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にこの庵

ひっそりと、にこ道をつづります。

仏像を彫る ~仲間入り~

2010-09-13 | 学び
「楽しい仏像彫刻」、第一回目のクラスに行ってきました。

場所は、家から車で10分くらいのところにある、とある小学校の図工室。

フレックスタイム制を利用して、通常より1時間早く終業し、急いで帰宅。
パパッとご飯を食べ、荷物(上履き、彫刻刀、筆記用具、ものさし)を持って、車を走らせます

駐車場の位置が分からなくてちょっと迷い、図工室に着いたのは開始間際。
慌ててガラガラッ!とドアを開けると、そこには病院の待合室だか老人ホームのような光景がっ!

さすがの私も「間違えました!」って引きかえそうかと思ったし、おそらくすでに図工室にいた面々も、
「え?あなた、何か用?」って感じで、お互い「え?」な空気が一瞬漂いました。

でもよく見ると、仏像彫刻に必要な道具が揃えられていたから、場所は間違いなさそうだと判断。
いくら病院の待合室のような雰囲気だからって、ノンノンノン!
私はここに婚活しにきたわけではなく、仏像彫るためにやってきたのです。
ですから、意を決して「こんにちはー!」とその中へ飛び込みました。

まずはみんなで自己紹介をしました。
20人クラスのうち、半分はすでに以前からこの仏像彫刻を学んでいる方々で、
「今年もまたお願いします」という人や、もう5年も続けていますという方など様々。

私同様、今年初めて仏像彫刻にトライするという方も10人いまして、
仕事をリタイアした後に、じっくり仏像彫刻をやってみたかったという方や、
私のように以前から興味があり、この講座を見つけて喜び勇んできましたという方などが大半でした。

で、8割以上が高齢者といわれる年齢層の方々でして、なんといいますか、こう、空気が違う。。
お若い方でも、そうですねぇ、おそらく40代後半くらいなのかな…もちろん、私が最年少です。
私の目の前にお座りになっていた生徒さんは、おそらく80代半ばくらいかと思われます。
おさるのジョージにそっくりなの!

ちなみに女性は私ともう1人、50代くらいの方の2名だけでした。
この講座の先生は、都内でも教室を持っているそうですが、そちらでは若い方も数名いらっしゃるそうです。

自己紹介が終わると、すでに自分で彫り進めていける方たちをヨソに、
新人さんは先生の下に集まり、彫刻刀の持ち方や、指を切らない彫り方などを学びます。

そして早速、彫刻刀を構えて、仏像彫刻の基本となる「球」彫りにチャレンジ!
↓木曽檜といわれる檜の3cm四方くらいの角材を渡され、それを彫刻刀一本でまぁるくしていくのです。

(せっかくなので仏像てぬぐい↑

慣れない彫刻刀に、悪戦苦闘。
ついつい肩に力が入ってしまうのですが、そんなときは腕をだら~んとして力をぬく。
そして、少しずつ角をとるように、黙々とひたすら彫り続けます。

と、隣に座っていたジョージの、彫刻刀を持つ手が震えているではありませんか!
刃先がこっちに向いてて、ちょっと怖いんですけど…

先生は易々と球を仕上げていくので、私にも簡単に出来るんじゃな~い?って思えるんだけど、
いやはや、球を彫るのは難しい…

人それぞれ得手不得手もあるのでしょうが、私は少しずーつ彫っていくので、進みはカメのごとく。
早い方だと、30分くらいでもう丸っこい形が出来上がる方もいて、そういう人を見てジョージは
「あぁ、すごいですねー、上手ですねー」と、とっても謙虚な物言いで褒めるのです。

そんなジョージは私と同じく、ゆっくりじっくりタイプのようで、まだまだ無骨な楕円状態。
お互い、「難しいですね~」なんて微笑を交わしながら、再び彫刻刀を動かします。

こういう作業は、私は非常に没頭しやすく、無心になれて、すごく楽しい

ただの丸を彫るだけなのにすごく楽しいので、これは正解だったな~なんて早くもご機嫌になっていたら、
隣のジョージがポツリと、「自分の頭は丸いのに(ツルツルしています)、これ(檜)を丸くするのは難しいなぁ」。

