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にこの庵

ひっそりと、にこ道をつづります。

東大寺展

2010-10-16 | 音楽・映画・芸術
先週から、上野の東京国立博物館にて「東大寺大仏~天平の至宝~」展を開催しています。
本日は散策にはもってこいの秋晴れだったので、朝っぱらから行って来ました。

休日だし、こんな気持ちの良いお天気だからさぞ混みあうだろうと思ったので、
頑張って早起きして行ってみたら、まだそんなに人が多くなくて、じっくりと展示を鑑賞することができました。

東大寺所蔵の数々の至宝が展示されており、
私としては仏像(ボンバーヘッドの阿弥陀様に再会!!!)が見られたのがうれしかったのですが、
やはり、目玉はポスターにも使われている国宝の八角灯籠なのでしょうか。
これは大仏殿のまん前にデーン!と構えている八角形をした灯籠で、高さは4.6mという巨大なものです。
造立当初から大仏様と一緒に東大寺を見守ってきたという、大変貴重な灯籠で、
東大寺から運び出されたのは今回が初めてなんだって!

そしてもし、これからこの「東大寺大仏」を鑑賞しに行くという方がいらっしゃったら、
ぜひ見ていただきたいのが「バーチャル大仏」。

要は大仏様をバーチャル映像とともに紹介してくれるものなんですが、
普段、仰ぎ見ることしかできない大仏様を、同じ目線で見ることができる、大変ユニークな映像になっています。
私はこれを見てとってもびっくりしたのが、大仏様の顔が意外とチャーミングだったってこと

チャーミングというか、こう、ムニンとしてるというか、なんとも言えない味わい深い(失礼…)お顔をしているのです。
このアングルは、このバーチャル映像でしかおそらく見ることが出来ない、大変貴重なものです。
ぜひご覧になっていただきたい!

すべてを見終えて、最後はもちろん、ミュージアムショップにてお買い物。
私はどうしても欲しいものがありました。
それはお一人様一点限りしか手にすることができないという、仏像フィギュアです!

フィギュアといえば海洋堂。
その海洋堂が、東大寺監修のもと作成したフィギュアが2種類。
誕生釈迦仏と、月光菩薩立像です。

私は誕生釈迦仏狙いでした。
ちなみに誕生釈迦仏とは、お釈迦様が生まれたときにいきなり7歩歩いて、
「天上天下唯我独尊」と言った時の姿を現したもので、
東大寺が所蔵しているものは国内に残っているものでは最大(47.5cm)のものだそうです。

展示されている実物を拝見しましたが、想像していたよりもむっちりして、やや老け顔でした。
むっちりしているのは幼児体形(生まれたときの姿なら、それが当然ですよね)のためで、
老け顔に見えたのは、ただ私がそう受け取っただけのことです。。

まさかすでに売り切れなんてことはないよね?と不安に思っていましたが、ちゃ~んとありました~


家に帰り、早速箱を開けてみると…

うわっ!しっかり分厚いクッションにおおわれています。

とりあえずフタになる部分を開けてみると…

おぉっ!奥にいる!

取り出してみました。

サイズが分からないと思うので、私が彫った丸と一緒に並べてみました。
それでも良く分からないかもしれませんが、実物のおよそ5分の1サイズです。

すっごくリアル。さすが海洋堂。

この微笑がイイ!

ついでにフタの部分も記念に。

なんか、これだけでもサマになってない?

いい買い物ができて満足です。
もったいなくて写真撮影したら、また箱に仕舞っちゃってたんだけど、それじゃぁイカンと思って
今はお部屋に飾っています

あ、言い忘れましたが、「東大寺大仏」展に行くと、大仏様の手の実物大レプリカと写真が撮れます。

左のほうに映っているおじさんと比べてみると、その大きさが一目瞭然。
でっけー!

