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恋愛・結婚

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封筒でポケットファイル

2015-02-09 09:41:50 | キャリア・教育
封筒でポケットファイル 
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  •   封筒は、手紙を送る時だけではなく、小物の整理にも大活躍してくれます。

      縦長の封筒のふたをのりで貼り付け、真ん中で切って作った袋を何枚か用意します。袋の向きをそろえて、ホチキスとマスキングテープで冊子のようにまとめると、ポケットファイルのできあがり。

      名刺サイズのものが入るくらいの大きさなので、お店のポイントカードを入れるのにぴったりです。また、レシートや領収書の整理に使えば、家計簿をつけるのも楽しくなりそうです。

      大きな封筒を使えば大きなポケットを作れますし、ポケットの数を増やすのも簡単。インデックスシールを貼っておけば必要なものをすぐに探し出せるので、整理整頓が苦手な私の頼もしい相棒です。(雑貨デザイナー 宇田川一美、写真とイラストも)


“ノイズ”~ざらっとした違和感で考える多様性

2015-02-09 09:41:50 | キャリア・教育
“ノイズ”~ざらっとした違和感で考える多様性 

  子育てはもっと自由に、もっと楽しくなる。

  それを実現するために必要な「子連れスタイル」を社会に浸透させていこうと、前回(子ども、仕事、わたし…「子連れスタイル」で三兎を得る!)お話ししたモーハウスの10周年イベントをきっかけに、徐々に私たちの活動が始まっていきました。

 

  今回は、10周年イベントが行われてから実際に「NPO法人 子連れスタイル推進協会」が設立されるまでのストーリー、後編をお届けしたいと思います。

 

「子連れ出勤」見学会が大にぎわい

 

 

  • <noscript></noscript>2014年9月17日に開催された子連れ見学会の様子
  •   10周年イベントを機に、少しずつ活動を始めた私たち。ただ、当時は「これをNPOにしよう!」なんて気負いはまったくなかったんです。

     

      何しろ、モーハウス自体が、企業とも、非営利活動ともつかないような団体。授乳服の売り上げの一部で、非営利のイベントを開いたり、サロンの活動をしたりしていたわけですから。わざわざNPOを別に作るという発想はなかったのです。むしろ、企業の形でこうした活動を続ける方が新しい、と思っていました。

     

      一方で、だんだんと、モーハウスの活動を切り口に、女性の働き方や生き方、子どもとの外出など、それまでになかったような話題での問い合わせや取材が増えてくるのは感じていました。

     

      そして、気づいたら周りで積極的に応援してくれる人が現れて。モーハウスつくばオフィスの子連れ出勤風景を外部の方が見学する「子連れ出勤見学会」も、私が出張で留守にしている間に“勝手に”企画されていた、というのが始まりです。

     

      第1回のこの見学会は2012年4月に開催、蓋をあけてみたら20人近い方々が参加。用意していた会議室にも入りきれないほどで、こんなにたくさん?と、びっくりしてしまいました。

     

    フツーのオフィスだからすごかった

     

     

    • <noscript></noscript>記念すべき第1回子連れ見学会の集合写真

        見学会を実施してみて気づいたことは、ああ、これは見せる意味があったんだな、ということ。見学会を始める前は、「ショップならともかく、事務所での子連れ出勤は、普通過ぎる。こんなものを見せても仕方ないだろう」と思っていたんですね。

       

        子ども用の専用ベッドがあるわけでも、設備としての保育室や授乳室があるわけでもない。何の変哲もないザ・オフィスビル…。

       

        モーハウスで、「授乳ショー」という授乳服を着ての授乳を見せるイベントを始めた時もそうでした。ただ授乳しているだけのショーなんて退屈では、と、最初は私も思っていました。でも、私たちにとって当たり前の「公共の場で、自然で、しかも楽しそうに授乳している姿」は、多くのお母さんにとって驚きで、新聞にも載るなど、大きな話題になりました。

       