…はぁ。
(とりあえず、「うふふ」と笑って見せる)

ジョージのポツリ対応に少し戸惑いつつも、さらに夢中で彫り続け、いつしか体はじんわり汗ばんできます。
もちろん、首には手ぬぐいです。

そしてジョージがまたまたポツリ。
「目がかすんでよく見えないよ」。


なんと声をかけてあげればいいか分からず、「あははぁ」と笑うことしか出来ませんでした。

こうして2時間半の、第一回目の講座は終了となりました。

普段、触れ合うことがない年齢層の方々と、同じ学び舎にて仏像を彫る。
なんだかすごく刺激的だったし、一心不乱に彫刻刀をふるう作業は楽しかったです。

それから先生が、"楽しい仏像彫刻"という講座名を掲げたことについて、
「仏像を彫るのは決して簡単ではないけれど、楽しいか楽しくないかはご自身次第ですよ」とおっしゃっていました。

私は「楽しい!」っていう気持ちで、これからも続けていける気がしました。
だから買っちゃったもんねー!一本4500円の彫刻刀!

どうだ!!

にこ

彫りに行く

2010-09-12 | 学び
私は決めました。

彫ることに決めました。

仏像を!

この、ガンガンにさびのういた彫刻刀(確か、中学生の時?に図工の授業で購入したもの)を使って、
仏像彫刻を始めることにしました。

私の住む市では、数年前から市民塾なるものが開講されるようになりました。
どっかから講師を招くのではなく、市民が講師となって、1年かけてクラスを運営するというもの。

たとえばピアノなどの音楽を楽しむクラスや、いけばなやビーズアクセサリーや絵手紙などの趣味のクラス、
アロマテラピーや着付けやおやじの料理といった実用のクラス、FPや日本語教師を目指すクラスや、
簿記、パソコンと言ったビジネスに役立つクラスなどジャンルは幅広く、およそ30超もあります。

受講料も大変お安く、しかも市内で開催されるので通うのにもとっても便利。
あれこれといくつか目移りするのですが、仕事をしていると受講時間があわないものもあるので、
そんなこんなで今まで受講をあきらめていました。

しかし、しかーし!
今年はとうとう行くことに決めました。

「楽しい仏像彫刻」に

市内在住の仏師の先生が、彫刻刀の研ぎ方や仏像の由来などといった、基礎の基礎から教えてくださるそうな。

その辺のおっさんが趣味程度にザクザク彫ってるレベルだったら素通りしたけど、
このクラスの講師となる方は、京都の大仏師に師事してその後賞を受けたり、
いくつかのお寺に仏像を納めてもいるそうなので、期待も膨らみます

私は仕事が17:30終業なので、18:00からのクラスに通うにはどうしても1時間早く帰らないと間に合わないのですが、
そこはフレックスという素敵な制度と、上司の理解のおかげでどうにかクリアすることができました。

第1回目のクラスが、いよいよ明日開講となります。
何かを学びに通うのは久しぶりなので、とても楽しみです。

まずは、彫刻刀を研ぐところから教えてほしいと思っています…

にこ

ひきこもった1ヶ月

2009-06-17 | 学び
この前の週末に、日商簿記の検定試験を受けました。

数字嫌いで勉強嫌いの私が、自発的に簿記の勉強に取り組むというのは、
それは大変なことでございました。
その試験が終わった今、こうしてのんきにブログを書ける生活に戻り、ほっとしております。

検定2ヶ月前。

週2のペースで通学を始める。
Spartaで、Speed感あふれる、Seniorな先生による3S授業に頭を悩ます。
(もひとつついでに、Seniorが授業中にSleepしてしまったので、4Sですな)
まだこの頃の生活は勉強に重点を置いておらず、旅行や遊びを楽しんでいました。

