筑波峯(TUKUBANE)

奈良学友会(奈良大学文学部文化財歴史学科同窓会)関東支部報

7月4日 歴史地理の会 講演会報告

2010-07-14 18:48:44 | 日記
 7月4日(日)、さいたま市民会館で奈良歴史地理の会主催の講演会がおこなわれました。
今回は、吉川 真司 京都大学大学院教授による「仏都平城京」です。
 吉川先生は、「仏都平城京」を、主な寺院の仏教低行事が盛んに行われているのはもちろん、宮中の行事の主なものまで仏教的な行事で
行われている都と結論されています。
 宮中で仏教的行事が行われていたのは、平城京に先立つ飛鳥、藤原京からです。それを示すのは、国家の安全を祈る「金光明経」が正月に、
宮中において天皇の御座所で購読されているのです。また、宮中を中心に、官営寺院である「官営大寺」「薬師寺」「元興寺」の配置が3つの都に
おいて共通の場所に配置されているのです。そして、官営寺で購読されていた経典は、天皇家を中心に国家の安全を祈るものが中心でした。
宮中を中心に官寺の関係を見ていくと、一番大切な仏教行事が、正月に国家の安全を祈願することとかんがえるとまさに平城京は「仏都」なのです。
 しかし、藤原京。平城京、平安京と主な寺院の移り変わりをみると、藤原京と平城京では、藤原氏の氏寺背ある興福寺が都外といえ一等地に
設けられたこと、また、平安京には「薬師寺」主な寺院などが移築されなかったこと見ると天皇家と藤原氏の力関係の変化を推測することができます。
 最後に、平城京の時代における一般庶民へのっ仏教のふきゅうを試料を通し説明されました。
 吉川先生の講演から、私たちの生活の一部として今日でも仏教的習慣が残っているのは「仏都平城京」の成立があったからだとわかりました。

 奈良歴史地理の会 後期公演の予定がわかりましたのでお知らせいたします。
22年9月24日(金)
 白石 太一郎氏(元奈良大学教授、大阪府立近つ博物館館長)
 「邪馬台国からヤマト王権へ」
22年10月23日(土)
 千田 稔氏(奈良県立図書情報館長、国際日本文化研究センター名誉教授)
 「近代における邪馬台国研究とその背景」
22年12月21日(火)
 橋本 照彦氏(桜井市教育委員会文化財課主任。纒向遺跡発掘担当責任者)
 「纒向遺跡発見の大型建物が語るもの」
いずれも 会場はさいたま市民会館 うらわ
     開場 13時15分、開演 2時
     参加費用 1000円 です。
ぜひ、歴史に関心のある方はご参加ください。