goo blog サービス終了のお知らせ 

にこの庵

ひっそりと、にこ道をつづります。

6,お誕生日旅行,2010@京都&奈良 ~東大寺2~

2010-11-26 | 
大仏殿の拝観を終え、次に向かったのは三月堂。

東大寺の広大な敷地には、二月堂、三月堂、四月堂、戒壇堂などなどのお堂がありまして、
心情的には二月堂から順に三→四とめぐりたいところですが、
二月堂は高台の上にあり、急な階段を登っていかなきゃらならないのですよ。

見上げてご覧よ、こちら二月堂。
ちょっと見上げただけで疲れちゃって…という事で、三月堂から回ることにしました。

こちら三月堂。

天平の時代に建立された建物で、東大寺の中でもっとも古いといわれています。
三月に法華会が行われることから、法華堂とも呼ばれるそうです。

と、カメラを構える私の隣で、寄り添いあう鹿さんたちの姿。

その姿の愛らしいこと!
親子だか夫婦だか分からないけど、すごくかわいくて、ほのぼのしてて、あたたかくて、
写真を撮らずにいられませんでした。

さて、三月堂。
現在須弥檀および仏像の修理の真っ最中で、お堂の中はちょっとそれとは感じられないような空間になっていましたが、
数対の仏像が横一列に並んでいるのをガラス越しに拝む事が出来、たまたま私が入った時は他に人がいなかったので
じっくりと対面することが出来ました。

いくつかある仏像のうち、一番印象が強かったのが、月光菩薩でした。
本尊の不空羂索観音立像(現在修復中で拝観することはできません)の脇侍である月光菩薩。
 (ポストカードより)
その月光菩薩と目が合うや、一歩もそこを動けなくなってしまいました。
ヘビににらまれたなんとやら状態。

日光菩薩からは穏やかな雰囲気を感じたのに、月光菩薩は全然違う。
 (こちら日光菩薩)
目をそらしてはいけないと思う緊張感。

日光菩薩との見え方を比較するために、何度も日光⇔月光を行き来します。
その間、他に誰も参拝客がいなかったので、心行くまで静かに対面することが出来ました。

ところで、堂内にひとりだけ監視のおじちゃんがスチール椅子に座っていらっしゃったのだけど、
そのおじちゃんが「二月、三月、四月堂でそれぞれご朱印をもらえますよ」と教えてくださいました。

おじちゃんに言われるまでそのことに気づかなかった私。
大仏殿でご朱印を頂いた後だったので、東大寺の分はもうもらったものと勘違いしていたのです。
あわててご朱印帳を取り出し、三月堂のご朱印をいただきました。

こうなると階段をおそれてなんかいられません!
二月、四月もいただいてこようではありませんか!
おっと、でも、ご朱印をもらうのが目的ではありません。
そうなってしまったら、ありがたい仏様に会うという最大の目的が後回しになってしまう、それはいけません。

二月堂は高台の上にあるので、見晴らしが大変良いです。
大仏殿も見渡せます。
空気も澄んでいて、とても心地の良い場所です。

と、そんなに言うわりにその絶景写真がないのは、眼前に広がる景色に満足してしまって、
撮り忘れてしまったためです。はい。

続いて四月堂に向かいます。

ずいぶんこじんまりとしたお堂で、一見したらすすーと通り過ぎてしまいそうになりますが、
ひょいと中をのぞいてみたら、入り口付近に座っている窓口のおじちゃんが
「どうぞ」と優しい笑顔を向けてくれたのですんなり中に入ることができました。

三昧堂とも、普賢堂とも呼ばれる四月堂、本尊は千手観音像。
その他、阿弥陀如来坐像など数体の仏像が安置されています。

ほんとにこじんまりとしたお堂の中に、わりとギュウギュウ詰めな感じで仏像が安置されており、
仏像との距離がとても近いのです。
すぐ目の前に座って、拝むことが出来ます。

堂内の空気がとても柔らかく優しさに満ちていて、仏様の表情やそこから受ける感じも柔らかい。
本来、仏様を拝むとはこういう雰囲気だったのではなかったのかなと感じさせられました。

今時は仏像を拝みに行くと、それは芸術品を観る博物館のような展示になってしまっていたり、
仏像が遠すぎてよく分からなかったりするところが少なくありません。
それは大事に守るため、後世に残していくために仕方の無いことだと思います。

この四月堂はすぐそこにいらっしゃる仏様とお話をする、
そういう身近さを感じながら対面できるとても居心地の良いところでした。
今まで沢山の人が今の私のようにここの仏様と対面して、心のうちを語ったり救いを求めたりしてきたんだろうなぁ。

なんだかとても心の安らぎを感じられるお堂でした。

こちらでご朱印を頂くとき、窓口のおじちゃんにご本尊のご朱印と普賢菩薩のご朱印の2通りがありますが、
どちらにしますか?とたずねられ、しばらく迷った挙句、「私の守り本尊が普賢菩薩なので…」と言ったら、
「私も普賢菩薩なんですよ」とおじちゃん。
二人思わず「えっ!じゃぁ、同じ辰年ですね、偶然~!」と笑顔に。

これも縁。

続いて向かったのが、このエリアから大仏殿をはさんで反対側にある戒壇堂。

入り口です。

よく見ると、入り口の屋根の上にちょこんとかわいいヤツらが乗っかってます。
   
愛嬌あってかわいい~~~

こちらが戒壇堂(戒壇院とも)。

現在の建物は1732年に建立されたもの。

戒壇とは、受戒(僧侶として守るべき事を確かに履行すると仏前で誓う儀式で、最も厳粛なもの)
の行われるところで、大変神聖な場所です。
こちらには四天王と多宝塔が安置されています。

以前からお会いしたいと思っていた四天王との初対面です!

中に入ると右手前に持国天、時計回りに増長天、廣目天、そして多聞天という配置で四天王がお出迎えしてくれました。

靴をぬいで、ぐるり時計回りに一体一体をじっくり眺め、めぐります。

どれも怖い顔して、仏様をしっかり守ってくださってるのね~とか、邪鬼がちょっとかわいそうとか、
そんな事を思いつつゆっくり歩く私の目に飛び込んできたのは、廣目天の凛々しいお姿!

ドキーン!
 (ポストカードより)
きゃーーーーーーーっ!!!!!
Love
私、恋してしまった!
戒壇堂で廣目天に恋してしまった!

体に電気が走ったみたいに、ビリビリーッ!ってきた!
思わず「はぁっ!」っと声に出してしまい、あわてて自分で自分の口をふさいだくらい!ほんと、ウソジャナーイ!

今まで写真などで見てきた廣目天は、正面or左側からのアングルが多かったのですが、
戒壇堂で見上げる廣目天は、その配置の関係で右側からのアングルになります。

そのアングルから見上げる廣目天の、なんと魅力的なこと!

たくましくも、しまるところはギュッ!としまった体に、厳しく凛々しいまなざし。
そして口元はやや微笑みが、強さ、優しさ、聡明さがにじんでいます。
左手に巻物を持ち、右手には筆をもつ、その足元にはもれなく邪鬼が踏みつけられてるのですが、
意に介する様子も無い、余裕を感じさせます。

こんなに頼もしい四天王が守ってくれていたら、怖いものナシだな~。
アタシのことも守って!
そしてどこかへ連れて行って~~~!

