
なぜ自分や相手の不完全さを許してあげることが、向上することになるのか?」
「はい。」

人はとても優しい気持ちになるからなのじゃよ。」
「優しい・・・気持ち?」
そう言えば、さっき人前でついしゃべりすぎてしまうわたしの欠点を、
なんでも仙人が『許してあげることだよ。』と言ってくれた時、
わたしの心の中に確かに優しい感情が湧いてきたのを感じた。
自分の至らなさを受けとめてもらえた安心感といおうか、
包み込まれるような無償の愛といおうか・・・。
言葉ではうまく言い現せないけれど、
自分に対しても苦手な先輩に対しても、なんだかとても優しい気持ちになったのだ。
なんでも仙人はゆっくりと続けた。

「本当の強さ?」
