武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

新年のご挨拶

2022年01月25日 | ご挨拶
さて、遅くなりましたが、新年初の記事投稿となります。


何かとバタバタ忙しく過ごしている中で年末年始を迎え、1月22日に全国大会を控えていたため、この年末年始にも強化練習を行いましたが、ここにきて新型コロナウィルスの感染拡大が深刻な状況になり、大会が流れることとなりました。

詳細は、支部ホームページのお知らせに掲載している通りですが、出場を予定していた選手にとっては残念な限りです。

特に残念に思うことは、今年の春で卒業を迎える稽古生が、高校生で最後になるであろう大会に出場ができなくなり、3月末までの大会が開催されなければ、ジュニアとして出場する最後のチャンスを失うことになる、という事です。

その女子選手はこれまでに5度の全国大会出場を果たしていますが未だ入賞に至らず、今回の大会にかけていたところがあるだけに、非常に残念です。

その他、昨年の全国大会の軽量級の部で準優勝の成績を残している大学生、また中学生ながら実力をつけてきている男女の選手、高校生男子で実力を付けてきている二人の選手を含め、合計6名の選手が大会に向けて稽古に励んでいいました。



しかし私にとってうれしかったことは、大会が延期になったことを伝えたときに、皆が非常に前向きな言葉を述べてくれたことでした。

表情は明るく毅然としていて、しっかりとした言葉で受け答えをしてくれる彼ら、彼女らを見ていて、本当にうれしく、ありがたい気持ちがわいてきたものです。


その後も当たり前に、日々の稽古に休まずに参加してくれています。




普段の稽古の中でも皆さんに伝えている心掛けを、皆一様に、当たり前に実践できている姿に感動すら覚えます。

みな若くとも、技術だけでなくしっかりと精神も成長していることにとても安心ができる気持ちでいます。



一般的なスポーツでは、練習というものは大会に向けて頑張るというのが当たり前で、その大会に照準を合わせて練習をするものです。

まあ、当たり前と言えば当たり前なのですが、私の指導する道場では、試合や審査会などの行事のあるなしに関わらず、当たり前の努力を当たり前に、日々黙々と続けていくことに重きを置いており、そうした日々の努力を何よりも評価しています。


稽古の基本姿勢は、日々の厳しい稽古を継続して続け、日常的に心身を鍛えることです。

そして社会の中で、そして自分の永い人生をよりよく生きていくために、生かしていくことです。

審査での昇級や大会での活躍は、あくまでも稽古の中での一つの側面でしかありません。





競技というものは、武道を学ぶ上での一つの側面でしかなく、競技のためだけに練習をしている人は大会がなくなればガックリと肩を落として、しばらく道場には来なくなるかもしれません。

また大会を終えた後でも同様のことが起こり、試合のためだけに稽古をしている道場では、大会が終わったタイミングで、稽古生がほとんど来なくなることも珍しくないようです。


また現役を引退してしまえば道場を離れてしまうでしょう。

競技のために練習をしているのですから、当然の事ですね。



しかし私としては、いつ何時でも、今の自分にとって最高の状態の体と精神を保っておきたいと考えており、そのための手段が稽古であると考えています。

年齢が50も過ぎれば、多くの方が大会などに出て戦うこともなくなるでしょうが、心と体は、腰に収めた侍(さむらい)の刀のように、常にしっかりと磨いておきたいと思う。

何か事があれば、命を懸けてでも、守るべきものを守りたい。

人に見下され、人から施しを受ける立場ではなく、胸を張って前を向き、人を助けて教えを施し、若い方々にも自らの背中を見せつつ、一つの道を歩んでいきたいと思う。

昨年の夏に手術をした肘は順調に回復しているものの、昨年の2月に痛めた左ひざが昨年末にはひどく悪化しましたが、その後、リハビリ等を通して快方に向かっています。

昨年の暮れ頃、一時は ”今後、もうあまり長く稽古指導はできないのではないか” という不安もよぎりましたが、何後もあきらめず、解決策を求めることで解決の糸口は見つけられる可能性が出てくるものですね。

最低限の稽古指導に必要な体に戻るまでに、およそ一年を要しましたが、あと一年ほどで怪我をする前の状態にまでに戻れるように精進していきます。

まだまだしぶとく、稽古指導を続けていくつもりです。




さて年が明けて、ある程度収まりかけていた新型コロナウィルスが猛威を奮っていますが、日本中で関係者の方々が必至な努力を続けておられます。

世界を見渡しても、どこの国も必死で日常を取り戻そうと頑張っている姿が見られます。

我々一市民としては、ストレスに任せて必要以上に騒ぎを起こして、人を批判し糾弾する側に回るのではなく、より良い人の和と日常を取り戻せるよう、穏やかな気持ちでお互いに励ましつつ、個人としての最善の努力を続けていきたいと思う。


そんな中での稽古で感じることは、道場で稽古を頑張る人々の和というものは、とてもいいものだということです。

子供たちのクラスでは、とても穏やかで和(なご)みのある雰囲気ながら多少の厳しさを持ち、友達の輪の中で楽しく、そして「厳しさに耐えて頑張ろう!」という気持ちが満ち溢れています。

「巷で話題になる、学級崩壊や子供の心の危機なんてどこにあるんだ?」という気持ちにさせてくれます。


大人のクラスに参加している中高生の稽古生たちは、とても謙虚ながらひたむきに頑張る、とても応援したくなる子供たちが、今でも日々の稽古に励んでいます。

そして大人の稽古生の方々、皆何気におしゃべりで、お互いの気遣いやコミュニケーションが良く、なんだかとても温かい。。。

また子供から大人の方々の相互のコミュニケーションもとても良好である。


明るく謙虚で、ひたむきな努力をしている子供には、大人がしっかりとサポートをしてくれます。


大人の稽古生に対しては、子供たちが礼儀正しく謙虚に接し、きちんと挨拶を交わしており、口先だけではなく、自ら体を動かして汗をかき、努力を重ねて必死に稽古に取り組む大人の稽古生の方々を見て、子供たちは心から尊敬し頼もしく感じている事でしょう。

大人の稽古生はみな、とても優しく丁寧に、そして暖かく子供たちを見守っており、子供たちもしっかりとそのあたりを感じているように感じます。


今の時代、家族以外の大人の接する機会が少ない為、子供たちにとってもとても大切な環境があると感じています。




昨年の中頃からビッコを引きつつ稽古指導をしている私を心配して、追浜と久里浜の高校生の稽古生の女の子たちが、幼少年部のクラスを手伝ってくれるようになりました。



実力のある稽古生なので、幼少年部の子供たちにとってもよい刺激になっていると思います。


さあ今年も前を向き、一人一人の稽古生にとって、少しずつ良い方向へ進んでいけるよう頑張っていきましょう。



長くなりましたが、新年の挨拶といたします。



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