と、すっかり恋した私は、たいていの方がひと廻りすれば満足してお堂を後にするのを、
3度もお堂の中をグルグル廻り、廣目天の足元に寄って行っては「はぁ~ん」とため息をつく始末。

ほんとにかっこいい。
今までいろんな仏像を見てきて、こんなリアルな恋心を抱いたのは初めてでした。

離れがたい気持ちでいっぱいだったのですが、きっとまた近いうちに会えるハズ!と思い、
ようやく戒壇堂を後にしたのでした。

にこ

5,お誕生日旅行,2010@京都&奈良 ~東大寺1~

2010-11-26 | 
旅の2日目は、奈良で見仏三昧。

さくっと朝食をすませ、朝のお散歩&見仏へレッツゴー

JR奈良駅から、通勤途中の人たちとすれ違いながら、奈良公園方面へ向かいます。
やがて、興福寺の五重塔が見えてきましたが、そこは素通りしてさらに東へ進みます。

春日大社、一の鳥居をぬけ、鹿さんたちと一緒に参道をゆっくり歩いていきます。

まだ、朝の早い時間という事もあって、それほど人がおらず、空気は澄んで静かでとても気持ちがいい。

時々鹿さんの「きゅえぇぇぇぇっ」という悲鳴のような鳴き声がするほかは、鳥のさえずりと、
遠くのほうで車が走る音くらいしか聞こえません。

天気にも恵まれ、本来であれば仕事をしている平日にこんな優雅なお休みを過ごせていることに、
自然と心もウキウキ。足取りも軽い。

さて。
参道をこのままずっとまっすぐ進んでいけば、やがて春日大社の本殿に突き当たりますが、
その道から一旦左へそれて私が向かったのは、大仏様がいらっしゃる東大寺。
修学旅行生で混みあう前にゆっくりと手を合わせたかったので、まずはこちらに向かいました。

予想通り、まだ学生の姿は無く、観光客がちらほらと、それに混じって鹿さんたちがお散歩しているくらい。

あぁ、こんな光景、滅多に見られない。ここはいつも人でいっぱい!

正面に建つのは、鎌倉時代に再建された南大門。
古い!
そしてでかい!
なんてったって、日本最大の山門です。

そしてこの門を守る金剛力士像にご挨拶。
   
でかい!
そしていかつい!
天才仏師、運慶の作品です。

その先に進むと、やがて朱塗りの中門が見えてきて…

その向こうに、でっかいでっかい大仏殿がみえました。

すぐに参拝券を購入し、大仏殿へ。

10月に、上野の国立博物館で開催されていた東大寺展にて、大仏様目線のバーチャル映像を見たときにとても感動し、
それからずっと大仏様に会いたい!と恋焦がれていました。

大仏殿に入ると、まず正面に大仏様。

こちら、盧舎那仏坐像。

やーん!会いたかったーーー!
まずはしっかりと手を合わせ、ご挨拶。

思えば、大仏様をこんな風にきちんとお参りしたのもはじめてかもしれない。
いつも修学旅行生やら団体さんやらで混雑していて、そんな余裕なかったもの。

今までの非礼をお詫びし、そして日々の恵みに感謝、ここまで連れてきていただいたことに感謝。
顔を上げ、首をぐっと曲げて大仏様のお顔を拝見。

感動。

大仏様は、ずっとずっと昔から、奈良のこの地で私たちを見守ってくれている。
そして今日、私はこうして大仏様と対面することが叶いました。
いつもは遠く離れているけど、私たちは大仏様に守られているんだと、非常に強く感じました。

今までは「でっかいな~」くらいしか言葉が出てこなかったけど、今回は思いが全然違いました。
なんてありがたいんだろう!と感謝の気持ちでいっぱい。

この、斜め後ろからのショットなんて、大仏目線を思い出させてくれるアングルです。
大きなひろ~いお背中は、ただ沈黙をたもっています。

大仏様の前で頭をたれる人々を、大仏様はじっと見下ろしているのです。
ここから、ずっと遠くにいる人たちをも、大仏様はじっと見守ってくれているのです。

うぅっ!感極まって、思わず涙が!!

大仏様の周りをぐるり一回りして、出口付近にある窓口でご朱印をいただき、
ついでに大仏鉛筆とか、大仏マグネットとか、奈良のアイドルせんと君グッズなどのお土産品を買い、
大仏殿を後にしました。

次に向かったのが、お水取りで有名な二月堂があるエリア。
2年前にここに来た時は、大仏殿とこの二月堂を拝観しただけだったのですが、
実はそのほかにもあるんです!はずせない見仏スポットが!

それでは東大寺の素晴らしい仏像たちに、早速会いに行きましょう!

東大寺2へ続く。

にこ

4,お誕生日旅行,2010@京都&奈良 ~優雅な香り~

2010-11-25 | 
今回、京都に来るにあたり、ぜひ行きたいと思っていたところがあります。

宇治にある、平等院です。

10円玉のデザインとなっている、鳳凰堂が有名です。

鳳凰堂、正式には阿弥陀堂といい、国宝に指定されています。
鳳凰堂と呼ばれる所以は、本堂の形が羽を広げ飛び立とうとする鳳凰に似ている為であるとか、
大棟に鳳凰を乗せている事からくる為だとも。

この鳳凰堂、一日に数回内部を公開しており、ちょうどタイミングよくそのツアーに参加することができ、
係りの人の案内付きで、じっくりその内部を拝見してくることができました。

建物自体、近くで見るとすっごく古いことが良く分かります。
なんてったって、1053年建立。
今までこうして建物として残っていることがスゴイ。

極楽浄土の宮殿をモデルにしたという鳳凰堂の内部には、本尊である阿弥陀如来坐像のほか、
楽器を奏で、空中を舞い踊るかのような優雅な姿を現した浮き彫りの雲中供養菩薩像数十体が、
阿弥陀如来を囲むように壁面を漂っています。
阿弥陀如来の頭上には、大変豪華で精巧な透かし彫りの二重天蓋が吊られていました。

すでに内部の天井や柱や壁に施された絵は色あせてしまっていますが、
平安貴族が夢見た極楽浄土の雰囲気は、これらによって充分に想像ができるものでした。

ところで、ご本尊である阿弥陀如来。
平安時代の最高の仏師、定朝によって造られた確証がある唯一の仏像だそうです。
(ポストカードより)
優雅な雰囲気をまとう阿弥陀様。
とろんとした目とふっくらした頬とぽってりしたくちびるが親しみを感じさせます。
その表情から存在の大きさ、守られているという安心感を得ることができました。

阿弥陀如来は西方にある極楽浄土にいると信じられています。
鳳凰堂は、極楽にあるという宝池を模した阿字池という池の真ん中辺りに、東向きに建てられています。
つまり池のこちら側から、西側の阿弥陀如来を拝することができるようになっているのです。

これは阿弥陀如来目線。

実際、もっと目線は高いですが(像の高さだけで278.8cmなので…)、
このように、対岸の山々などを取り込んだ借景庭園が眼前に広がっていました。

そしてこちら、鳳凰堂の上にそえられている鳳凰。

現在のっているのは複製だそうで、本物は敷地内にある鳳翔館という博物館に展示されています。

一通り、お庭を散策したあとに、この鳳翔館にいってみました。
鳳翔館は2001年に開館した博物館で、貴重な国宝や重文などが数多く展示されています。

以前はすべて鳳凰堂にあった雲中供養菩薩も、現在はそのうち26体がこちらに展示されています。
雲中供養菩薩、そのいくつかをポストカードからご紹介しましょう。

あるものは楽器を演奏したり、

あるものは持物を持ち、


またあるものは、優雅な舞を舞ったりしています。

楽しげ~

どれも皆、雲に乗っています。

キントウン?!