にこ

All That Jazz

2010-06-12 | 音楽・映画・芸術
ACTシアターにて、米倉涼子さん主演のミュージカル「CHICAGO」を観ました。

2002年に、レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギアで映画化された、
ボブ・フォッシー脚本のミュージカルです。

映画はアカデミー賞6部門を受賞し、とても話題になりました。
私も映画館でこの映画を観て、「おもしろーい!」って思い、DVDも買いました。

映画がヒットした後、確か日本でこのミュージカルを上演するって話を聞いたので、
ぜひ観にいきたい!なんて思ったのだけど、チケットがとれずにそのままうやむや~しちゃったんだっけ。

そもそも、ミュージカルに関しては33年ちょっと生きてきた中で1度しか観た事がありません。
高校生の頃に、課外授業(?)で「ミスサイゴン」を観たのが初めて。
主演は、今は亡き本田美奈子さんでした。

自慢じゃないが、そんな程度のミュージカル経験だったし、
昔、このミュージカルを観てみたい!なんて思っていたこともすっかり忘れていて、特に思い入れがあったわけではなく、
「何かやってないかなー、歌舞伎観がいいかなー、でももうチケット売り切れちゃってるなー、
あ、CHICAGOやってるんだー、チケットまだとれるねー、じゃーいこっかー」って感じで、何となく観にいく事にしたのです。

面白かったー

米倉涼子さん、スタイル良くてかっこよくて、すごくパワフルで迫力があって、わくわくした。
自分のことと有名になることしか考えてなくて、ずるくて小悪魔なロキシー役。
それが観てて気持ちいいんだ、もう。

難しく考えることなく、目の前に繰り広げられるエンターテインメントをそのまんま楽しめました。
それに何より「CHICAGO」は音楽がいいので、それだけでも楽しめちゃいます。

しかし座席は満席ではなく、「あれれ?」って感じでしたが、私はもう一回観にいってもいいなーって思いました。

昔はあんまり好きじゃなかった米倉涼子さんですが、
今日観てみて、すごくエネルギッシュで魅力的な素敵な女性だなーって思って、好きになりました

にこ

穴場美術館

2010-06-11 | 音楽・映画・芸術
太田記念美術館。

こちらは、1980年に開館した、浮世絵専門の美術館です。

現在、葛飾北斎生誕250周年を記念した展示がされているので、行ってきました。

明治神宮前駅から徒歩1~2分ほど。
外観はあっさりした地味なもんですが、中はなかなかよかったです。

まず、靴をぬいでスリッパで館内を廻るという、初めての鑑賞スタイルが新鮮。
コの字型の展示室の中央に、ちょっとした庭を模した雰囲気のあるお休み処があって、
灯籠なんかが置いてあるところで一息つくことができます。

ずらりと並ぶ美人画を、畳の上に上がってじっくり眺めることも出来ます。

北斎漫画もちょっとだけ展示されてたし、鳥瞰図なんかも面白い。

3フロアに分かれていて、それぞれテーマにわかれた展示がされていました。
それほど多くの展示物があるわけではないですが、結構見ごたえがあります。

何より、(平日の午後ということもあってか)館内に人はまばらで、
ひとつひとつをじっくり眺めることが出来るのがよかったです。

前に江戸東京博物館で開催された、浮世絵の展示を見に行ったときは、
それがボストン美術館の所蔵品の展示だったせいか、規模の違いからなのか、
やたら人が多くて、じっくり見られなくて残念だった覚えがあります。

でもココは静かだし、ゆっくり好きなだけ展示を眺めていられるのでオススメ

にこ

長谷川さんに50分

2010-03-17 | 音楽・映画・芸術
没後400年特別展 長谷川等伯@東京国立博物館。

開催を知ってから、行く気満々で前売りを買っておいたのだけど、ぎっくり腰になって外出が出来ず。
気付けば来週で終了してしまう等伯展に、慌てて行って来ました。

上野の駅から博物館へ向かう道中、やたらご年配の方がぞろぞろ向こうからやってくる。
今日は何かあったのかな?動物園にはまだパンダ来てないよね?花見にはまだ早いしね?

な~んて、この人出の理由にあれこれ思考をめぐらせながら、腰をかばいつつ国立博物館へ急ぐ私。
16:30で受付終了って知らなくて、あわてちゃった~

そしたら奥さん!

等伯展、50分待ちですよ!!!

