平成22年大相撲初場所、4日目。

久しぶりの大相撲観戦に行ってまいりました。5~6年ぶりかな。
国技館前には、力士の名前が書かれたのぼりがずらり。
うほぅ!ワクワクしちゃう
場所中だけあって両国は人が多くて、外国人観光客も目立ちました。
昔はしょっちゅう、この国技館前で力士の出待ちや入り待ちしたっけなぁ。
で、サインもらったり一緒に写真とってもらって喜んでた。懐かしい…
早速チケットを持って中に入ります。

国技館正面の壁面には一面、このような絵が描かれています。
ん?!

大好きな顔ハメ発見!
これは相撲協会公式キャラクター、ハッキヨイせきトリくんです。ゆるいね!
さて、中に入りましょう。

エントランスから華やかなお茶屋さんがずらりと両側に並びます。
はい、お茶屋さんというのはですね~、
正式名称を「相撲案内所」と言って、お相撲のチケットを販売している企業の事なんです。
「茶屋」というのは、江戸~明治時代の名残り。
お茶屋さんはお客さんのお世話や雑用をする出方と、それを仕切る番頭さん、女将さん、
そしてアルバイトの人で切り盛りされてます。

これね、出方さん。
上に仕着せといわれる着物、下は呼び出しと同じタッツケ袴、紺の足袋に白い鼻緒の草履姿で
お客さんを席に案内したり、お料理やお茶を運んだりしてくれます。
このような姿の出方さんが、あちこちひっきりなしに行き来してます。
チケットをお茶屋を通して買うと、お弁当やらお土産がついて、この出方さんが世話を焼いてくれます。
当然その分チケット代が跳ね上がります。
お茶屋さんはチケットだけじゃやってけないので、こういったサービスをつけて販売しているんだって。
今回はお茶屋さんを通さずに、初めて二人桝席という席を選んでみました。
昔はなかったよ、二人桝席なんて。
割高になりますが、通常4名(または3名)で座る桝席に二人で座ってゆったり観戦できるのが二人桝席です。

こんな感じなの。
以前、4人で桝席に座った事があるけど狭いのよ~。
大の大人が4人も座ると、ぎゅうぎゅう

まぁ、それはそれで、独特な雰囲気が楽しめるからいいんだけどね。
大相撲は朝の8時くらいからやってます。
一番下っ端の取り組みから始まり、横綱の取り組みが終わるまでに約10時間もかかります。
自分のひいきの力士がいれば、その取り組みの時間帯にあわせて国技館に入ればいいのですが、
そうでなければ午後4時前に幕内力士の土俵入りが行われるので、それまでに国技館に入っておくのがベスト。
私は大体3時半までには中に入って、いったん腰を落ち着けてからお土産屋さんをのぞいたり、
館内をぶらぶら歩いたりして、幕内の土俵入りが始まるまで時間をつぶします。
席は、正面、東、向正面、西に分かれています。
今回の席は向正面、それも東とのちょうど境目で東の花道のすぐ近くだったため、
土俵入りする力士達をこんなアングルで見ることができました。

ほら、右下の花道から力士がゾロゾロ出てくるの。
土俵入りが終わった後もこの道を引き上げてくるので、力士一人一人の表情を見る事ができました。
幕内土俵入りが終わると、続いて東西横綱の土俵入りが行われます。
拍子木を打ち鳴らして乾いた音を館内に響かせながら、呼び出しが横綱土俵入りを先導します。
呼び出しの後に行司、そして露払いを先頭に、横綱、太刀持ちの順で土俵に向かいます。

西の横綱、朝青龍の土俵入り。
土俵中央に立ち、堂々とした雲龍型土俵入りを見せてくれます。

横綱土俵入りは正面を向いて行われるため、向正面の席に座ると、横綱のお尻を眺めることになります。
筋肉隆々、ぷりぷりなお尻です。
ちなみに横綱土俵入りには、雲龍型と不知火型の2パターンがあります。
どちらを選ぶかはその横綱次第。
せりあがりの時に、左手をお腹のあたりにあてて右手を上げてせりあがる(写真のように)か、
両手を上げてせりあがる(=不知火型)かが、その大きな違いです。
その昔、不知火型の横綱は短命で不吉だと嫌われ、雲龍型を選ぶ横綱が続いたのですが、
現在、東の横綱をつとめる白鵬は不知火型の土俵入りを選び、堂々たる土俵入りを披露しています。
東西横綱による土俵入りが行われた後、15分程度の休憩が入り、幕内の取り組みが始まります。
なので、この休憩時間でビールとかつまみを買っておいて、観戦に備えるの。
では、館内を見渡してみましょう。

中央に土俵があります。
昔から相撲は神に捧げるものとして行われてきたため、土俵周辺には様々な意味がこめられています。
土俵の外周の四角は儒教、「地」を表し、土俵の円が仏道、「天」を表します。
中央に立てられる幣束(取り組み中にはありませんが)には、神道を表す意味があり、
本場所前日には15日間の興行が無事であることを祈って、土俵の地鎮祭のような行事が行われます。
土俵の上には立派な吊り屋根があり、その屋根には四方に四季と四神を表す色房がぶら下がっています。
北は冬、色は黒で玄武神を表し、
東は春、色は青で青竜神を表し、
南は夏、色は赤で朱雀神を表し、
西は秋、色は白で白虎神を表します。
この吊り屋根は伊勢神宮の神明神社に見られる神明造りで、切妻屋根と言われます。
以前は4本の柱で支えられた入母屋造り(法隆寺金堂のような屋根)だったのが、
1931年の天覧相撲をきっかけに神明造りに改められ、屋根をワイヤーロープで吊る現在の形になったそうです。
そしてこの吊り屋根の上に「満員御礼」の幕があるのですが、
この日は平日だからかな、最後までこの「満員御礼」が畳まれたままで、開く事はありませんでした。
昔は連日満員御礼だったのに…
さらに四方を見上げると、過去の優勝力士の額が飾られています。