「南無阿弥陀仏」と阿弥陀様を拝んでいれば、人は死んだときに阿弥陀如来が迎えにきて、
極楽浄土に連れて行ってもらえるといわれています。
その時、阿弥陀様と一緒にこのような菩薩様たちが迎えにきてくださるという。

死んであの世に行くとき、あのように安心感を与えてくれる阿弥陀様とともに、
こんな優雅で楽しげな仏様がついてきてくださるなら、心配も恐れもないんだろうなぁと思いました。

にこ

3,お誕生日旅行,2010@京都&奈良 ~慈悲の仏さま~

2010-11-25 | 
私には京都に来たら、必ず会いに行く仏像がいます。

それは広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像。

広隆寺の紅葉もちょうど見頃。

太秦の映画村から歩いて5分ほどのところにある広隆寺は、他のお寺に比べたらやや地味な印象がありますが、
仏像ファンにとってははずせないところではないでしょうか。
弥勒菩薩像のほかにもたくさんの仏像が大事に安置され、私たちを迎えてくれます。

およそ1年半ぶりの再会。
ドキドキしながら中へ入り、いつものように弥勒菩薩像の前に敷かれた畳の上にあがろうと近寄ると、
ベストポジションを別の方にしめられていたので、とりあえず他の仏像を見て回ることに。

しばらくたって、その方が場所を移られたので「待ってました!」といわんばかりに、そそくさと靴を脱ぎ、
畳の上にあがりました。

まずはご挨拶。
と、弥勒菩薩のお顔を見ると、「あれ?」という思いとともに緊張感が沸きました。
なんて言えばいいのかなぁ…私と弥勒菩薩の間にピーンとピアノの線を張られたような感じ。
一瞬なんだけど、そういった緊張感が漂って、なんだか突き放されたような気持ちになりました。

今日で4回目の対面となりますが、今までのどれともまた違う感覚です。

その表情から何も読み取ることが出来ませんでした。
なんだろう、何を言いたいんだろう、何を思っているんだろう、とこちらは弥勒菩薩の顔から目を離さず
ずっと考えますが、まったく読めない。
色々思い起こしてみて、あれやこれや考えてみるんだけど、何も伝わってこない。

扉が閉ざされてしまったような感覚です。

どうしてだろう…と、しばらく呆けるようにじっとその場に座っていたら、
ちょうどそこに、3人の乗客を引き連れたタクシーの運転手さんがやってきました。

座っている私の真後ろで、3人のおばちゃんたちに「この弥勒菩薩さんは赤松で出来ていてね…」と説明を始めました。

ぼうっと座っている私の後ろで、おばちゃんたちは「んまー、素敵な顔ね!」とかなんとか言い合って、
にぎやかにしきりと感心してます。

そんなにぎやかなおばちゃん相手に、タクシーの運ちゃんはこの弥勒菩薩の姿形について説明していました。
「弥勒菩薩さんは兜率天というところに住んでいて、
どうやって衆生を救おうか考えている姿を現した像だと言われています」

という説明を聞いたときに、私は心の中で叫び声をあげました。ホントに。
そして号泣。

そもそも、私は弥勒菩薩が兜率天に住んでいることも知っているし、
このお姿が運ちゃんが言うように、悩み考え込んでいる姿を現したものであるといわれている事も知っています。

でも、私自身が弥勒菩薩に救われたことに、この運ちゃんの説明のおかげで気づいたのです。

すべて合点がいきました。
今までの対面で、弥勒菩薩が見せてくれた表情にも、すべてに納得がいったのです。
今日の表情にも。

私はこの仏さまに救ってもらえたのです。

この仏さまは、慈悲の心の強い仏さまです。
それを自ら体験し、しっかりと感じることができました。

厳しく罰したり怒ったりせず、ただ慈悲の心で向き合ってくれます。
どうしたいの?どうしようか、と問いかけてくるだけで、「これはダメよ」といった否定的なことは言わず、
力ずくで「こっちにしなさい!」と無理やり引っ張ったりもせず、本人が気づくまで静かに見守ってくれるのです。
そして本人が気づいたときに、「もう大丈夫だね」という表情で、優しく包み込んでくれるのです。

今日の表情はそんな思いの表れだったのでしょう。
「もう大丈夫だね」と私を信じ、そういう意味で突き放されたんだと思います。

仏さまには最初からすべてがお見通しだったんだという事に気づきました。
分かっていながら、私が気づくときが来るまで静かに見守っていてくれました。
最後まで叱ったりせず、穏やかな表情で。

深く大きな慈悲の心に触れ、涙がとまりませんでした。
感謝の気持ちでいっぱいになり、その偉大さに平伏するばかり。
この心に報いなければと思いました。裏切ってはいけないと。

広隆寺のパンフレットには、この弥勒菩薩の説明としてこのように記されています。
………
弥勒菩薩は、須弥山の弥勒浄土といわれている兜率天にて、菩薩の行につとめられ、
諸天に説法し、お釈迦様にかわってすべての悩み、苦しみをお救いくださり、
正しい道へとお導き下さる慈悲の仏さまです
………

以前、こちらでいただいたお守りがありましたが、このたび感謝の気持ちをこめてお寺にお返しし、
新たにお守りをいただいて帰りました。

にこ

2,お誕生日旅行,2010@京都&奈良 ~見仏のはじまり~

2010-11-25 | 
清水の舞台からの紅葉を楽しんだ後、さらに欲張って次なる紅葉の名所へと向かいました。

途中、八坂の塔をみあげます。

しばし足をとめて塔を見上げる私のそばを、通学途中の小学生達が「おはようございます!」なんて言いながら
足早に通り過ぎていきます。
こんな景色が日常だなんて、うらやましいなぁ。

さて。
東山で紅葉のお寺といえば、コチラではないでしょうか。

もみじの永観堂とも言われる、禅林寺です。

受付で拝観料を払い、一歩境内に入るなりこんな素晴らしい紅葉に迎えられました。

朝早い時間だというのに、大型観光バスが続々と乗り入れ、すでに境内は紅葉を楽しむ中年でいっぱい!

まずはこちらにいらっしゃる私の好きな仏像にご挨拶すべく、お堂の中に入ります。
釈迦堂、瑞紫殿、阿弥陀堂などいくつかの建物が回廊で結ばれた永観堂には、様々な寺宝があります。

そればかりでなく、回廊を歩いているとすぐ眼前に紅葉の枝がせまっており、夢見心地な気分にもさせてくれます。

さて。
今回の旅の見仏のトップバッターは、こちら禅林寺の瑞紫殿のご本尊としてまつられている火除けの阿弥陀。

当初、5体安置されていた仏像が、応仁の乱の火災により4体が焼失。
たった1体、奇跡的に残ったのが、こちらの阿弥陀様。
それ以降、「火除けの阿弥陀」と呼ばれ、尊ばれるようになったそうです。

確かに体が黒ずんでいます。
すごいなぁ…応仁の乱を生き残り、今こうしてここに静かに座っている事が。
そんな長い長い歴史を生きてきた仏像と、こうして向き合える事が。

そのことに感謝し、手をあわせました。

続いて、有名なみかえり阿弥陀が安置されている阿弥陀堂へ。
私はこの仏像がとても好きです。

77cmという小さな仏像ですが、その姿がいろいろなことを教えてくれます。

おくれる者たちを待つ姿
愛や情けをかける姿
思いやり深く周囲をみつめる姿
人々とともに正しく前へ進む姿
真正面から人々の心を受け止めてもなお、正面に回れない人々の事を案じて横を顧みずにはいられない姿

このみかえり阿弥陀のように、具体的に仏様の慈悲のこころが現された形の仏像は大変珍しいものです。

正面からみると、首を左に向けているので顔が見えません。
左にまわってみてはじめて、ややふっくらとしたその尊顔を拝することが出来ます。

ところで。
私は今まであちこち様々なお寺や神社に足を運びました。
しかし、朱印帳を持ったことが無く、今回の旅でぜひ朱印帳を手に入れて、ご朱印をいただいて歩こうと決めてました。

そのご朱印帳をこちら、永観堂にて手にいれ、早速ご朱印第一号をいただいたのです!
その朱印帳がこちら。

もみじの永観堂という何ふさわしく、薄い緑地に明るい紅葉の柄。

記念すべき1ページ目のご朱印です。

お寺めぐりでご朱印をいただくという、新たな楽しみが増えました

それでは紅葉を楽しみましょう。

見渡す限り、色づいたもみじでいっぱい!