        子連れ出勤見学会も同じ。私たちにとって当たり前の「子どもを抱っこしたり、おっぱいを飲ませたりしつつ仕事」が、この普通のオフィスで展開されている。そのことこそ、多くの方にとっての驚きだったようです。逆に「子どものために特別な設備が何もない」ところがすごい、と。

       

        見学希望者は、その後も続き、中には行政からも副知事や議員さん、また、北海道や関西など遠方から、と、いろいろな方が足を運ばれるようになりました。

       

        さらに、見学会をきっかけに、行政での意見交換会に招かれることも増えました。中には、子育て支援の部署だけでなく、労働政策や、広報などの部署を横断した勉強会もありました。少子化や産後鬱(うつ)などの子育てを巡る問題、また女性の働き方や社会進出など、さまざまな問題の答えの糸口がここにあるのでは、という思いを、多くの方が持った結果だと思います。

       

        こんなふうな周囲からの反応の高まりに背中を押され、2012年1月に「NPO法人 子連れスタイル推進協会」を発足しました。

       

       

      “ノイズ”で調和が崩れたときに見えるもの

       

      • <noscript></noscript>ざらっとした感じのロゴ

          「子連れスタイル推進協会」のシンボルマークは、こちらのぐるぐる渦巻きです。

         

          カラフルな渦巻きは、単純に私がぐるぐる巻きが好き、ということもあるのですが(笑)、もちろんそれだけではなく。社会の中に年齢も性別もいろいろな人々がいること(ダイバーシティー=多様性)と、多くの人を巻き込んで行こう、というイメージです。

         

          決してすっきりではない、このデザイン。美しく整った渦巻きなど何案もあった中で、私がこれを選んだのは、あえて揃(そろ)っていない“ノイズ”感がいいな、と思ったんですね。ざらっとした感じ。

         

          今も昔も、電車や飛行機などの公共の場で、子どもはときに“ノイズ”と捉えられやすい現状があります。雑誌やネットでも、電車の中で泣いている赤ちゃんや公共の場で授乳の賛否は、時には炎上するような話題です。でも、そんな違和感、「ざらっとした感じ」は、多くの人が問題に気がつくきっかけになります。それによって波紋が広がり、人間らしい本来の社会や生き方に気がつきます。だからこそ、この「ざらっとした感じ」は、とても大切だと思うのです。

         

          一般には大人だけの場所とされている「オフィス」に子どもが溶け込んでいる「子連れ出勤」、授乳服によって実現する人前での「授乳ショー」もそうです。そうやって社会の中にあえて“ノイズ”が入り、調和が崩れることで、本来の社会ってどうなの…?と考えることにつながるのではないでしょうか。

         

          次回からは、この「NPO法人 子連れスタイル推進協会」の活動内容についてお話ししていきたいと思います。

         

          (次回は10月29日掲載予定です)


子どもが売られない社会をつくる

2015-02-09 09:41:50 | キャリア・教育
子どもが売られない社会をつくる 

村田早耶香(むらた・さやか/認定NPO法人かものはしプロジェクト共同代表)

 

  • <noscript></noscript>カンボジアのコミュニティファクトリーで働く女性と共同代表の村田さん
  •   2001年、アジアの片隅で亡くなった1人の少女との出会いが、専業主婦を夢見ていた村田早耶香さん(32歳)の人生を大きく変えた。

    アジアの子どもの人身売買問題を解決したい

     

      「大学2年生のとき授業中に配られた新聞記事(※1)で、ミーチャという女の子のことを知りました。ミーチャは12歳のとき、『子守の仕事がある』と言われ、家族の生活を助けようとミャンマーの農村からタイへ出稼ぎに出ました。しかし、連れて行かれたのは売春宿。激しい暴力を受けながら客をとらされ、21歳でエイズで亡くなったという実話でした。同じ時代の同年代の女の子にそんなひどいことが起きているなんて、衝撃を受けました。子どもの人身売買の問題を初めて知り、現状を知りたいという強い思いに駆られたのです」

