筑波峯(TUKUBANE)

奈良学友会(奈良大学文学部文化財歴史学科同窓会)関東支部報

奈良歴史地理の会 講演会について

2012-08-27 18:37:13 | 日記
 8月26日、「さいたま市民会館うらわ」において、小野 寛 駒澤大学名誉教授の講演がありました。
今回の講演会は、「万葉集の大友家持」というテーマで行われました。
講演の内容は、万葉集の歌を時代の編成順に並べてみる。そして、編者と考えられる大友家持の歌を通し、
家持が当時随一の知識人であり、すぐれた歌人であることを紹介する内容でした。


講演中の小野 寛先生

 最初に、一番初めの雄略天皇の御製歌を取り上げられました。雄略天皇の御製歌は現在の和歌のように定型で歌われたものではありません。
しかし、中には後日定型に改められた歌もあるということです。
 時代が変わり、定型的な和歌の形になるのが、推古天皇の時代からで、万葉集が目に見える形として残された時代だそうです。
さらに天智・天武天皇の時代になり、和歌としての形式が定まったといわれています。大友家持は、和歌が完成された時代の中で
生まれ、役員として活躍をしたのです。また歌人としても円熟を迎え、当代一流の家人になったのです。
その歌には、中国の古典に範をとったり、自然の情景をうたいこむなど、今日まで大きな影響を与えているというのです。
私には、和歌の素養もないので今日の講演の内容を十分理解しているとはいえませんが、和歌が持つリズム感やそこから生まれる情感には
感動を覚えました。和歌って素晴らしい日本の芸術だと改めて思いました。

 講演会の後、同じ会館で奈良学友会主催の懇談会をお行いました。
今回は、魁夷の方で北朝鮮の彩色古墳を見学に行かれた方から貴重な映像をお借りしました。
映像は北朝鮮の国柄を反映するものですが、彩色古墳についてはよく保存がなされ、当時の色彩が十分にうかがい知ることができるものでした。
貴重な映像をありがとうございました。


懇談会場にて

= お 知 ら せ=
 次回の奈良歴史地理の会の講演は、
 9月23日 さいたま市民会館うらわ において
 上野 誠 奈良大学教授 による
 「働くことと、恋することと ー万葉人の稲作ー」です。
 是非ご参加ください。
 なお、講演会終了後、上野先生を囲み懇親会を開催する予定です。合わせてご参加ください。

◎奈良学友会関東支部主催「上野の国・歴史と文化の群馬見学会」のお知らせ
 奈良学友会関東支部では、10月28日(日)、前回お世話になりました結城さんたちのご厚意により
前回とは異なった視点から群馬見学会をお行います。是非ご参加ください。
日 時  10月28日(日)、午前10時 JR高崎駅東口 集合
見学場所 観音山古墳ー群馬県立歴史博物館ー貫前神社(上野一ノ宮)ー富岡製糸工場ー楽山園(国指定名勝)
費 用  3,500円
持ち物  弁当、飲み物、敷物等
 参加等のお問い合わせは 090-1120-4448 守屋 政雄さんまで(14:00~21:00の間でお願いいたします)

お知らせ
奈良大学通信教育部同窓の橋本 好史さんが、10月27日(土)、午後1時30分から 高崎駅前にある
ヤマダ電気LABI 4階ラビゲート で「盃状穴」について講演会をお行います。
「盃状穴」は、神社やお寺の鳥居や山門、手洗い場の医師に人為的に開けた穴のことです。
「盃状穴」は、世界各地でみられ、その起源は古くからあり、人々の豊穣を祈る気持ちからあらわれているということです。
民俗学的にも大変興味があるテーマですので、是非ご参加ください。
27日、28日と行事が重なりますので、宿泊の準備も用意してあります。上記の守屋さんまでお問い合わせください。