黄色い絨毯!

自然が作り出した美しい景色。

キレイでしょ~


鮮やか!

なぜ京都の紅葉はこんなにキレイなんだろう?発色が違う。

しばらく散策を楽しみ、お土産コーナーにてお守りなどのお土産を買ったら、
「こちらをどうぞ」とお店の人にこれを渡されました。

なんでも葉が長く、先が3つに分かれている三鈷の松という珍しい松があるそうで、
「三鈷」は、知慧・慈悲・まごころを表すんだそうです。
その葉を持っていると3つの福が自然と備わるんですって。うふっ。

お財布に入れておきます

紅葉散策を楽しみ、次なる目的地へ向かいます。
が。

京都という街は、大変多くのお寺や神社があり、予定していない行程が次々と発生する楽しい街でもあるのです。

岡崎神社。

平安京が造られたときに、王城鎮護のために都の四方に建立された社の一つだそうです。

本殿前には狛犬ならぬ、狛うさぎ。

こちらは子授け・安産の神として昔より信仰されていて、
うさぎが多産であることから、境内のあちこちにうさぎのモチーフがありました。

まだ早い時間のせいか訪れる人はまばらで、ゆっくりとお参りすることができました。
あっ。
あくまで、日々の様々な恵に感謝しただけで、そういった祈願をしたわけではありません

続いて、せっかくここまで歩いてきたならと立ち寄ったのがこちら。

金戒光明寺です。
幕末に会津藩が京都守護を命じられた際に本陣としていたお寺です。

立派な山門。

この山門を、会津藩に雇われていた新選組の近藤勇や土方歳三もくぐったのでしょうか。
きゃっ

ちょうどツアーの団体さんとぶつかってしまい、本来の予定ではコースに入れてなかった事もあり、
早々にひきあげました。
ご朱印いただこうかな~とも考えましたが、ご朱印をもらうことが目的となってしまうのは違うなぁと思ったのでやめました。

それでは次なる目的地へ向かいましょう。

にこ

1,お誕生日旅行,2010@京都&奈良 ~燃える舞台~

2010-11-25 | 
2日ばかりお仕事をお休みして、京都&奈良にいってきました。
ずっといきたかった京都。
もうかれこれ1年半以上いってないのかな。

去年の年末に仕事を終えてフリーになってから、年明けにでも冬の京都散策に行こうかと考えていましたが、
ぎっくり腰を患い、それどころではなくなり、春になったら今の仕事をはじめていたので、
なかなか機会がめぐってこず、そろそろ私の中のネジが吹っ飛びそうになっておりました。

今回は丸3日、旅を満喫できるプランですが、何せ往復夜行バスという強行プラン。
どうなることやら。。

で、京都に到着したのが午前6時。
身支度をざっと整えて、目指す先は清水寺!

この時間、拝観できるのはココくらいしかないのです。
朝イチで京都の街を一望できる高台にのぼるのもいいじゃないかと思い、
また、この時間帯であれば修学旅行生に邪魔されること無く静かに歩けるかな~と期待。

ほら~、こんなにすいてる!がらんドゥ!!
朝日がまぶしいよ~

考えてみれば、清水寺って何度か来た事があるけど、ご本尊に手を合わせた事なかった。
いつ来ても人がいっぱいで、舞台からの眺めを見ることに気をとられて、
ご本尊にお尻を向けてばっかりでした。ごめんなさい。

こちらのご本尊は秘仏なので、厨子の前に本尊の姿を写したお前立ち仏像が安置されています。
まずはそちらに手を合わせ、無事に京都まで連れて来ていただけた事に感謝。

そして。

清水の舞台を包みこむように、燃えるような紅葉が一面に広がります

ひゃ~~~!すごっくキレイ!
直前情報では京都の紅葉はだいぶ進んでいるとのことだったので、出遅れたかな?とハラハラしてましたが、
なんのなんの!今まさにまっさかり!

素晴らしい紅葉を目にできた事も嬉しいのだけど、何より静かにその景色を楽しむ事が出来たことが!もう!

ちょうどこの帰り道に、これから清水寺に向かうという修学旅行生たちとすれ違いました。
もう一足遅かったら、彼らに巻き込まれてうんざりしていたことでしょう。

ちなみにこの清水寺の裏手にある地主神社。
縁結びで有名なところですが、行ったことがなかったのでのぞいてみました。

すると…

大黒様が、右手を挙げて「おぅ!よく来たな!」みたいな、こんな陽気な姿で出迎えてくれました。
因幡のうさちゃんも一緒。

こちら本殿。

写真では分かりづらいけど、鮮やかな色彩がまだ残ってます。
立派だわ~

早くも期待高まる旅の初日。
長~い一日になりそうです。

にこ

戸隠の自然と歴史をおもう

2010-11-06 | 
神代の昔、天照大神が天の岩屋に隠れてしまった時に、
この岩戸を、天手力雄命が怪力で今の戸隠の地に投げやって出来たのが戸隠山。

と、神話にはあるそうです。

長野県にある戸隠神社に行ってまいりました!
幸いお天気に恵まれ、山の紅葉を楽しみながらの楽しい小旅行です

まずは鏡池へ向かいました。
マイカー規制が敷かれているため、途中からタクシーorマイクロバスに乗り継ぐ必要があります。

前日の雨のせいか、湖面がややにごったようにも見えました。
水が澄んでいれば、もう少し山の景色が美しく湖面にうつったことでしょう。

そこから遊歩道を歩いて戸隠神社を目指します。

遊歩道には自然の姿が残っていて、大きな木が並んでいるけどわりと明るく見通しが良く、
時々きれいな小川が流れていて、大変気持ちの良いところでした。

どうすればこんなスゴイ姿になるんだろう?!
周りの木々を眺め渡しても、どれ一つ、同じ姿のものはありません。

作り物ではない自然のそのまんまの姿って、ほんと不思議で面白くて魅力的で、畏怖をも感じさせる。

畏怖を感じていたところに、注意を促す「熊出没!」の張り紙が…
きゃっ

20分ほど歩いたところで、随神門と呼ばれる朱色の門が見えてきました。

ここは、奥社参道口から歩いてくると約1Kmの距離にあるそうです。

では、気持ちを正してまいりましょう。
ここから先、樹齢400年以上の杉並木が続く参道となります。

って、なぬぅっ!!!
めちゃ混みじゃないか!

今、巷で話題のパワースポットらしく、老若男女どっさり人が押し寄せていてまぁ、にぎやかだ事!
普段は大変静かなところらしいのですが、土曜日ということもあって、多くの人人人。

しかし、人の数もすごいけど、それ以上に自然の姿のすごさに何度も何度も足をとめることになりました。

なぜ、杉の木の皮は上に向かってねじれていくんだろう?

この穴っぽこは、小トトロのすみ家では?

大木の根元付近には、このように穴っぽこが空いてるのが沢山ありました。
絶対何か住んでる!じゃなきゃ、私が住んでみたい!

こちらはご神木なのかしら?

暗闇の向こうに何が…

これね、わかるかなぁ?横顔にみえない?

画面中央あたり、右向きに鼻の高いおじさんが、やや口を開いて気持ちよさそうに目をつぶってるの。
朝の一杯のコーヒーに「ほぅ」っとため息ついてるような表情。

杉並木のまわりは森が広がり、それは神域として守られてきた自然林だそうです。

太陽がまぶしいYo!