      3か月後の夏休み、タイの現状を知るため、NGO(非政府組織)が主催するスタディーツアーに参加した。エイズ孤児の施設などを訪れ、貧しい農村や山岳民族の少女がミーチャのように騙(だま)されて、あるいは強制的に売春宿に売られ、性的搾取やエイズの危険にさらされている実情を目の当たりにした。

      「しかもアジア地域では、性的被害者に対する差別や偏見が根強くあり、救出されても結婚できなかったり、家族と暮らせなかったりなど、未来までも奪われてしまいます。精神的苦痛から命を絶つケースもあると知り、理不尽さに怒りがこみあげました。こんな社会を変えたい、変えなければという思いがふつふつと湧き上がりました」

    仲間と出会い「かものはしプロジェクト」が誕生

     

      自分に何ができるのか、悩みながら講演会やシンポジウムに足を運んでいたとき、出会ったのが、青木健太さんと本木恵介さんだ。2人は東京大学の社会起業家サークルに所属し、取り組むべき事業を模索していた。「子どもの人身売買問題を解決したい」と熱を込めて語る村田さんに共感した2人の仲間とともに、2002年「かものはしプロジェクト」を立ち上げた。

      改めて現地調査を行い、タイより被害が深刻な状況にあるカンボジアを活動の対象に据えた。

      「議論を重ね、たどり着いたのは“ITで子どもの人身売買問題を解決する”事業モデルです。カンボジアで被害に遭いやすい貧困層の子どもたちにITの職業訓練を行い、技術者を育成。日本から仕事を発注して収益を上げ、持続的に課題解決に取り組むという仕組みです」

    子どもを守る仕事には、人生をかける意味がある

     

      その頃、就職活動時期を迎えていた村田さんは、かものはしプロジェクトを続けることに家族から猛反対を受けていた。「私自身も、普通に会社に就職してお給料をもらって……という生活を捨てていいものか、迷いがありました」

      気持ちを整理するためカンボジアに飛び、1か月で40団体のNGOの現場を視察した。児童買春の被害者が暮らす保護施設には、5~6歳の子どもがいて目を疑った。売春宿で抵抗するたび電気ショックの虐待を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいる幼い姉妹にも出会った。

      「みんな家族を助けようとして出稼ぎに出て売られた子どもたちでした。被害者の6歳の子どもは、私の帰り際に『遊んでくれてありがとう』と大事にしていたカンボジアの布をくれました。そんな過酷な状況にあっても他人に優しくできる罪のない子どもが被害に遭っている。こうした子どもの将来を守る仕事は、人生をかけて取り組む意味があると、確信しました」

    パソコン教室では貧しい農村の子を救えない

     

      家族を説得して事業に取り組み、2004年、プノンペンにパソコン教室を開設した。3年間で13の孤児院から120人の子どもが、パソコンの基礎技術を目を輝かせながら身に付けていった。現地のNGOからWEB制作の仕事も舞い込み、事業として順調に進んでいたさなか、村田さんは重大な決断をする。

      「パソコン教室は都市部の孤児院の子どもたちが経済的に自立する手助けにはなっていました。しかし、人身売買の被害に遭う子どものほとんどは、貧しい農村から出稼ぎに出る子どもです。農村で生活に困窮する家庭を救う事業を行わないと、子どもの被害は根本的には食い止められない。『子どもが売られない社会をつくる』という使命を全うするためには、事業内容を変えるべきだと組織の分裂覚悟で主張したのです」

    「コミュニティファクトリー」で100名以上の女性を雇用

     

    • <noscript></noscript>コミュニティファクトリーで手作りしているい草の雑貨

        新たに事業を立ち上げるには数百万円の資金が必要だった。村田さんは日本で200件以上の個人や企業を訪問して協力を依頼。3か月間、寝る間を惜しんで資金調達に奔走し、2008年、ソトニコム地区という農村に工房「コミュニティファクトリー」を建設した。現在、村周辺から104人の女性を雇用し、いぐさを使ったブックカバーなどの生活雑貨を生産。旅行客の土産物品として、現地の直営店や高級ホテルで販売されている。

