
*注意 今回はカトリックと宗教の話しが多いので、興味のない方はスルーでお願いします。
敬虔なカトリック信者であり、主人がフロリダで法律の修士を取った時の学友であるドイツ人の友達が今回、5日間、合流してくれたことは前回、書きましたが、彼の希望でこの元修道院<Sant Pere de Rodes>を訪れました。
ところで、そのドイツ人の彼から聞いた話しなんですが、
ドイツではカトリック信者で働いている人は教会への寄付を国が税金と一緒に徴収するそうで、
なんとその額、収入の9%!
もちろん信仰してない人など払わなくてもいいのですが、
払わない人は教会の名簿から名前を消されてしまうらしくて、
そうなると、それはそれでやはり困りますよね。
結婚式とか、お葬式とか、洗礼式とか、まあ、色々ありますから。
彼はやはり強制的に徴収するのは間違っていると言っていました。
フィリピンの人の多くは日本のカトリック教会が維持費と呼んでいる毎月の支払うをする習慣がないので
それはそれでまた別の問題がありますが、
と言うか、払わない、払うという問題ではなく、
多分、活動資金が捻出出来ないので教会で日曜学校を開けないとか、
イースターやクリスマスも教会でのお祝いは一切ないなど
(個々でやるからいいと言ってしまえばそれまでですが)

丘の上の教会の下の道路に車が停めてあるのが見えるでしょうか。
あそこに車を停めて、
元修道院まで歩く事になります。

これが元修道院で、ベネディクト会のものだったようですが、
今は修道院は廃屋になっていて、政府の管轄になっていました。
そして政府が博物館として入場料を徴収していました。

元修道院は私たちが来たエンポルダ平野側からも来れますが、
この下の道はカダケスに繋がっているようで、
主人は私と桃ちゃんが灯台に行っている間、この修道院まで自転車で再度来たようです。

修道院から海を見下ろすと街が見えますが、
これはカダケスの町ではなく、
カダケスはもっと右寄りの山を越えた向こう側みたいです。
こうして見るとコスタブラバの街々は険しい山に阻まれて点々としていますね。

修道院にあった地図なんですが、
有名なサンチャゴ・デ・コンポステラの巡礼図で、
この修道院を通り、バルセローナから近いモンセラットも通るようになっています。
コンポステラへの巡礼はローマやパリ方面から徒歩で教会や修道院を辿りながら歩く道で
いくつもの巡礼道があるんですが、
これもその一つということなのでしょうか。
山歩きの格好をした集団にも出会いましたが、
既に博物館になっている修道院でも巡礼として通るんでしょうか。
カトリックの私からするとちょっと違和感があるにはあります。
と言うのはカトリックでは聖堂にご聖体がある事が結構大事で、
ご聖体がある証拠に赤いランプを灯してあるのです。
この修道院には聖堂も、ご聖体もありませんでしたから。
博物館ですから当然と言えば当然ですが。

外はそんなに寒い日ではなかったのですが、
中はものすごく寒くて、
中を見学したくても長くは居られず、
一度外に出て体を温めて、また中に入る、を繰り返しました。

山の傾斜に建てられたのでしょうか。

結構広いのですが、全てがこんな感じでした。

駐車場近くの丘の上の教会の周りには住居跡もあり、
多分、修道院がある為なのか、
巡礼者が訪れる為なのか、
昔はこの教会の周りに人が沢山住んでいた感じでした。
今は誰も住んでいませんし、
住居は壊れ、土台しか残っていない感じです。
スペインでは多くの修道院や、修道院跡がありますが、
どれも山の上の人がなかなか行かれない場所にあって、
とにかく行くだけで一苦労。
車で行くのに大変なので徒歩の時代はきっとなかなか街には下りて行かなかったのでしょうね。
主人が言うには巡礼や祈りを祈願する人が食べ物を貢ぎ物として献上しに山を登ってくるので
食べ物には困らなかったんじゃないかと言うんですが
実際にはどうだったのでしょう。
スペインに行って驚いたのは殆どの人がもうカトリックの信仰を持っていないということでした。
なので巡礼に訪れる人の多くは外国人。
これはフランスでも同じで、
村に一つ、必ず教会があるのですが、
博物館のような感じで活動がないものが多かったです。
スペインの場合、まだまだ初聖体や堅信の習慣が残っていて
お友達の話しではおじいさんやおばあさんが孫達が教会の儀式を受けるのを強く希望し
お祝いをしてあげたりするので
その時だけは教会に行き、
あとは全く行かないという人が多いということでした。
そのせいか、巡礼地の周りは土産物屋さんが多かったり、
ネットで調べてもコンポステラに近い巡礼道なのにハイウェイのトラックと一緒の道だったりなど
政府はその辺を整備する気はないようだと英語のブログで不満を言っていた人がいました。
教会が自然消滅してしまうのも、これもまた時代の流れなのでしょうね。
フィリピンはまだまだカトリック信仰が強い国かもしれませんが、
実際には教会での活動はあまりありませんし、
共同体としての繋がりも低い場合が多いと思います。
田舎の教会はまた違うと思いますが、マニラは特に皆、ミサに来て、そのまま帰る人が多く、
隣に座っている人で知っている人など殆ど居ません。
その点、フィリピンのプロテスタント系教会は活動がとても盛んで
まとまりもあり、兄弟、姉妹と呼び合って助け合っている感じがします。
あくまで私の印象なので、
他の方から見たら違う場合もありますのでご了承下さい。