やがて奥社に続く道は坂道となり、その先、さらに段差の大きな石のゴツゴツした階段となります。
これは少々きついです。なので、休み休み歩きます。

階段をのぼった先に奥社の屋根が見えたと思ったら、その手前には行列です。。
係りの方が誘導をしてくださっていて、「奥社参拝30分待ちです!」との案内が。

さすがパワースポット!初詣でもないのにこんなに並ぶなんて!
と思いきや、そうではなくて、手水舎のひしゃくが3本しかないので、そのために行列ができてしまっているとのこと。

まぁ、参拝者が沢山いるってことに変わりは無いですが、お清めが終わればわりとスイスイいけちゃいます。
階段を上りきると、ややこじんまりした社殿がみえました。

このあたりは積雪が多く、過去に雪崩で社殿が何度か倒壊してしまったそうです。
そのため、なだれ対策で強度の高いコンクリート製の社殿にしたんだって。
ご祭神は、天岩戸をぶん投げた天手力雄命です。

日ごろの恵と無事を感謝した後、社殿の背後にそびえる戸隠山を仰ぎました。

続いて九頭龍社へ参拝。
こちら、ご祭神は九頭龍大神。
水の神様、雨乞いの神様、縁結びの神様、そして虫歯の神様(重要!)として尊信されているそうな。

そして、大好きなおみくじもひいたよ。

思い起こせば今年の頭、ぎっくり腰直前に浅草寺でひいたおみくじは「凶」でした。
そして、今日この戸隠でひいたおみくじは「吉」。ちょっとほっとした

ところでここのおみくじ、他とちょっと違って、自分の年齢を告げると神官がひとりひとりに祝詞をあげて
おみくじを引いてくれるのです。
といっても、祝詞をあげてくれてる姿は見えません。扉の向こう側。

一般的に、おみくじって自分でひくことが多いのだけど、ここでは神官がひいたものを渡されるの。
ちょっと珍しいよね。

さて。
無事参拝もすませて、参道を戻ります。
来るときは鏡池からの遊歩道を歩いてきたけど、帰りは参道口まで出て、鳥居もくぐりました。

ちょっと時間があいたので、近くにあった「戸隠民族館」なるところをのぞいてみることに。
なんと、忍者カラクリ屋敷もあります!しかも、手裏剣体験もできちゃいます!

忍者といえば伊賀甲賀のイメージですが、ここにも忍者にまつわる言い伝えがあるんですね。
まずは民族館に入ってみました。

かやぶきがこけむしてていいな~。江戸中期の建物だそうです。
展示物は、民具。みんぐです。

民具って、地味なようだけど、意外と面白かったよ。
薬棚(小さな引き出しがいっぱいついてるやつ)とか、黒焦げのだるまとか、
何に使うのかよくわからない道具とか、看板とか色々。
とっくりなんかもあって、それがすごく素朴で使用感たっぷりあって、すっごいいいの!ほしいくらい!
武士の裃もあったし、駕籠なんか、天井から吊り下げられてたよ。

そして、何より私の目をひきつけたのがこれ!

円空仏です。

まさかこんなところで円空仏に出会うとは!!!びっくり仰天。
写真OKなところだったので、しっかり撮らせてもらいました。

しかしその円空仏の隣には、明治の廃仏毀釈で破壊された仏像が。

痛々しい。。

そんな歴史の流れを、戸隠神社も背負っていました。

かつて、戸隠神社は修験道の道場として都にまで知られた霊場だったそうです。
神仏混淆のころは戸隠山顕光寺と称し、比叡山、高野山と共に「三千坊三山」と言われるほどに栄えていたんだとか。

明治になって戸隠は神仏分離の対象になり、寺は切り離され、
宗僧は還俗して神官となり、戸隠神社と名前を変えて現在に至るそうです(公式HPより)。

身勝手な宗教政策により壊され、変化を余儀なくされたものへの思いと、
そんな身勝手な人間への腹立ちを感じざるを得ませんでした。

と、頭上に人影が!

あ…あれは、忍者か?

にこ

雨の上高地

2010-10-09 | 
ある知り合いのおばちゃんから、「上高地っていいトコよ~、オススメ」と言われたことがあり、
「上高地って、何県にあるんだろう?」ぐらい、全く興味関心がなかったのですが、
そんなにいいトコなら行ってみたいな~と思ったので、行ってきました。

日帰りバスの旅 

上高地までは高速道路に乗って、およそ5時間のバス旅です。
途中2度ほどサービスエリアに寄るし、友達としゃべったり、しゃべり疲れてウトウトしていたら、
あっという間に着いちゃいました。

さむっ!

標高およそ1500mと聞きましたが、うん、やはり、関東とはだいぶ違う。
山なんだなぁ。

前日の天気予報では、だったので、覚悟はしていたのですが、到着した時点ですでにポツリ、ポツリ。

上着を羽織り、雨具を持って自由散策に出かけましょ~

あうぅぅっ

雲が低く垂れ込めて、全体的にどんよりした色に染まってしまっています。
晴れていれば、きっと素晴らしい景色なんだろうに、ちょっと残念。

木におおわれた歩道をてくてく。
フードつきパーカーを着ていたので、それをかぶれば雨はしのげる程度だったので、
そのままズンズン先に進みます。

紅葉が始まってるのかな。
色合いが、秋!って感じです。

お天気は残念だけど、空気はきれいだし、緑いっぱい。
素敵なところだな~

しかし、途中のホテルでゆったりランチをしていたら、その間に雨が本降りになってしまい、
傘をささなきゃいられないほどになってしまい、水溜りがあちこちにあるので、
後半の行程はほとんど足元しか見ていられなかったです…

穂高連峰って、結局、どこのことだったんだろう??
それすらも分からないほど、雲に覆われていた上高地。

冷たい雨に足元びしょびしょになりながらも、自然の中で感じられる安らぎに心も穏やか。

一緒に行ったお友達は、最近山にはまっているそうな。
私も、その世界のぞいてみようかな。

ちょっと興味がわきました

にこ

お誕生日旅行,2009@長野 ~善光寺詣~

2009-11-25 | 
2009年のお誕生日旅行@長野、いよいよ四本柱も最後のひとつとなりました。

向かった先は、善光寺。
現在の善光寺本堂は、1707年に再建されたもので、国宝に指定されています。
今年の4月~5月にかけて、7年に1度の御開帳が行われました。
大勢の参拝客でにぎわったというニュースは、まだ記憶に新しいです。

温泉に目がくらんで宿のチェックアウトを遅らせたためか、
小布施で新そば食べ過ぎて、お腹がたっぷんたっぷんになって動きが鈍ったせいか、
善光寺に到着したのは予定より遅めの15:30頃でした。

山門です。重要文化財に指定されています。
こちらの山門、普段は登ることができませんが、11月30日まで特別拝観が行われているので、
急な階段をえっちらおっちら登って参拝してきました。

そして、こちらが本堂です。

なんともまぁ、立派です。

日々平穏無事に過ごせることと、ここまで連れてきてくださった事への感謝の気持ちをこめてお参り。

そしてその後、戒壇廻りを初体験。
私、戒壇廻りって今まで聞いたこともなくて、まったく知識がなかったのだけど、
これは経験して、とっても、とーーーってもよかったと思います。

善光寺の戒壇廻りは、秘仏であるご本尊様が祀られている瑠璃檀の床下の真っ暗な回廊を手探りで歩いて、
その行程の真ん中くらいに懸かる「極楽の錠前」に触れることで、錠前の真上におられる御本尊様と結縁し、
往生の時にお迎えに来ていただけるという約束をいただく道場のことなんだそう。

入り口付近で、「腰の高さくらいの位置に鍵が懸かってるので、壁をつたいながら歩いてください」と言われました。

鍵?鍵って?どんなだ??