        「カンボジアで作った商品だから品質が悪くても仕方ないという慈善事業の商品ではなく、ビジネスとして運営していくために、デザインや品質の改良を幾度も重ねました」

        創業当時1か月500ドルだった売り上げは、2013年には1日500ドルに拡大した。女性たちに支払われる給料は、これまで農村では難しかった安定的な収入源となり、「日雇い労働をしていたときと比べて収入が倍に増え、出稼ぎに行かなくても生活できるようになった」と喜ばれている。工房では識字教室を開き、給食サービスや託児所もスタートさせた。

      被害者が保護され、加害者が処罰される社会へ

       

      • <noscript></noscript>カンボジアの警察支援の様子

          子どもを買う加害者を減らすため、2009年からは警察支援も行っている。カンボジアの内務省と連携し、警察官に対して、被害者を適切に保護しながら加害者を逮捕するための実践的な訓練を実施。日本から警察専門家を招いた事業にも取り組んでいる。日本の一NPO団体がカンボジアの警察組織と連携できるのも、10年にわたる現地での活動の積み重ねが、信頼につながっているからだという。

          「活動当初と比べると警察の取り締まりが強化され、法律の改正もあり、カンボジアで子どもが人身売買の被害に公然と遭うという状況は見られなくなってきました」と村田さん。「人身売買被害者の保護施設に行っても、小さい子どもはほとんど見かけなくなりました。30年かかると思っていたのが、10年で状況が良くなったのはうれしい驚きです」

        南アジアでの新たな挑戦

         

          2013年からは、いまだ子どもの人身売買の被害が多い南アジアに活動を広げた。現地のNGOと連携し、2013年度は187人の被害者を救済、サポートした。

          海外経験もビジネス経験も資金も人脈もない女子大生の村田さんが、アジアの子どもの人身売買問題という闇に本当に立ち向かえると、13年前、誰が想像したことだろう。困難も限界も乗り越えてこられたのは「今、救える子どもがいるなら一人でも多くを守りたい」という思いからだという。原動力となっているのは、タイやカンボジアのNGO施設で心を通わせた子どもたちの小さな愛情だ。過酷な状況にあって、なけなしのお金でジュースを買ってくれた子、「お母さん」と抱き付いてくれた子、花を摘んで髪にさしてくれた子……。その現状と未来は、村田さんにとって「他人(ひと)事」ではなく「大切な家族の身に降りかかっていること」。村田さんの挑戦は続く。

          (NPO法人ETIC.吉楽美奈子)

         ※1記事の内容は「買われる子どもたち―無垢(むく)の叫び」(大久保真紀著/明石書店)に掲載

        むらた・さやか 1981年東京都出身。2004年フェリス女学院大学国際交流学部卒業。「子どもが売られる問題を解決する」ため02年に青木健太氏、本木恵介氏とともに「かものはしプロジェクト」を立ち上げる。同年NPO法人ETIC.主催のソーシャルベンチャーコンペティションSTYLE2003で優秀賞を受賞。03年度NEC社会起業塾に参加。04年NPO法人化。05年日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2006」リーダーシップ部門をはじめ、07年国際青年会議所主催TOYP(傑出した若者賞)、09年国際ソロプチミスト主催「女性のために変化をもたらす賞」、14年ベアテ・シロタ・ゴードン記念賞を受賞。14年認定NPO法人に。著書に「いくつもの壁にぶつかりながら」(PHP研究所)がある

本格的な準備をしよう(オフィス編)

2015-02-09 09:41:50 | キャリア・教育
 

仕事はスターバックスでやれ!