去年、開催された阿修羅展が30分待ちだったのに比べて、等伯は50分!
なんだか最近、この手の展覧会はとっても人気があるみたい。

年配の方が多いものの、若い人の姿も目立ちました。
つい先日、等伯の作品を紹介するTV番組を2つくらい見たんだけど、その影響もあるのかな~

列の最後尾について、ゆるゆると前に進んでいきます。
17時閉館だってのに、見てる時間なくなっちゃうんじゃない?なんて不安になったけど、
この混雑の為、本日の閉館時間が1時間延長になりましたとのアナウンスがあり、その心配はなくなりました。

が、んま~、とにかくすごい人人人で、まともに見れやしない。
入り口付近からすでに熱気が溢れており、早々に、じっくりまともに見て回ることをあきらめました。

いくつか見ておきたい作品があったので、そのへんは抑えましたよ。
「松林図屏風」、「萩芒図屏風」、「柳に柴垣図屏風」、「仏涅槃図」などなど。

素敵だな~と思う作品はたくさんあったけど、私は「萩芒図屏風」が気に入りました。
これのね、素朴な芒が描かれた左隻も素敵なんだけど、特に右隻の萩の絵。

金地に、萩という植物が風に揺らめいている姿が描かれているだけの屏風絵は、
他の屏風絵に見られない独特な世界があり、うっとりさせられます。

丁寧に描かれた萩が、一方向に揺られる絵からは、緩やかな風を感じられ、
その風で、萩がかさかさとこすれあう音まで聞こえてきそう。

他の絢爛な屏風絵に比べたら、地味な作品かもしれないけど、これすごく素敵です。
この屏風絵の前はやや人が少なくて、間近に寄ってじ~っくり鑑賞することができました

うちにもこんな屏風絵、ほしいなー。ほしいなー。ほしいなー。
って言ってても手に入るものじゃないので、あきらめてミュージアムショップで絵葉書買って帰りました。

にこ

音楽でトリップ

2010-03-13 | 音楽・映画・芸術
4年前の春の京都、夜の三条大橋のその下で、私は幕末にトリップしました。
三条河原といえば、罪人の首がさらされた場所として有名です。

胴体と切り離された首は、ただの個体となり、すでに意思を持つはずもないのだけど、
でもその首は、そこにさらされながら、どんな思いで目の前に広がる景色をその目に映していたのか。
同じ視線でそれを感じてみたくて、夜、三条河原まで行きました。

百数十年前と今とでは、もうその景色は変わってしまっているし、
にぎやかな街のネオンのせいで、その時代の暗闇を感じることはできなかったけど、
しばらく夜風にあたり、自分の知る限りの幕末の情景を頭に思い浮かべ、さらし首の気持ちになってみる。

自分の中に広がる世界や思いと、歴史という時間の流れの軸が、一本の線となって結びつく時、
自分の中に、歴史の情景が流れ込んでくるような感覚におそわれ、そこに一体化する。
私はこの現象を、トリップって呼んでます。

最後にトリップしたのが、この4年前の京都でのこと。

そして今日、久しぶりにそんな感覚に陥りました。
今日のトリップ先は幕末ではありません。

音楽による世界へのトリップです。

尺八×ピアノのおふたり、「らくら」の久しぶりのコンサート。
今までにも何度か演奏会にお邪魔しておりましたが、ここしばらくはピアノの方が出産などのため、
活動をお休みされていたそうで、どのくらいぶりだったのかな~。

今日は一軒家のようなこじんまりしたホールでのコンサートだったので、
道に迷ってしまい、到着したのは1曲目が終わったところでした。

あわわわわっ!

2曲目が始まる前に飛び込んで、ギリギリセーフ。
そんな、あわわわわっ!を迎え入れてくれたのは、竹久夢二の「宵待草」、
慌てて駆け込んでバクバクしちゃった鼓動をおさめるには、ピッタリな曲でした。

本日のコンサートは1部と2部に分かれていて、全12曲。
おなじみの曲もありましたが、らくらの演奏として初めて聴く曲も多く、久しぶりだったせいもあり、
「新生・らくら」といった、新鮮な印象を受けました。

尺八ソロの「鶴の巣籠り」や、ピアノソロの「鐘」(フィギアまおちゃんの今期フリーの曲)は聴き入っちゃったし、
尺八×ピアノ×豪華なピアニカの「情熱大陸」は、ぞくぞくしちゃう。
まさか、尺八の「スリラー」が聴けるとは思わず、斬新な世界を楽しめたし、
曲の合間のおふたりのトークは楽しく、尺八解説は興味津々、グイとこちらの心をつかんできます。

