【アブジャ=上杉洋司】ナイジェリア大統領選で選挙管理委員会は3月31日、開票作業をほぼ終了し、その結果、最大野党・全進歩会議(APC)のムハンマド・ブハリ氏(72)が有効投票の約54%を獲得し、国民民主党(PDP)の現職のグッドラック・ジョナサン氏(57)を破って初当選した。
同国が1999年に民主化して以降、初の政権交代となる。
ジョナサン氏は31日夜、「ブハリ氏を祝福した」とする声明を発表し、敗北を認めた。
ブハリ氏は、ジョナサン政権がイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」の対策で後手に回ったことや、国営石油会社の汚職疑惑などを追及し、支持を拡大。北部の多くの州で8~9割の票を獲得した。
2011年の前回選挙では、開票後の混乱で800人以上が死亡したが、今回はジョナサン氏が敗北を認めたことで、与野党間の衝突回避への期待が高まっている。一方で不安材料も残る。首都アブジャの開票会場では31日、PDPの関係者が北部の票集計に不自然な点があると主張し、作業が一時中断した。