さっぱり想像もつかず、頭に「?」マークいっぱい浮かべながら、床下に続く階段を一段一段慎重に下ります。
入り口付近はまだ光が入るものの、やがて前後左右360度、真っ暗闇の世界となります。

普段の生活の中で、これほどの暗闇は滅多にない、真の暗闇です。
肌に触れる空気は、ややひんやり。頼るのは、壁のみです。

腰の高さくらいに鍵があると言われたので、その鍵を見過ごすことのないよう、
腰~胸の高さくらいの範囲で手を壁にくっつけて、腕を上下に激しくワシャワシャ動かしていたら、
そのうち腕が疲れちゃって、ワシャワシャできなくなりました…

平日であったことと、時間帯がやや遅かったことが幸いし、他に人がいなかったので、
誰かと暗闇で手をつないじゃったり、足をふんづけちゃったりなんて事もなく、
ゆっくりと自分のペースで進む事が出来ました。

最初はあまりの暗闇に対する驚きと怖さで、ただ、鍵はまだかな、鍵はどこにあるの?
早く明るいところに出して~!と焦るような気持ちでしたが、
そのうち、そういった感情が離れていって、すぅっと気持ちが落ち着いてきました。

不思議なものですが、その闇の中で、大きく包み込む存在を感じました。
仏と、私の2人(この場合、2人と言うのが適当ではないのでしょうが…)になったような感じ。
すごく不思議な、なんとも表現しがたい感覚です。

この真っ暗闇で心細い中、寄り添ってくれる存在、頼ることができる存在。
無力な私を、包み込んで手を差し伸べてくれるような暖かな空気、安心感。
見えないからこそ、見える存在、感じることができる存在に触れられたような、そんな感じです。

先日、11月に落慶を迎えた唐招提寺のドキュメンタリー番組を見ていて、
開祖である鑑真和上が言った言葉がとても印象に残っています。

「(目が)見えるからこそ、惑わされて大事なものを見失ってしまう」

一言一句までは覚えてないですが、こんな意味合いのことをおっしゃったのだそうです。

鑑真和上といえば、失明までして日本に渡ってきた中国の高僧です。
鑑真和上の弟子のひとりが、ある物事に対して不満を述べた時に、鑑真和上はこのように弟子を諭したのです。

これです、これ。こういうことです、言いたいのは。

戒壇廻りで真っ暗闇にもぐりこみ、余計なものが一切見えない状態に置かれたことで、
大事なものが見えてきた、守ってくださる大きな力を感じることができた。

昔の私に比べたら、こういったことはだいぶ意識されるようになったことですが、
それでも普段は余計なものに遮られて、意識の外に追いやられてしまいがちです。

世の中、いろんなものや情報が溢れていて、時々それらに惑わされ、
何が大事なのか、真実なのか、ゴチャゴチャで分からなくなることがあります。
時々自分すら見失ってしまう始末。

なるべく身の回りから様々な余分を排除しようと意識してはいますが、それでもまだまだ無駄がいっぱいです。
信じるもの、大事なものを見失わず、常にその存在を心に置いて、
余分なものに惑わされない、しっかりした自分を作っていきたいと思うのですが…

この戒壇廻り、感じ方は人それぞれでしょうが、私はこういうことを感じ、改めて考えさせられ、
大変ありがたく感じることができた、貴重な体験となりました。
鍵にもちゃんと触れられたよ

さて。
戒壇廻りを終えて本堂を出ると、いつの間にかちょうちんに灯が入っていました。

境内をふらり。

輪廻塔を発見。

石柱にはめこまれた車輪のような石をまわすことで、諸々の苦悩を抜け出すことができるという。
早速まわしてみます。

しかしこれが、思ったより重いのよ…
   →→→    →
ん?動かないなぁ…                           よいしょ、よいしょ。

   →→→   
ふーんっ!ふーーーんっ!!!                    うおりゃーーーっ!
                                  
輪がやたら重くて、かきむしるように奥まで腕をつっこんで、こんな必死な姿(↑)になっちゃってます…

最初はゴトリゴトリと、少しずつしか動かなかったのだけど、ある瞬間にそれがふっと軽くなり、
スムーズにまわすことが出来るようになりました。
苦悩を抜け出した瞬間って感じ

1泊2日の短い旅行でしたが、すっかりリフレッシュできて、楽しい思い出がいっぱいできた、充実した2日間となりました

にこ

お誕生日旅行,2009@長野 ~美術館めぐり~

2009-11-25 | 
たっぷり温泉を楽しませてもらった宿をチェックアウトしたのは11時。
そこから小布施に向かいました。

目当ては美術館めぐりと栗菓子Get!
小布施は美術館が充実しているらしい。そして栗の名産地でもあるそうです。

以前から素敵だなぁと思っていた日本画家、中島千波さんの美術館を訪ねました。

おぶせミュージアム・中島千波館です。

中島千波といえば、桜の絵に代表されるような、黄金のバックに美しい花の絵が頭に浮かびます。

こういうの。これは、今私の部屋にかけてある千波さんのカレンダーです。
去年から千波さんのカレンダーを部屋に飾ってます。

ですがちょうど、「窓・おもちゃ・花」をテーマにした特別展示の会期中でした。

こんな感じの、花と玩具を組み合わせた“おもちゃ絵”シリーズがメインに飾られてたの。
千波さんが「大好きなテーマ」だとおっしゃる“おもちゃ絵”、私は目にするのが初めてだったし、
そもそもこういった絵を描いてるとは知りませんでした。
私がイメージしていた千波さんの絵と、この“おもちゃ絵”は雰囲気が全然違うので、展示室に入るなり、
「これ、誰の絵??」って、立ち止まってしまいました。

“おもちゃ絵”シリーズの展示室には、絵のモデルとなった玩具も一緒に飾られていたりして、
ユーモアも感じることが出来、これはこれで面白いものだなぁ、と興味深く鑑賞することができました。

しかし、私としては桜花図の第一人者とも言われる千波さんですから、桜の絵がみたかったのです。
今は特別展をやってるから、もしかしたら展示していないのかも…
とやや落胆した足取りで次の展示室へ向かうと、その展示室の入り口正面にど~~~ん!とお出ましになりました!

屏風に描かれた、「素桜神社の神代櫻」です。

太く大きな幹を持った桜が、四曲の屏風に収まりきらないほどの堂々とした姿で、
今まさに満開の時を迎えて咲き誇っている姿に圧倒されます。
桜のバックが金色で、それがまたすごく美しいの~~~

花の香りが漂ってくるようです。この絵でお花見できちゃうよ。
さすが、20余年も桜を描き続けてる千波さん。素晴らしいですっ

ちなみにモデルとなった桜は、長野市の素桜神社のもので、樹齢1200年を越えると言われているそうな。

他にも、各地の美しい桜や桜以外の花の絵を堪能し、ミュージアムショップでポストカードを購入。
こちらは「樹霊淡墨櫻」。夜の闇に浮かぶ桜の姿と、闇の微妙な色合いがなんとも美しい

続いて、北斎館へ。

北斎といえば、冨嶽三十六景が有名。
他にも諸国の瀧とか橋を描いたシリーズもあります。

だけど、それだけじゃないのね、北斎って。

展示室はいくつにも分かれていて、それぞれ大変興味深く鑑賞することができたのだけど、
一番最初に観たのがコチラの絵。

新たに収蔵品に加わった「ぶどう」、肉筆画です。

北斎のイメージを覆された一枚です。
どうも北斎というと、私の中では冨嶽三十六景などで観られるような浮世絵の印象が強く、
それらとは画風の全く異なる、このような素朴なモデルの、優しい色合いの絵というのは、北斎のイメージではなかった。