新しいものを取り入れたり、今まで聴いた事のない音楽で新鮮な楽しさを味わわせてくれたりと、
いつも、おふたりの演奏は聴いている者を飽きさせず、とても心地よく楽しめるのですが、
今日はラスト前2曲目の「春よ、来い」を聞いている辺りから、トリップ状態になってしまいました。

私はあんまり歌とか聴かないし、音楽にも詳しくなく、当然曲の解釈なんか出来ないし、
芸術センスもないので、その音楽が訴えようとしている事や秘めたる意味を、さして理解することなく聴いています。

うんぬんよりも、それが自分にとって心地よいか、好きか嫌いか、イメージがわくか、
それによって自分の心の中に入ってくる何かがあるか。
「感じる」ものが、ポイントです。仏像拝むときもそうだもん。

自分が三味線をひくときもそう。
歌がついた曲であれば、一応解釈に目を通しますが、「ふーん」でおわっちゃう。
それより曲のバランスや印象、奏でられる音の心地よさなどから受ける感覚のほうを大事にします。

なので、作り手が表現したい事と、私がその音楽から受け取るイメージはズレているのかもしれませんが、
そういったものについての受け取り方(解釈)は人それぞれ、決められるものではなく、自由であるべきと思っています。
作り手さん、演奏される方にしてみたら「そうじゃないんだけどな~」って残念な聴き手なのかもしれないけど。。

で、
ユーミンの「春よ、来い」。
演奏を聴いているうちに、徐々に自分がその情景の中にいるような感覚に陥り始めました。

浮かんでくる情景は、薄闇の中、大きな桜の木。
ぼやけたグレーに近い水色と、ほんのりぼやけた桜の花の色の世界。
風が意思を持ったように吹き、桜の花が揺れてざわざわと音をたてている。
時折、思い出したように吹き荒れる風にいつしか飲み込まれ、その情景に一体化してしまうような感覚。
そして曲の盛り上がりの部分では、自分自身が桜をゆらす風となって吹き飛び回り、
私の胸の辺りにたまっている何かが、堰を切ったようにあふれてくるような感じがしました。

らくらの演奏に乗ってどこか遠くに飛んでいってしまった私は、曲が終わり、拍手の音で現実に戻って来られました。
ふぅ…あぶないとこだった。

本日ラストの演奏曲となる「悠久の廻り」という曲を聴いた時も、そんな状態に。
多分この曲の場合は、演奏前に、この曲を作曲された方が、
どんな思いでこの曲を作ったのかなどのエピソードを聞いた影響があったのかもしれません。

そして、会場のアンコールに応えて演奏された、「アメージンググレース」。

冒頭の尺八の深く響く音色に、すぅっと釣られていくような感じ。
灰色と白のマーブル模様のような空から、
尺八のように、まっすぐな白くて細い棒のようなものが地上までのびていて、それに沿って上の方に昇っていきます。
空から、大きな力で引き寄せられていくような感じ。
不安を混ぜ込んだような空気に包まれて、他には何も見えず、心細さを感じているところにピアノの音が聞えてきて、
その音が世界をふわっと押し広げていく。
尺八とピアノの二重奏が不安を拭い去り、「怖がることなんてなかったんだー」って安心を与えてくれる。
そして、力強い音に引っ張られるように、ムクムクと力が沸いてきて、
灰色だった世界にうっすらと光がさしてくるような、そんな光景が広がっていきました。

その演奏が終わると、体の力が抜けていくような虚脱感を覚えました。
この曲は、今までのらくらのコンサートでも何度か聴いているのに、こんな風に感じたのは今日が初めてでした。

トリップには、その時の体調や気分や環境や集中力、想像力など色々な要素が絡んでくると思うので、
同じものを聴いていても、感じ方は変わってきます。
おんなじ仏像を目の前にしても、その時々によって仏像の表情が違って見え、感じるものが全く違うのと同じように。

こういった音楽やその他諸々へのトリップのもとには、トリップのきっかけとなるもの(今日の場合は音楽)の他に、
おそらく、読書から得た知識や、過去に映像として私の中に取り込まれた情報などがあるのだと思います。