検定1ヶ月前。

どうやら、私にはやっぱり簿記は無理なチャレンジだったのかもしれないと思い始め、
今までのんびり過ごしてきてしまったことを後悔。

焦って引きこもりを決意。
外に出かけることがなくなりました。

もちろん、夕飯の買い物とかぷらっと本屋さんに立ち寄ったりはしたけど、
遊びに行ったり、飲みに行ったりという娯楽をすべてシャットダウン。
一度だけお友達とご飯を食べに行きましたが、
それ以外、外の世界のあらゆる楽しみとのつながりを断ちました。

検定3週間前。

ブログをやめる。
それどころじゃないことに気づく。

検定1週間前。

午前中、過去問1本、午後に3~4本のペースで勉強。
1本2時間で解く問題なので、この頃から1日の勉強時間が8時間から、多い時で10時間以上に。

過去問を解くことで、まだ理解できてない部分が多いことを痛感。
「もうちょっとやっておけばよかった」と後悔だけはしたくなかったから、やれるだけやろうと、改めて決意。
アルコールも一切断つ。

検定2日前。

過去問解くも、自己採点で58点…
合格点は70点以上です。これだけやってるのに、どうですか、この有様。

しかも連日におよぶ猛勉強による疲労のせいか、自分の口から異臭(=口臭)がするように…(泣)
(はたまた歯周病?どちらにしろ悲しい事実)

学校で、先生に分からないところを質問する時など、
口臭が気になるものだから、口に手を当てて小さい声でしかしゃべれない。
小さい声だと、Seniorな先生は聞き取れないから余計顔を近づけてくる。
ますます私、声小さくなる。ボソボソ…

という悪循環も乗り越え、いよいよ検定当日。

やれるだけのことはやったから、あとはできることをやるだけ、という気持ちで試験会場に向かいます。
そして2時間の検定を落ち着いて、無事に終えることができました。

おわったーーーっ!

あれだけ我慢して自分を追い詰めて頑張ったおかげで、終わった時の爽快感といったら!
今までに経験したことがないくらい気持ちよかったです!!
この時の私に、ビールとか目薬のCMやらせたらピカイチだよ!!!

シュパ~ッ!プハ~ッ!キタ~ッ!なんてね。

とまぁ、こんな感じで私の簿記へのチャレンジは幕を閉じました。

これを読んで、「そんなに根つめてやらずに、たまには息抜きすればいいのに」、
なんて思われるかもしれませんが、
私の性格から言って、息抜きなんかに出かけちゃった日にゃ、絶対後悔するのです。

「あぁ、遊びに行ってる時間があったなら、問題一つ余計に解けたじゃない、
何やってるのよ、私のバカバカバカ!そんな甘ちゃんだから進歩しないのよ」って。
かなり自分を責めることになります。

たとえ結果が思わしくなくても、「やれるだけやった!」と悔いなく思えればすっぱりあきらめもつく。

そして、何事においてもそうなのですが、
やる時はやる、遊ぶ時は遊ぶと、メリハリをつけて取り組む方が気持ちがよくて好きなのです。

今やるべきことを一番に考え、兎にも角にもそれに集中する。
そうやって、終えた時の解放感と爽快感がたまらない事を知ってるから、頑張れるのかも。

ですから、
「もう、つらいです!こんなに毎日電卓たたいて、お金の計算するの、
つらいんです!もうずっと遊びにもいってないし、お酒も断ってるし、もう無理です~!」

「何あまっちょろい事言ってやがんでぃ!テメェの努力っちゅーのは所詮その程度のものか、
はっっっ!笑わせるなっ!!」

「言ったわねー!く~っ!悔しいわ!アタシ耐えるわ~、耐えて耐えてやってやるわ~っ!」

みたいなスポ根のノリで、自分の中のSキャラとMキャラを闘わせて自分を追い詰め、ストイックに取り組むのです。

コレ→


数日前までの、私の勉強机。ふせんベタベタ。
かろうじて、ノートを開くスペースだけ空けてあります。

試験を終え開放された私は、我慢していたお酒を味わい、友達と楽しいひと時を過ごし、
美容院に行って気分転換をし、思う存分本を読み進め、日々成長する家庭菜園の野菜たちを眺め、
こうしてブログを書く楽しみを取り戻しました。

口臭もしなくなったしね。

にこ