筑波峯(TUKUBANE)

奈良学友会(奈良大学文学部文化財歴史学科同窓会)関東支部報

橋本 好史しの講演会に参加して

2012-11-04 09:40:45 | 日記
 10月27日(土)学友会会員 橋本 好史氏の講演会が高さ式で行われました。
 講演のテーマは「民間信仰の証「盃状穴」-群馬県もふくめて-」です。
橋本氏は、奈良学友会の見学会にもたびたび参加され、我々とも顔なじみの方です。



橋本氏は、見学会の折、神社仏閣を参拝した時、必ず「盃状穴」を探していました。時には、「盃状穴」について
楽しそうに説明をしてくださいました。
このような関係で、高崎市で講演があると聞き、さっそく参加してきました。



講演の内容は、
「盃状穴」は、岩や骨、さらには木の遺物に刻まれる盃状の人工的に掘られた穴です。大きさは、最大で15センチぐらいです。
古代エジプトの遺跡を含め、太古の時代から世界中で見ることができるものです。
日本でも古代から見ることができますが、とくに盛んに行われたのは江戸時代ごろです。
また、「盃状穴」は群馬県を含め各地で見ることができます。
しかし、日本で「盃状穴」についての研究はこの近年始まったばかりでまだまだわからないことが多いとのことです。
紀伊地方では現在でも、限られた日に、盃状穴に米等を入れ、海女さんたちの豊漁や安全を祈る儀式が行われています。
さらに、各地には「盃状穴」とは言わないまでもその穴を大切にする風習が残されていました。
「盃状穴」の事例を見ると、女性の性器=豊穣、作物の再生産と深くかかわりがあると言われています。
2時間余りの限られた時間では、十分語りつくせないこともあったでしょうが、身近な生活の中に残された先祖の思いを改めて知る
楽しい時間でした。
このような楽しい時間を提供してくださった橋本 好史氏に感謝申し上げます
最後に、大阪や九州など各地から40名ほどの学友会の方が参加されましたことを報告いたします。