ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

自主防災、共助に ・・・ 備えて

2018-08-25 19:24:16 | 時事
 昨年度から、地域の自治会で役員を引き受けている。
それも、総務ということで、
月に1回だが、会長、副会長、総務等で構成する事務局会議に、
出席しなければならない。

 世帯数800を越える自治会である。
事務局会議のメンバーも10数名になる。

 毎回2時間を越える話し合いだが、
その内容は、私のような者には、
時には新発見、時には違和感、時には感嘆等々の連続で、
今までとは異質な体験のくり返しである。

 さてさて、それが今後の私に何をもたらすのか、
これまた未知であるからこそ、見当もつかない。
 だが、お引き受けした役目である。
来年3月までは、
しっかりとその任を努めようと思っている

 もう1年も前の会議のことだ。

 台風が襲来し、近くの小さな川が氾濫した。
隣の自治会の道路が、一部冠水した。
 何日も道路脇は、流れてきた泥土でおおわれていた。
自然公園も被害を受け、閉鎖になった。

 それでなくても、全国各地から自然災害の知らせが相次ぎ、
今も極端な気候が継続している。

 そんなことを危惧してだろうが、
自治会長さんがこんなことを言った。

 「今のままの防災体制では、十分ではない。
このままでは、夜も眠れない。」

 会長という責任の重さ故の発言と感じた。
しかし、
「じゃ、こうしましょう。」「これは、どうでしょう。」
と言うほど、軽い問いかけではなかった。

 会長さんの想いはよく理解できたが、
その場で言える何ものも、私にはなかった。
 「どうしましょうか。」
の問いに、『だんまり』を通すだけだった。
 
 会長さんは、それに屈しなかった。
会議のたびに、防災対策を話題にした。

 そして、ついに、少人数による『自主防災検討委員会』の新設を、
提案した。
 検討委員会では、より有効性のある自主防災を目指した改善策をまとめ、
提案することが、その目標となった。

 7月、第1回の会議があった。
私は、その委員会のメンバーに指名され、出席した。
 ここでも、雲をつかむような話題が続いた。

 考えられる災害に優先順位をつけては・・・。
災害時、自治会の会館は、役にたつだろうか・・・。
 いつ避難所へ行くのがいい・・・。
単身の高齢者を誰がどう手助けする・・・。
 避難所まで、どうやっていけば・・・。

 8月、お盆があけてすぐ、
『北海道自主防災組織リーダー研修会イン室蘭』があった。
 検討委員会のメンバーで、丸一日、それに参加した。
4名の講師から、多くの示唆があった。

 それにしても、1日研修とは、
もう10年以上もそのような機会はなかった。 
 私には大きな刺激になった。

 3.11の大津波、
テレビでは放映されなかった衝撃の映像を、いくつも見た。
 時々、その画面を直視できなかった。

 某地域での津波避難訓練の行動を、解析画像で見ながら、
その特徴を解説してもらった。
 避難の多様性に、課題が山積していることを知った。

 そして、複数の講師から強調されたのが、
減災のための、『自助・共助・公助』の重要性だった。  
 
 『自助』は、「自ら行動し、自分や家族を守ること、
そのため、災害への備えをすること」を言う。
 『共助』は、「近隣住民と共に助け合い、地域の人を守ること、
そのため、災害への備えをすること」。
 そして、『公助』は、『行政機関やライフライン各社等、
公共機関の応急・復旧対策活動」を指す。

 さて、研修会を終えてから、
1つの自治会が目指す『共助』の有り様が、
いつも脳裏から離れない。

 何をどう備えることが、
この地域の住民を守ることになるのか。
 さらには、この地域の被害をより少なくできるのか。
今の私が、思いつく3つを書いておく。

 ① 避難訓練が生きる
 勤務したどこの小学校でも、月1回、必ず避難訓練があった。
若い頃、その訓練を軽く考えていた。
 しかし、あるベテラン女性教員の言葉が、私を変えてくれた。