この中に愛しの魁皇の優勝額もあるはずなんだけど、どこにあるのか分からない~
そして、本日の取り組みが電光掲示板で表示されています。

今日の魁皇の対戦相手は小結の琴奨菊。
昨日、魁皇は幕内勝ち星単独トップ(808勝)の大記録を打ち立てたばかりです。
その記録を伸ばすことができるか?!
そうこうしているうちに、幕内の取り組みが始まりました。
昔は幕内全力士の顔と名前が一致してたのに、今では完璧に把握してる力士は両の手で足りるほどしかいません。
なので、幕内でも下位の力士となるとさっぱり…
けれど、TVで観てるのとは明らかに違う。
熱が伝わってくるのです。体がぶつかりあう音とか、声とか、観客の熱気とか。
こういった色んなものが、私の体にド~ン!とぶつかってくる(伝わってくる)ので、
知らない力士ながらも取り組みを観ていれば、自然と体に力が入ります。
やがて幕内の取り組みも後半戦に突入。
このあたりになると知った顔が出てきて楽しくなります
今日は、物言いになった一番がありました。

取り組み後、審判から行司の勝負判定に疑問を唱える挙手があり、
土俵下で審判をしている親方衆が土俵上にあがり、今の一番に対して協議が始まりました。
これを「物言い」と言います。
物言いが付くと、このように親方が土俵に上がり、行司を含めて今の取り組みについて協議した後、
審判長が観客に向かって、協議内容と判定結果をマイクで説明してくれます。
この協議の結果、同体であるとみなされればその一番は取り直しとなるし、
行司軍配の通りであれば、そのまま勝った力士は勝ち名乗りを受ける事が出来るし、
逆の場合は行司軍配の指し違いという事になり、逆の力士が勝ち名乗りを受ける事になります。
さて、この日の朝、元大関千代大海が引退を発表しました。
魁皇とともに日本人大関として長年頑張ってきたのですが、体力の限界を感じ、場所途中での引退となったのです。
当然、この日の取り組み相手は不戦勝です。
千代大海の最後の取り組みは、この前日、魁皇との一番でした。
この一番が二人の明暗をはっきりと分けました。
魁皇はこの一番で、幕内勝ち星単独トップという大記録を樹立し、
一方、負けた千代大海は「土俵にあがるのが怖くなった」と言い残して、土俵を去る事になったのです。
さて。そんな感慨にひたっているうちに、私のヒーロー、魁皇の出番です

呼び出しが、よく通る声で魁皇の名前を呼びます。
写真真ん中下あたりにいるのが魁皇ね。
土俵に上がり、仕切りを重ねます。

気力を充溢させてます。見合って見合って~
ハッキヨイ!
幕内勝ち星最多記録更新なるか?!の一番でしたが、残念ながら寄り切られて黒星。
館内、魁皇への声援が大変大きいので、魁皇に土が付いて「がっかり~」な空気が漂いましたが、
また明日頑張って!!
暖かな拍手で見送られ、西の花道をさがっていったのでした。
その後、両横綱の取り組みが行われ、本日の全取り組みが終了。

すべての取り組みが終了した後、毎日弓取式が行われます。
この弓取式は、横綱と同部屋の幕下以下の力士がつとめます。
誰でもできることではなく、それに見合った体格と品格を持つ者でなければつとまらないそうです。
弓をブンブン振り回し、勝利の舞を披露して、これですべて終了~。
熱気ムンムンの国技館を一歩外に出ると、甲高い太鼓の音が鳴り響いていました。
取り組みが終了した事を知らせるはね太鼓です。
ガヤガヤと一斉に国技館から吐き出されるお客さんを、このはね太鼓がお見送り。
はぁ~、久しぶりの相撲観戦、あっという間だったな~~~

何でもそうだけど、やっぱり生で観戦するのは違うね。
今日は魁皇負けちゃったけど、まだまだ初場所は続きます。
最多勝ち星記録が更新されることを願って、千秋楽までの取り組みを応援したいと思います。
今回このブログ書くために、高校生の時に作った相撲に関するレポートを引っ張り出してみました。
国語の授業で、自分の好きなものを題材にレポートを書きなさい、という課題があったんだけど、
私、このレポート書くのに、寝食を忘れるほど没頭したの。
そして皆がレポート用紙3~4ページで終わらせていたこの課題、私は78ページもの大作に仕上げたのです。
このレポートを検閲した教科担当の先生の一言が、このレポートのすごさを表しています。
「大力作です!」
ね(笑)
このレポートを読んでたら、相撲の事、もっとあれこれ紹介したくなっちゃった。
また機会を見つけて小出しにしていきま~す
にこ