そして、今日のような音楽がきっかけとなる場合は、勿論その音楽(演奏)の素晴らしさが不可欠です。

そこに見える情景は、自分の中から湧き上がってくるオリジナルの世界ではないのかもしれません。
ですが、自分の中に蓄積された様々な情報をもとに、音楽がそこに色を付け、世界を広げてくれる。
そこから受けとり、感じた世界やイメージは私の中に生まれたオリジナルなものであり、
それらは時に私の中に変化をもたらし、感受性を刺激し、幅を広げてくれる、とても重要なものなのです。

そのためにも、普段からの読書は大事にしたいし、
このように、素晴らしいと思える演奏にじかに触れる機会を、これからも得ていきたいと思います。

あ、別に危なくないですよ、私。
「幕末にトリップ…」とか言っちゃって、ちょっとどっかネジが一個取れちゃったのかな、とか、
怪しい壷を拝んだりして、違う世界への扉を開いちゃったのかなって不安に思うかもしれないけど、
いたって普通、脳波は正常(なはず)だし、健康です。
まだほんのちょっと、腰が痛むだけです

にこ

カリスマ艦長

2010-01-11 | 音楽・映画・芸術
「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」を観ました。

バヒューン!
ドカーン!
ズダダダダッ!

です。ずっと。
いや~、おもしろかったよ~

普段こういうアニメ映画は観ないし興味もなかったんだけど、
以前予告を観た時に、「なんだか面白そうだな」と思ったので前売りを買っておいたの。

ヤマトは私が生まれるちょっと前にTV放映していたので、ストーリーは知らないはずなんですが、
なぜかこのヤマトが記憶に残っているのは、いつか再放送を観たのか、
低くダンディーな声の「さらば~地球よ~」の歌が頭にこびりついているからか、
子どもの頃に地元のお祭りで、ヤマトのでっかい山車を見たのが強烈な印象として残っているからなのか。

それにしても…
かっちょい~
ヤマトの艦長、古代進!

「生き残るべきはヤマトではない!地球だ!」

きゃ~~~~ん
しびれるぅ~~~っ

冷静になれば、「そりゃないよ、古代さん!」ってつっこみたくなる部分や、
ストーリー的に「どうなの、それ?」って思わされる部分は多々ありますが、
そういうのは、このヤマトをみるに当たっては考える必要はありません。

何も考えず、ただ目の前のスクリーンで繰り広げられる、
ドカーン!
バヒューン!
ズダダダダッ!
の嵐を楽しめばいいんです。

でもね、最後にはしんみり考えさせられるんですよ。

我々人間は、今まで地球に何をしてきたか?
母なる地球を、人間はただ食いつくし、我が物のように都合よく利用してきただけではないか。
大事なものは失って初めてそのありがたさに気付くものなんだ。

とね、失われゆく地球を見つめながら、古代艦長がこういうような事を言うんですよ。
艦長かっちょえ~~~っ

アタシも連れてってください!銀河の果てまで!どこまでも~~~っっ

にこ

涙の交響曲

2009-12-19 | 音楽・映画・芸術
さらに美しいためならば、破り得ぬ(芸術的)規則はひとつもない。

と言ったのは、
私が敬愛する偉大な作曲家、ベートーヴェン↓

本日は、そのベートーヴェンが作曲した「第九」を聴きに行ってきました。

私は、ベートーヴェンの、音楽家としてよりもむしろその人間性に非常に惹かれ、
ベートーヴェンの手記や手紙などから、彼の思いや考えを知ることができる言葉はノートに書きとめて、
勝手に酔いしれた日々がありました。

ここでそれらをご紹介してもいいのですが、本題からはずれそうなので、それはまた今度。

でっ!
今日はベートーヴェンというだけでウキウキなんですが、さらにそのウキウキに拍車をかけるのは、
テノール歌手の錦織健さんが、合唱のソロパートをつとめられること!