 
 

  • <noscript></noscript>最近は電源を提供するカフェも増えてきているので、会議や作業がしやすくなってきている
  •   今回は準備段階での「オフィス」をどうするかについて述べる。

      最初は、オフィスなんていらない。

      オフィスを借りれば、当然、家賃や維持費が発生する。そこにお金をかけてしまうのは、はっきりいって無駄である。

      前回まで取り上げた「人編」でも、しつこく述べたように、最初はとにかく固定費をかけないのが起業の鉄則。なにせ、準備中の今、サービスでまだ1円も稼げているわけではないのだから。

      だから、仕事は極端な話、「スターバックスでやれ!」。

      もちろん「スターバックス」はあくまでも例だが、サービスインしてお金がまわるようになるまでは、コーヒーチェーン店やカフェで、朝から晩までコーヒー1杯で粘るくらいのスタイルがいいと思う。

      僕も実際、準備段階では、東京・大崎のスターバックスにパソコンを持ち込んで、朝8時から夜10時くらいまで仕事をしていた。僕一人どころか、学生インターンも隣に座らせて……。さらには、人との打ち合わせもそこ。スターバックスの一角がマイオフィスになっていたわけだ。今も大崎のスターバックスに足を向けて寝ないように気をつけている。
     

    コワーキングスペースを借りるという手も

      自宅でも集中できるタイプの人であれば、自宅をオフィスにしてもいいだろう。要は「お金をあまりかけずに、自分にとってテンションが上がる場所をオフィスに選ぼう」ということ(僕の場合は、自宅だと煮詰まりやすいし、かつダラダラしてしまいがちなので、あえて外を選んだ)。

      また、仕事場をどこにするかでは、学生インターンや社会人プロボノとのミーティングがしやすいことも考慮する必要がある。自宅でもOKならそれでいいし、「ちょっとな……」と思えば、外を選んだほうがいいだろう。

      最近は、「コワーキングスペース」という、会議室やイベントスペースなども備えた個人で仕事をする人向けのオープンスペースがある。そこに机を借りて仕事をすることができる。月額1万円くらいで借りられるのだったら、そうしたものを活用してもいいだろう。

      さらに、そうやって頑張っていると、支援者の人のなかから、「タダでこのスペースを使ってもいいよ」と言ってくれる人が現れたりすることもある。その時は、ぜひお言葉に甘えてしまおう。 

      僕の場合も、大崎の商店街で「地域の顔」ともいえる方から、「おまえ、頑張っているから、俺のビル貸してやる」という言葉をいただき、ありがたくそのビルの一角に机を置かせてもらった。
     

    研修は公民館などを利用する

      きちんとしたオフィスがない状態で、スタッフの研修や利用者への説明会などをどこで行うのかといえば、公民館や地区センターのような行政のスペースを借りればいい。「それだと安っぽく見られないか」というのは杞憂(きゆう)。実際、スタッフや利用者はそこを見ていない。それよりも中身だ。

      これは僕自身が利用者さんへの説明会を公民館で行った時に強く感じたことだ。スペースに見栄(みえ)を張る必要はないのだ。
     

    手狭になったらシェアオフィスを検討する

      サービスインして、お金がまわりはじめてからのオフィスについても、補足しておこう。
     そのころになると、有給スタッフも雇うようになり、さすがにコーヒーチェーンやコワーキングスペースでは場所が足りなくなる。その時におすすめなのが、個室のある「シェアオフィス」。家賃は月数万円かかるが、商業ビルで事務所を借りるより断然安い。

      そのほか、SOHOがOKなマンションの一室を借りて、ほかの組織とシェアする手もある。ちなみに僕はこの方法をとった。2LDKをそれぞれが1部屋ずつ使い、リビングは共同スペースにして……と、まさに「勝手にシェアオフィス」としたわけだ。