こんな面白いものも。

上は、「塩鮭と鼠」、下は「椿と鮭の切身」。
かつて、魚の切身を描いた絵師が他にいただろうか?(笑)
これがまた、いい色してておいしそうなんだ~

大輪の菊をあでやかに描いたものや、珍しい山水画、美人画、ぎょろりとした眼をもつ鳥獣、
祭屋台(おみこしみたいなの)の天井に描かれた怒涛図など大変バリエーションに富んでいて、
いろんな北斎を知ることができました。

いや~、北斎って面白い。こんなに幅広い人だったなんて知らなかった。
さすが画狂人と名乗るだけあります(笑)

そして、北斎といえば、もうひとつ忘れちゃならないのが、北斎漫画。

漫画といっても、現代のような漫画とは違って、折りにふれ、筆の赴くままに描きとめた絵といった感じで、
人物、風俗、動植物、建築物、風景、妖怪などありとあらゆる物事が漫然と描かれています。
それらをまとめたものが、北斎漫画として当時も実際に発売されていたそうです。

私は北斎の浮世絵に描かれる人物が好きで、一度この北斎漫画というのをじっくり眺めてみたかった。

北斎の浮世絵に描かれる人物とは、ちょっと大きめに描かれているものもあれば、
ほんのちっちゃく、人だと分かる程度の大きさにしか描かれていないものなど様々。

大きめに描かれている人物は、その表情とか格好をひとつひとつ見るのが楽しいし、
ほんのちっちゃく描かれている人物ですら、同じように楽しめちゃう。
描かれた人物が、どれひとつとして同じものはなく、個性が充分に描かれているのです。

これを見ると、その当時の人々の暮らしなどを知ることが出来るし、
その場の雰囲気や、そこに描かれた人々の息遣い、そのひとりひとりの性格までもが伝わってくる。
それが観てて楽しいの

ミュージアムショップに北斎漫画が何種類か置いてあったので、そのうちの一冊を購入しました。
おうちでゆっくり眺めよ~~~っと。

北斎館を楽しんだ後、その近辺に立ち並ぶ様々なショップをのぞいていると…

北斎だー!
いかにも、“婦人洋品店”っぽい佇まいの、明らかに地元のおばちゃんしか利用しないであろうお店のウインドウに、
この北斎漫画手ぬぐいが飾られていたのです!

北斎館のミュージアムショップにすら置いてなかったのに、なぜこんな婦人洋品店に?!?!
もちろん、鼻息荒く入店して即Get!です。

大満足~~~

四本柱のひとつであった美術館巡り。
中島千波さんも、葛飾北斎も、「こんな絵も描くんだ~」と新たな発見に満ち、大変有意義なものとなりました。
もちろん、おいしい栗菓子もGetしたよ

にこ

お誕生日旅行,2009@長野 ~温泉~

2009-11-24 | 
松本城に感激したあとは、そのまま本日のお宿に向かいました。

今回の旅の四本柱の一つである温泉は、前後の行程を考えて戸倉上山田温泉という温泉地に決めました。
ほんとは、翌日の行程をこなすのに、そこにより近い温泉地を探していたんだけど、
不案内な土地の事だし、その近辺に「ココ!」と思えるお宿がちょうどなかったもので。

松本城から高速に乗って宿に向かい、チェックインしたのは17時を回っていました。

予定ではもうちょっと早い時間にチェックインして、ふたっぷろくらい浴びてるはずだったんだけど…
夕食前にふたっぷろは無理でも、ひとっぷろくらいなら浴びられるな~、と考えながら通された部屋に入ると、

10畳の和室の向こうに広縁があり、そこからガラス窓を隔てた向こうに露天風呂
総檜の源泉掛け流しの天然温泉です!
しかも、その向こうには日本庭園が広がります

やや値段は張りますが、せっかくゆっくりしに来ているのだから、
気兼ねなく入りたい時に温泉に入りたかったので、露天風呂つきの部屋にしました。
この部屋は今年の1月にできたばかりらしくてキレイだし、誕生日だしねちょっと贅沢。

前述したとおり、お宿についたのがすでに17時をまわっていたため、実際このとき目にしたのはこんな感じ。

庭の木々の色づきがライトに照らされてほのかに闇に浮かび、情緒を感じさせます

早速ひとっぷろ。
続いて温泉卓球。
夕食までの短い時間だったにもかかわらず、意外と奮闘しまして、かなり疲労しました…

さて。夕食タイムです

本日の夕食は、会席料理。
食前酒はりんご酒(信州だもんね)で、それとは別にサービスのワインがつきました。
新鮮なお魚、お肉、お野菜、美味しかったです。
土瓶蒸しもおいしかったな~~~

こちら、信州牛のステーキ。お野菜やマツタケと一緒にジュージューやります。

仲居さんが料理の説明をしてくださったのだけど、
「こちらは信州牛の…えー…いいところです」、とおっしゃったのには笑えました(笑)

食事にはポイントをおいてなかったので、特に期待してなかっただけに満足が大きかったです。
一品一品が少量ですが、全体的には量が結構あるので、食事を終える頃にはお腹パンパン。
ごちそうさまでした~

ちなみに朝食メニューも丁寧な内容でした。
私は朴葉味噌っていうの、ここで初めて食べたけど、おいしかった。
味噌汁もおいしい。

確か夕食にもお味噌の料理が出て、その味噌が私の好きな味噌の味だったので、
仲居さんにどこの味噌か聞いたはずなんだけど…何て言ってたか忘れちゃった。。

翌日、その日の行程を考えたら早々にチェックアウトすべきところだったのでしょうが、
温泉が気持ちよくてお湯から出るに出られなくてね。
チェックアウトを1時間遅らせてもらい、ギリギリまでお湯を楽しませてもらいました。

お湯にはいった時に、目に映る景色はこんな感じ。
この湯気見ただけで、冷えた体がじわ~~~んとしてきちゃう

雨が心配されたけど、起きたときには雨はあがっていました。
どうやら天気はもちそうです。

雨の雫にぬれた庭園の木々の姿が、さらに気持ちを癒してくれました。

にこ

お誕生日旅行,2009@長野 ~国宝、松本城~

2009-11-24 | 
お休みをもらって、1泊2日の温泉旅行に行ってまいりました。
えへっ、お誕生日旅行です

毎年誕生日を迎える頃に旅行をしていますが、今年は長野県をチョイス。
以前から、松本城に行ってみたいなぁと思っていて、
今年のお誕生日旅行の候補地としていくつか挙がっていた中からめでたくご当選!

決め手は、城、寺、芸術、温泉があること。
今回の旅行は、この4本柱で楽しんできました

午前中に家を出発し、高速を乗り継いで、ランチはおぎのやの釜飯。

父が存命の頃、長野県の蓼科や軽井沢などの高原地帯によく旅行に連れてってもらいました。
その時、必ずといっていいほど、このおぎのやの釜飯を食べたもんです。懐かしい味だなぁ。

満腹になり、このままその辺に寝っころがってゴロゴロ眠りたいところですが、
私を待つアナタがいる!

そう、国宝松本城~!

きゃ~~~!カッチョイーーー!!!

漆塗りの黒い壁(別名、烏城とも言うそうです)の堂々とした姿に圧倒されました。おっきいし!

現存する最古の天守閣を誇るこの松本城、明治の頃に競売にかけられ(えー!)、
見事落札されてしまい、解体されるはずだったらしいです。
それを後に県議会議員になった啓蒙家の市川さんって人が、
「天守閣を守らねば、長野は骨抜きになる!」といって立ち上がり、
苦労してお金を工面して城を買い戻したおかげで、現在にこの姿を残しているんだそうな。

城が競売にかけられちゃうなんて、そんな時代だったの?とびっくりですが、
最初に競り落とした人、折角競り落としたのに解体しちゃうつもりだったなんて…二度びっくり。

このお城、ほんとにかっこよくて、ややベージュがかってしまった白い壁の色合いが絶妙なの!