きゃ~~~、健さま~~~っ
もう、ウキウキウキウキウキウキキキー!って感じですよ。

ベートーヴェン×錦織健で、オーケストラはコバケンこと小林研一郎さん指揮の日本フィルです!
贅沢~~~っ

この切迫した表情してるのがコバケン↑

本日の会場はサントリーホール。
「第九」は今までに3回聴いた事があって、会場はいずれも東京芸術劇場でした。
サントリーホールには、以前錦織健さんのオペラを鑑賞しに来た事があり、今回が2度目となります。

そして座席ですが、今まではステージに向かって正面の位置が常でした。
1Fだったり、2Fだったり、ステージのまん前ってときもあったなぁ。

今回は、2Fのステージ斜め上あたり、LBというエリアの席でした。
ちょうど、オーケストラのコントラバスと向かい合って座るような席で、ステージが結構近かったです。
そのエリアの席に座るのは初めてで、どんな感じかな~とワクワク

サントリーホールのステージは、扇を開いたような形状になっています。
一番手前に指揮者、そして扇状にオーケストラが並び、その後ろにソロパートを歌う歌手のみなさん、
そしてステージの後ろの2F部分に、ステージを真下に見下ろす形で座席があって、
そこに合唱の方たちがずらりと並びます。

芸術劇場では、オーケストラの手前にソロパートの歌手のみなさんが立たれるので、
ステージの目の前の席に座ると、すぐそこに健さまのエネルギーを感じることができるのですが、
ここはちょっと遠い~な~~。

もうっ!健さまったら!そんなに後ろに行っちゃって、恥ずかしがりやさんねんもうっ!

さて、肝心の「第九」ですが、ハイハイ、もうもう、第一楽章から涙流しましたよ。
目の前で演奏される素晴らしい音楽は、強く、大きく私の中に響きます。
全身を包み込み、それに満たされて揺さぶられて、ほろりほろりと自然と涙が流れるのです。

「第九」の場合はそれだけじゃなく、ベートーヴェンの生涯とか、
この曲が初演された時の情景なんかも頭に浮かんでくるので、より一層感極まるものがあります。
もちろん、実際にその姿を見たわけではないので、それは本で読んだ域を超えませんが、
ここで想像力&妄想力が発揮されます。

初演当時、ほとんど聴覚を失っていたベートーヴェンは、どんな思いで指揮をしたのか。
どんな思いの中でこの曲を作ったのか。
そこに至るまでの数々の苦難や絶望を。

「自分が使命を自覚している仕事をしとげないで、この世を見捨ててはならない」と自らを叱咤して、
そこから這い上がって作曲活動に全精力を注いだベートーヴェンの生涯を。

「勇気を出そう。肉体はどんなに弱くとも、この精神力でかってみせよう」
この精神力の強さに憧れ、ベートーヴェンに心酔していた日々を思い起こし、
目を細めてコバケンが指揮をふる姿に、ベートーヴェンの姿を重ね合わせてみたりする。

で、あうーっ

第一楽章、第二楽章はそんな感じで聴いていられるのですが、第三楽章はねむいっす!
それまでに比べて、非常におだやか~な雰囲気なので、安らかな眠りにさそわれてしまいます。

そこに健さまがいるにもかかわらず!

そうそう。
ソロパートの4人は、最初からステージにいるわけではなく、第三楽章がはじまる前にステージに出てきて、
オーケストラの後ろに用意されたイスに静かに着席して第四楽章に訪れる自分の出番を待つのです。
それぞれのパートの歌手の中でも、健さまは二倍にも三倍にも輝いて見えました。

健さま~~~っ!わほーぅ!!ほぅほぅうほうほ

やがて第四楽章がほとんど間をおかずに始まり、誰もが知る合唱が入り、感極まって再び涙!
泣いてばっかりいるようですが、昔に比べたらだいぶ落ち着いてます。
昔は滝のような涙を流しながら聴いてましたもん…鼻ずるずるしちゃってね。

ところでこのエリアの席、面白い。
正面の席では見えないものが色々と見えるのよ。
たとえば、オーケストラの人たちの楽譜とか、指揮者の表情とか。
コントラバスとかビオラの人たちの弓の動きが、正面からだときれいにそろって見えるから気持ちよかった

あとね、よかったのがね、コバケンの表情!
ステージ正面の席に座った場合、指揮者は後頭部しか見えませんが、この席だと表情もよく見えるの。

特に印象的だったのは、合唱が入った時に、
その合唱の人たちに向かって指先をそろえた左手を差し出して、それを客席のほうに向かって、
まるで歌声を客席にエスコートするかのように、腕をゆっくりと動かすそのしぐさ。

