福岡県内の私立高校3年の男子生徒(当時18歳)が2013年11月、いじめをうかがわせる書き込みを残して自殺した問題で、高校が設置した第三者委員会(委員長・伊藤巧示弁護士)は30日、調査報告書をまとめ、高校に提出した。報告書は生徒への14件のいじめを認定した上で「自殺との因果関係は明白に認められる」と指摘。高校に教諭間の連携強化などのいじめ防止策を提言した。 報告書は、男子生徒が2年生になった12年5月以降、同級生からのいじめが少なくとも14件あったと認定した。内容は▽すれ違いざまに頭を思い切りたたかれる▽肩を殴られる▽画びょうを置いた椅子に座らされる▽粘着テープを体や口に巻かれる▽「ゲーム」として失神させられる--などだった。 男子生徒はいじめが始まったとされる約1年半後に、福岡県春日市のマンションから飛び降り自殺した。報告書は自殺の約1カ月前から「ほぼ毎日のように殴られ(いじめが)ピークを迎えた」とし「絶望感や無力感に陥り、死を自ら選ばざるを得なかった」と、いじめとの因果関係を認めた。 報告書によると、男子生徒は12年6月に首をつって自殺を図っており、首に赤いあざができていた。教諭の1人が気付いていたが、高校の生徒健全育成委員会などに伝えておらず、第三者委は「情報の共有が不十分だった。自殺は防げた可能性がある」とした。教諭が男子生徒をあだ名で呼ぶこともあったことから、いじめに対する理解不足も指摘した。 報告書を受け、高校の学校長は「調査結果を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に向けた提言を実現できるように行動いたします」とコメントした。 第三者委のメンバーは▽臨床心理士▽教育心理専門の大学教授▽弁護士2人--の計4人。うち弁護士1人は遺族側が推薦した。約1年かけて複数の同級生と教諭に聞き取り調査し、別の同級生23人にアンケートした。 この問題では、同級生の少年7人が福岡県警に暴力行為法違反容疑で書類送検され、福岡家裁は昨年8月、全員を不処分にした。自殺した生徒は携帯端末に同級生の名前を挙げ「絶対ゆるさない」との書き込みを残していた。【尾垣和幸、野呂賢治】
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