資本主義
Meが読んでいる日本経済新聞の今日の夕刊「人間発見」のコーナーに岩井克人さんの記事が掲載されており、今日はその4回目。”「資本主義」を考え抜く”に面白い記載があったので抜粋したものをメモ。昔、岩井克人著「貨幣論」を読み、懐かしいなあと思った。
メモここから。
交換が貨幣を媒介とするかぎり、総需要と総供給は乖離する可能性を持つ。両者が実際に乖離すると、物価水準の予想と現実も乖離し、お互いを追いかける累積的インフレやデフレが引き起こされる。貨幣経済とは本質的に不安定なんです。
不安定な不均衡累積過程が通常起こらないのは、労働市場などで見えざる手の働きが阻害されているからだ。確かに、「貨幣賃金の硬直性」は失業などの非効率性を生み出しますが、本質的な不安定性をもつ貨幣経済の重しの役割を果たしているのです。資本主義経済とは、効率性を高めると不安定になり、安定性を高めると非効率になることを示す「不均衡動学」全体の構想が決まりました。
メモここまで。
なかなか刺激的。誤解を恐れず、独断でナカナカピエロ的表現で解釈すると、資本主義とは差異をもつ価値は何でも貨幣と交換できるという欲望をもった猛獣みたいなものであり、人間とはかけ離れた究極の必要悪のようなもので、この猛獣使いなる者は時に人間の血を流すような犠牲をもってしても、この猛獣を飼いならさんとするのだ。資本主義とは人のためにあらず。貨幣のためあれと。
何かギリシャ神話みたいな表現ですが、Meの資本主義なるものの解釈はこうなるのである。