そして満足そうな笑みを浮かべて、小さく「OK!」するようなしぐさも見えました。
表情が生き生きしてていいね、コバケン。
指揮者のあれこれは知らないけど、コバケンには人を惹きつける魅力を感じました。

素晴らしい演奏でした。
演奏が終わった後、鳴り止まない拍手の中、ステージの上にいる方たちもお互いに拍手を送りあう。
客席も、ステージも、みんなが感動の中で、素晴らしい演奏をたたえあう。
ホール全体が一体化したその雰囲気が、また好きなのよん

やっぱり音楽って、生で聴くのがいい。
感覚がフルに刺激されて、全身でそれを受け止めることで、感動が何倍にも増します。

また改めて、このようにいいもの、美しいものに触れる機会というのは必要だなぁと思いました。

そして、このような素晴らしいコンサートにふさわしいのは、こんな手ぬぐい。

洋モノもいろいろありますのよ

にこ

尺八×チェロ×ピアノ=古武道

2009-09-22 | 音楽・映画・芸術
本日は、古武道(KOBUDO)のコンサートに行ってきました。

ご存知の方もいるはず。

純邦楽×クラシック×ポップスという、まったく違ったジャンルの音楽が、
それぞれの良さを活かしつつ、見事に融合した新しい音楽を聴かせてくれます。

尺八は、藤原道山さん。
舞台や映画音楽の他、様々なジャンルの一流アーティストさんたちとのコラボなど、
ソロやソロ以外でも大変活躍されている方で、まだお若いですが、その名前を目にすることがとても多いです。
すらりと姿勢がよくて、いわゆるイケメン。尺八界のプリンスとでも言った存在でしょうか。

チェロは、古川展生さん。
映画「おくりびと」はまだ記憶に新しいところですが、この映画のテーマ曲を演奏された方です。

ピアノは、妹尾武さん。
作曲家としても広く活躍されているそうで、ドラマや映画音楽、CM音楽などを手がける他、
多くの有名アーティストさんに曲を提供し、レコーディングやライブへも参加されているそうです。

このように、ソロでもそれぞれ活躍されている3人ですが、
古武道としての活動も今年で3年目を迎え、3枚目のアルバムがこの6月に発売されています。
今回は、そのアルバム「時ノ翼」の中から、たっぷりと聴かせてくれました。

何曲目かに、「おくりびと」のテーマ曲を演奏してくださったのだけど、
ちょうどこの前日にテレビで放映された「おくりびと」を見て号泣したばかりだったので、
生演奏を聞いたらまたじんわり涙が出てきてしまいました

コンサート全体は第一部と第二部とから成り、第二部のあたまではそれぞれがソロの演奏を聴かせてくれました。

ピアノはもちろん、尺八もとても心地よいのだけど、今回は初めてチェロのソロ演奏を聴き、
「チェロって、こんなに複雑で深い音が出せる素敵な楽器だったんだ~」という事に気づきました。

やっぱり、音楽は生で聴くのが一番だね

古武道の3人の中では、作曲家でもある妹尾さんが曲を作られることが圧倒的に多いそうですが、
アルバムを発売するにあたり、必ず藤原さんと古川さんもそれぞれ1曲は曲を作るよう決められているそうで、
コンサートではお2人の渾身の2曲も演奏されました。

どの曲も素敵ですが、その中でも特に、藤原道山さん作曲の「月想ひ」、私は好きだなぁ。
夜空に浮かぶ月を眺めるのが好きだというエピソードを披露してくれた藤原さんのお話を聞いて、
子どもの頃のことを思いだしました。

私もちっちゃ~い頃、もう家中が寝静まってるのにひとりだけ寝付けずにいる時、
こっそり布団からはいでて、そーっとカーテンを開けて、夜の闇に浮かぶ月を眺めていました。

本来、寝ていなきゃいけない時間に、子どもの自分がひとりだけ起きていて、
こっそりと、家族に見つからないように月を眺めるという行為が、なんだかすごくスリリングに思えたし、
その時間は世界が全部眠っていて、その時間を自分が独占しているような気持ちになって、ワクワクしました。

夜の闇と、月と、星と、私だけの時間。秘密を共有しているような感覚。
子どもながらに、そんなこと感じてました。

今でも、月を眺めるのは好きです。

にこ