この、白い壁の色なんだけど…う~ん、分かるかなぁ、このくたびれた感じの色。
真っ白すぎないところが、人災・天災に耐え忍んで積み重ねてきた大きな時間の流れを感じさせます。

この城自体が経験してきた400年を超える長い歴史と、
その間にこの城を眺めてきた人や、関わってきた人たちの様々な思いを一身に背負っているようで、
それらに思いを馳せることで、なんとも感慨深い思いになります。

再建されて、やたらキレイで軽々しくなってしまった小田原城と違って、
コチラに訴えかけてくるものがあります。

では早速、天守閣に登城じゃ~~~っ

平日だったこともあって、ゆっくりと城内を見て回ることが出来ました。
この松本城は、外から見ると5階建てに見えますが、実は6層になってます。

各フロア、施された工夫が色々と残っていました。
武士が潜む部屋とか、武者窓や、敵方が石垣をよじ登ろうとした時に石を投げて防御する石落とか、
四方が見渡せる月見櫓などなど。

6階部分の月見櫓からは、見晴らしの良い景色を楽しむことが出来ます。

急な階段と、次第に足元からしんしんと伝わってくる寒さには、ちょっとだけ大変な思いをしましたが、
来て見てよかったです、国宝、松本城。

敷地内の庭園から眺めた松本城も、こんなに立派なお姿。
雪景色もまた素晴らしいんだろうな~~~

にこ

伊勢参拝

2009-06-21 | 
思いがけず、きゅうきょ伊勢神宮に行ってまいりました。

伊勢は8~9年ぶりくらい、2度目の参拝となります。
以前行った頃は、今みたいに神社仏閣に興味がなかったので、
なんかよく分からないけどすごいなー、くらいにしか思わなかったのを覚えています。

伊勢神宮は外宮と内宮からなり、外宮から参拝するのが昔からの慣わしだというので、まずは外宮へ。

外宮とは、豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祭る豊受大神宮のことで、
この神様は、日本人の主食であるお米をはじめ、五穀の豊穣や、衣食住の恵を与えてくださる産業の守護神です。

あいにくの小雨の中、早朝参拝だったため、他に参拝者はほとんどいませんでした。

手水舎にて心身を清め、第一鳥居をくぐります。
鳥居の向こうは、深い森のよう。神域です。気がひきしまります。


参道をしばらく歩くと、やがて御正宮に到着。


内宮御鎮座から遅れること481年目、ここに豊受大御神が迎えられました。

静寂の中、日々の恵に感謝し手を合わせます。
そういえば、以前来た時は、2拝2拍手1拝なんてのも知らなかったんじゃないかな…

こんな木が。


どうすればこんな形になるんだろう。。

御正宮の他にも風の神様をお祭りする別宮などなどがありますが、そのまま内宮に向かいました。

内宮に着いてから思い出したんだけど、以前は内宮しか参拝しなかったんだ。
その時に渡った宇治橋が、今は工事中。


5mほど北の位置に仮の橋が架けられていたので、そこを渡っていきます。

通称名を内宮というのは、皇大神宮(こうたいじんぐう)。
五十鈴川の川上に鎮座する皇大神宮の御祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)。
言うまでもなく、この日本の最高神であり、皇室の御祖神でございます。

橋を渡り、右手に折れると玉砂利の敷き詰められた、幅広い参道が。


前に来た時は、すっごく混んでいたのに、今日はガラガラ。
何せ、早朝ですから…

参道は、五十鈴川に並行して続いており、しばらく歩くと、やがて右前方に五十鈴川御手洗場が現れます。


1692年に、徳川綱吉の生母、桂昌院が寄進したものといわれる石畳を敷き詰めた御手洗場です。

そもそも、参拝の前には川や海に入って身を清めるというのが正しいやり方ですが、
それが簡略化され、現在では手水舎が一般的となっています。
この内宮にも、御手洗場とは別に手水舎が設置されていました。

緩やかな斜面を下りていってみます。


早朝ということもあって、静かで空気もきれい。
小雨のために、なおさら空気が浄化されてる感があります。
さらに、その小雨のせいか山全体にうっすらもやのようなものがかかって、荘厳な雰囲気になっています。

おそるおそるこちらで心身を清めてから、さらに奥に進みます。

参道の両脇は樹齢何百年という杉の木などで森のようになっており、
大きな杉の木は、参道のまんなかにもドーンドーンと立ちはだかっています。


大人3人くらいが手を回してちょうど一回りできるくらいの、たいそう立派な木ばかりです。

そして、この石段をのぼったところに、天照大御神が鎮座する御正宮があります。


なんだか、神々しい。ぱぁっと明るい光が御正宮から発せられているように見えます。

社殿の中心の御正宮は四重の垣根に囲まれており、一番奥まったところにあるので、
垣根越しに目を細めてみても、背伸びをしてみても、屋根の先っぽしか見えません。

心を沈めて、手を合わせます。
日ごろの恵と、無事でいられること、ここに連れて来てもらえた事に感謝をし、
さらに、日本の国の安泰を祈願してまいりました。

お参りをすませ、来た道を戻る途中、鳥の鳴き声がするなぁとあたりを見回すと、いました。


尾っぽの長いとりさんたち。
かなり沢山飼われているようで、あっちでコケコッコ、こっちでコケコッコとにぎやか。

木と木の間に張ったくもの巣は…


小雨にうたれて、キラキラして宝石みたい。

さて。
宇治橋の仮橋を渡りおえ、こっちの世界に戻ってきたら、右手に広がるおかげ横丁が目に入りました。


江戸から明治にかけての伊勢の代表的な建築物が移築され、その姿が再現されたのは平成5年というからまだ新しい。

何度も言いますが、朝早かったもので、お店やってません…
でも、古めかしい建物や通りの雰囲気が面白くて、ぶらぶらするだけでも楽しい。

銀行さんに、碁…碁やさん??

           

床屋さんもこんな素敵な店構え。ユリが観光客の目を楽しませます。
ちょうちんの下がったお店の脇の坂を下ると、五十鈴川に出られます。

         

おかめちゃんと、てるてる坊主。

           

玄関の軒先には、笑門とかかれた注連縄。その軒先をツバメが飛び交います。

           

それから、店先にこんな珍しいのれん発見。


御遷宮の様子が描かれた、「伊勢御遷宮之図」。

伊勢神宮は、平成25年に式年遷宮を控えています。
式年遷宮の制度が定められ、690年に第1回の御遷宮が行われてから、今回で62回目となるそうです。

外宮も内宮も東西に同じ広さの敷地が存在し、20年ごとに交互に場所を移して、新しく社殿を造りかえるそうです。

その式年遷宮には、神様のより新しい御光を頂いて、この国を新たにし、
日本全体が若返り、永遠の発展を祈るという意味がこめられているそうな。

常に新しく生まれ変わり、発展していくのと対照的に、こちら赤福本店は…

どうよ!この古めかしい感じ!
なぜか赤福の本店だけは、朝から店を開けていて、朝早くからの参拝者の拠り所となっていました。

当然、赤福いただきます。

小雨の中歩きまわっていたら、スニーカーがびしょぬれになっちゃって、ビチャビチャ…
しばらくこちらで休ませていただきました。

五十鈴川の流れを見下ろしながら、御遷宮が行われる四年後に思いを馳せます。
このおかげ横丁もそれにあわせて、より一層賑わうんだろうなぁ。
なんだかワクワクしてきました。

にこ