 「私は、避難訓練が大嫌い。
その日はいつも朝からドキドキするの。
 そうでしょう。
本当にそんなことがあったら、
絶対に子ども達の命を守れるかどうか・・。
 不安で、不安で・・・。」

 私は、避難訓練にそこまでの現実感を持っていなかった。
しかし、いつ、どこで、何が起こるか、誰にも分からない。
 その災害時に備えることの1つが、避難訓練だ。
子どもの命を守る大事な行事だと痛感した。

 以来、どこかで聞いた言葉だが、
『訓練は実際のように、実際は訓練のように!』と、
子ども達にも、職員にも言い続けた。

 3.11の時、都内は震度5強に見舞われた。
初めての大きな揺れに、子ども達はきっと恐怖を覚えたと思う。
 それでも、先生を信頼し、その指示に従い、整然と行動した。
くり返しの避難訓練があったからと、私は思った。

 地域の共助とて、訓練の重要性は少しも変わらないと思う。
しかし、学校などとは比較にならない程、
想定される災害には多様性がある。
 考えられる様々な災害に応じた住民参加の防災訓練など、
現実性が乏しい。
 
 それでもできる訓練は、いくつもある。
避難指示の伝達訓練、近隣弱者の安否確認訓練、
水防の土嚢積み訓練等々。
 無理のない防災訓練をくり返すだけでも、
実際の時に必ず生きる。 

 ② 非常時用備品を蓄える
 都内の小中学校の1室には、備蓄倉庫がある。
非常食をはじめ、水、毛布、簡易トイレ等々、
始めてその備えを目にした時、若干心強ささえ感じた。

 学校の近隣住民は、年1回の訓練時に、
倉庫に入り、その備えを確認している。

 さて、伊達市には、どこにどれだけの備品があるのだろう。
全く知らない。
 残念ながら、私の自治会ではそれらしき物を備蓄していない。

 避難所に行けば、安全に寝る場所と、3食を提供してもらえる。
最近は、そんな思いでいる方も少なくないと聞く。

 確かに被災された方には、できる限りの援助は惜しまない。
しかし、災害時こそ、共助だろう。
 共に助け合い、力を持ち寄り難局を切り抜けることが、
求められる。

 だから
避難・情報収集・伝達用の備品が必要になる。
 初期消火・水防・救出・救護用具があるといい。
飲料水や非常食だけでなく、
ガスコンロ、ボンベ、鍋、やかんなど給食給水の機材もほしい。

 備品の必要性と使用頻度は、災害の規模によって異なる。
しかし、できうる限りの備えが、悔いを残さないことにつながる。
 とにかく、地道にコツコツと、備蓄品を充実させるに限る。

 ③ リーダーシップを発揮する
 平常時に防災力を高めるため、
避難を初めとした各種訓練の実施が必要だ。
 それには、自主防災組織のリーダーシップが欠かせない。

 円滑な訓練が進められるよう、
十分なコミュニケーションがとれる「気配りができる人」。
 活動を継続できる「忍耐強い人」。
そして、訓練の企画運営など、「行動する時は先頭に立つ人」。
 そんな資質を持ったリーダーが求められている。

 また、災害時では、リーダーシップを発揮するこそが、
何よりも強く求められるに違いない。
 そのために、次の3つの力が必要とさえるだろう。

 ・地域をよく知り、地域を大切に思う心を持っていること
・防災の知識等々、防災の「知恵者」として信頼されていること
 ・相手の要望や状況を的確に把握し、
自らの考えを的確に伝えるコミュニケーション力を持っていること

 ある1人の方に、
このようなリーダー性を期待するのは、困難だろう。
 防災意識が高い複数の方に、
その時々のリーダー役を託すしかないと思う。

 今は、そんな人材を発掘することが、
最重要課題なのではなかろうか。





  秋の七草 『オミナエシ』が もう

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