11月24日、さいたま市民会館うらわ において奈良大学名誉教授 水野 正好先生の後援会が、奈良歴史地理の会の主催で行われました。
今回の演題は、「平城京の考古学はおもしろい」です。
講演の内容は、平城京が置かれた奈良時代を中心に、天皇の催事、生活についてです。
奈良時代、天皇は国全体の祭主として様々な儀式を行っていました。
特に、新年を迎える行事を始め、病気や穢れを払う儀式が重要視されていました。
考古学から、近年平城京に隣接した川跡の発掘からおびただしい銅製の鈴、木や鉄で作られた人型
が発掘されました。
それらの発掘物と当時の記録を照合すると、天皇は、12月末と6月末、大祓と称し、宮城を出て
川に架かった橋の上から、体にたまった穢れを人型に移し川に流したことが分かりました。
特に人型は、金で塗られた人型が2体、銀で塗られた人型が2体、その他で70体ほど川に流しているのです。
天皇の行為のあとに、皇后、皇太子、その他高官が天皇と同様に穢れを払うために人型などを流すのですから
相当の数が遺物として残されたことになります。
このように「大祓」の行事は、奈良だけでなく、各地においても行われていました。
今日でも「大祓」の儀式は、皇居だけでなく、年末の大掃除、流し雛など形を変え、私たちの身近な歳時記として継承されています。
また、聖武天皇が大仏を建立した背景として、東高野街道に面した知識時の大仏を模した話、
行基菩薩との出合い、正倉院御物の半紙など、奈良時代の興味深い話をいつものように
ユーモアたっぷり精力的に話してくださいました。
2時間ほどの講演でしたが、あっという間に過ぎてしまいました。
後援会の後、水野先生を囲み懇親会を行いました。
簡単な食事の間、何人かの方が質問をされました。特に、東京タワーを設計された方が、自分の若い時に読んだ万葉集について
質問された時、90歳とは思えない記憶力に一同感心しました。
その方の質問に対し、水野先生が丁寧に答えられた姿に、先生の豊かな知識と丁寧な応答に人柄の良さを感じました。
本当の楽しい時間を過ごすことができた一日でした。
平成25年度、奈良歴史地理の会の後援会の予定が届きましたのでお知らせいたします。
25年度のテーマは「纏向遺跡と箸墓古墳」です
平成25年 3月19日(火)
桜井市教育委員会文化財課主任(纏向遺跡発掘担当責任者) 橋本 輝彦氏
「纏向遺跡の発掘調査~卑弥呼の宮殿を探して(仮題)~」
平成25年 4月21日(日)
大阪府立近つ飛鳥博物館館長・元奈良大教授 白石 太一郎氏
「箸墓古墳と西殿塚古墳の提起する問題」
両日とも 会場は さいたま市民会館 うらわ
開場 13時15分、開演 14時
会費 1000円(資料代含む)
なお、両日とも後援会のあと、奈良学友会では懇親会を行います。
講演会では聞けなかったお話なども聞けますので、時間の許す限りご参加ください。
今回の演題は、「平城京の考古学はおもしろい」です。
講演の内容は、平城京が置かれた奈良時代を中心に、天皇の催事、生活についてです。
奈良時代、天皇は国全体の祭主として様々な儀式を行っていました。
特に、新年を迎える行事を始め、病気や穢れを払う儀式が重要視されていました。
考古学から、近年平城京に隣接した川跡の発掘からおびただしい銅製の鈴、木や鉄で作られた人型
が発掘されました。
それらの発掘物と当時の記録を照合すると、天皇は、12月末と6月末、大祓と称し、宮城を出て
川に架かった橋の上から、体にたまった穢れを人型に移し川に流したことが分かりました。
特に人型は、金で塗られた人型が2体、銀で塗られた人型が2体、その他で70体ほど川に流しているのです。
天皇の行為のあとに、皇后、皇太子、その他高官が天皇と同様に穢れを払うために人型などを流すのですから
相当の数が遺物として残されたことになります。
このように「大祓」の行事は、奈良だけでなく、各地においても行われていました。
今日でも「大祓」の儀式は、皇居だけでなく、年末の大掃除、流し雛など形を変え、私たちの身近な歳時記として継承されています。
また、聖武天皇が大仏を建立した背景として、東高野街道に面した知識時の大仏を模した話、
行基菩薩との出合い、正倉院御物の半紙など、奈良時代の興味深い話をいつものように
ユーモアたっぷり精力的に話してくださいました。
2時間ほどの講演でしたが、あっという間に過ぎてしまいました。
後援会の後、水野先生を囲み懇親会を行いました。
簡単な食事の間、何人かの方が質問をされました。特に、東京タワーを設計された方が、自分の若い時に読んだ万葉集について
質問された時、90歳とは思えない記憶力に一同感心しました。
その方の質問に対し、水野先生が丁寧に答えられた姿に、先生の豊かな知識と丁寧な応答に人柄の良さを感じました。
本当の楽しい時間を過ごすことができた一日でした。
平成25年度、奈良歴史地理の会の後援会の予定が届きましたのでお知らせいたします。
25年度のテーマは「纏向遺跡と箸墓古墳」です
平成25年 3月19日(火)
桜井市教育委員会文化財課主任(纏向遺跡発掘担当責任者) 橋本 輝彦氏
「纏向遺跡の発掘調査~卑弥呼の宮殿を探して(仮題)~」
平成25年 4月21日(日)
大阪府立近つ飛鳥博物館館長・元奈良大教授 白石 太一郎氏
「箸墓古墳と西殿塚古墳の提起する問題」
両日とも 会場は さいたま市民会館 うらわ
開場 13時15分、開演 14時
会費 1000円(資料代含む)
なお、両日とも後援会のあと、奈良学友会では懇親会を行います。
講演会では聞けなかったお話なども聞けますので、時間の許す限りご参加ください。