      繰り返しになるが、お金がまわっていないうちは、極力、固定費は抑えるにかぎる。オフィスにもとにかくお金をかけない。このスタンスをしっかり維持してほしい。


「NPOやりたいけど、何を解決したいか分からないっす!」

2015-02-09 09:41:50 | キャリア・教育
 

カオスな心

  • <noscript></noscript>「尊敬する人物は」と問われれば、迷わず「坂本龍馬」
  •   「まだ何の問題を解決したいか分からないけれど、NPOはやりたい」。こんな一見奇異なことを言う社会起業志望者がいる。

      本来ならば「解決したい問題があり、その道具としてのNPOであり、社会起業である」というのが、正論だ。だから、お前らおとといきやがれ!となるところだが、僕はそうは言わない。

      というのも、人間の内面なんて結構カオスだからだ。NPO経営者の奇麗なストーリーの多くは後付けだったりすることが往々にしてあるし、当初感じた問題意識が事業やり始めてから二転三転することだってある。

      例えばこの僕。僕は親がベビーシッターをしていた。その親から、子どもが熱を出していつも行っている保育園に預けることができず、看病のために会社を休んだら、会社をクビになったお客さん(双子のママ)の話を聞いた。ふざけんな、と憤り、そこから「子どもが熱の時に、保育園の代わりに預かれる仕組みを創ろう」と日本初の訪問型病児保育を立ち上げた。

      このストーリーは嘘(うそ)ではない。事実、自分の人生を揺るがしたエピソードだ。しかし、人に伝えやすいよう、この転機の前後にあった色々な思いを切り捨てて話している。

      本当は、社会起業する前にITベンチャーを経営していて、その世界への失望があった。お金は稼げるし、刺激的だし、未来もある。でも何か足りなかった。それは、自分が心の底からやりたい、と思っていたことではなかったのだ。だから迷っていた。自分は如何(いか)に生きるべきか。如何に働くべきなのか、を。

      そんな時に僕は心の奥底にしまっていた、憤りに「出会った」のだ。話を聞いたその瞬間には、憤るしかできなかった。心の中に引っかかり続けていたその棘(とげ)に向き合う機会がキャリアへの迷いの中から生まれた。そして何となく、この問題をもっとよく知りたい、あわよくば何かしら答えのようなものを得たい、と思ったのだった。

      「なんとなく」胸が痛んだのだ。「なんとなく」そのままにはしておけないような気がした。だから、確固とした鉄の意志を当初から持っていたか、と問われたら、正直に告白しよう、NOなのである。僕はそんないい加減な人間だ。そして多くの人の内面も多面的で複雑で、そしていい加減だったりする、と信じている。

      だから、最初の最初から、崇高で確固とした問題意識なんて、なくて良いと思う。NPOをやりたい。しかしこれぞ、というテーマは見つからない。でも、このままじゃダメだと思う。世の中もっと良くなるような気がする。最初は別にそれで良い。
     

    心の棘を探せ

      ではどうすれば良いか。「何となく心に刺さっている棘」に会いに行けば良い。ニュースで見て、新聞で見て、友達に聞いて、自分で体験して、何となく許せなかったこと、納得が行かなかったこと、悲しかったこと、心動かされたこと。そうした棘に、実際に会いに行けば良いのだ。

      いじめられていた友人を見てみぬふりして、今でも胸がしくしく痛む、のであれば、いじめに関する本を読み、いじめの相談に乗っている機関にヒアリングに行けば良い。漫画で読んだ児童虐待のシーンに、強く心を揺さぶられたのであれば、児童養護施設に見学に行けば良い。現場に飛び込むことで、僕たちの心は更に揺さぶられる。そしてもっと知りたくなる、あるいは更に深い問題意識が生み出されてくる。

      だから、棘に会い、棘の痛みに向き合うことによって、我々は近づけるのだ。真の問題意識に。そして一生取り組んで良いと思えるテーマに。

      さて、一方でもう「解決したい問題」を持っている、という人もいるだろう。そういう人にはこう言いたい。おめでとう、と。ならば後はそれを「どう解決するか」を考えるだけで良いからだ。

      次回は解決策を考えるにあたって、強力な方法を紹介しよう。