こんにちは。
本日御紹介するのは、がん哲学外来と呼ばれる新しい試み、「医師と患者が対等の立場でがんについて語り合う場」の
提唱者である樋野興夫さんの著書「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」です。
がんになった人の多くが「死」を意識し、3割の方が生きる意味を見出せなくなり、うつ的な症状を呈するそうです。
著書の中では、患者さんと対話されるに当たっての根本的な考え方や取り組み姿勢、具体的な言葉の処方箋の例、
これらを受け取ることで患者さんが、自分のなかに何か光を見つけたような清々しい顔になっていく姿が描かれています。
その中で特に感銘を受けた内容を要約して以下に挙げたいと思います。
①命よりも大切なものがある
「自分の命よりも大切なものがある」と思った方が、私たちは幸せな人生を送ることができるようです。
「命」が何より大切と考えてしまうと「死」はネガティブなもの(命の敵)として怯えて生きることになる。
「命」よりも大切なものを見つけるため、自分以外のもの、内から外に関心を向けることで
自らに与えられた人生の役割が見えてきます。
そうして見つけた役割や使命を人生最後の瞬間まで全うする。
つまり、明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげるのです。
私たちには一人ひとりに与えられた役割や使命があり、それは家族に優しくすることかもしれないし
周囲の困っている人を助けることかもしれない。もしかすると黙って誰かのそばに寄り添っていることかもしれない。
ただ、その役割や使命は。、自らが見つけ出すもので、言葉を贈ることがその人へのヒントになります。
②つらいときこそ、自分と向き合うチャンスだと思う。
うつ的症状を解消して心を外に向けさせるには、人類の最初にして最後の問いに向き合っていかないといけません。
「自分は何のために生まれてきたのか」をじっくり考えることです。
内村鑑三は、自著で、「この世の中を、私が死ぬときは、私が生まれたときよりも少しなりともよくして逝こうじゃ無いか」
と書き記しています。
③心と心で対話すれば、どんな人でも笑顔になれる。
対話では同じ人間として相手に向き合います。
何らかの理由で心のバランスが崩れると心に隙間できますが、光がないのでその隙間も真っ暗闇。
ただ傾聴するのではなく、そこに「言葉の力」で光を差してあげるのです。
どんな言葉を贈るかは、その人の風貌を見て、その人に合った言葉を脳内のストックからどんどん
引き出して決めます。
健常者でも日々ストレス過多で苦しんでいる人が多い今、もっと広い範囲で、本当の意味で求められている
取り組みだと思いました。
あなた自身に「言葉の処方箋」ありますか?もし宜しかったら読んでみて下さいね。
心に響く内容に溢れています。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。