それは人間誰しも。
もちろん私も。
そして、私には過ぎた人たちが多いと、思う。
だからこそ、前途多難なのではないか。
そして、なにより。
激情に身を焦がす恋を知れた。
こんなに稀有な体験ができるなんて、本当に幸せ。
男運はよかった!
恋ができなくて苦しんだからこそ、恋がいかに奇跡的なことかを思い知っている、この恋愛不感症女。
この私が、生き霊になりそうなほど、恋慕う人に出会えた奇跡。
そして、知り合えただけで幸せだった彼と、縁を紡げたこと。
ただの恋じゃあない。
私にとっては、まさに青天の霹靂のような恋。
そこには、とりあえず、というような感情は一切なく。
まるで私にとっては王子様の出現のようだった。
惰性の恋じゃない。
雷に打たれたような激しい閃きを伴う出会いだった。
それだけでも男運はよかった、と思える出来事。
そして、他にも私を支えてくれる彼ら。
みんな、素敵だと、思うのです。
圧倒的に愛しい彼を恋慕っていてもなお、魅力的と思える彼ら。
彼らが、なにかをしてくれなくても。
存在こそが支えてくれるのも、また事実。
だから。
男運はわるくなかった。
いえ。
男運は良い、のだ。
きっと。
そういうことに、しておこう。