失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「勝手にシンドバッド」 サザンオールスターズ 1978年、嘉門達夫 1990年

2012-07-31 | 桑田・バンド
サザンのデビューシングルと、嘉門達夫の12thシングル。

左の縦型はサザンのオリジナル。

①勝手にシンドバッド
作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:斉藤ノブ & サザンオールスターズ
冒頭「らららー」コーラスの爆発的インパクト!サンバホイッスル、斉藤ノブが主導権を握っていたと想像されるパーカッション、とラテンミュージック要素は盛り込まれているが、あまりにも個性的な桑田スタイルのためかラテンな印象は薄い。タイトル(沢田研二×ピンク・レディー)どおり、「歌謡曲」を十分に意識していたのだと思う。このどう考えても飛び道具的な楽曲が、その後30年以上日本歌謡界~Jポップのメインストリームに君臨するバンドのスタートだってのが痛快。ガッツあふれる演奏、すでにスタイルが完成されている桑田さんの熱い歌唱、意表を突く「今何時!」のコール&レスポンス、12回繰り返されるサビの「胸さわぎの腰つき」、すべてがサービス過剰としか言いようのない勢いに圧倒される。

②当って砕けろ
作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
こちらも名曲。STEVIE WONDER「SIR DUKE」(1976)をベースに、桑田節が炸裂。コミカルな雰囲気もありつつ、こんな哀愁も漂わせちゃうって、改めて優秀なシンガーだなあ。

定価1000円、中古で50円。
ジャケの下半分が失われているが、1988年(10周年)の再発盤。


右の横型は、12年後の替え歌シングル。

①勝手にシンドバッド
作詞:桑田佳祐・嘉門達夫、作曲:桑田佳祐、編曲:工藤隆
この後、替え歌シンガーとして一世を風靡することになる嘉門さんの薄味作品。パロディストが対象をリスペクトしていると、こんな中途半端な感じになるというお手本か。「嘉門」の名付け親である桑田佳祐に対して毒を吐けるはずもなく、ただ好きだからネタにしてみたのかい?と問いただしたくなる。いや、別にいいんだけど…原曲のABパートのメロディが歌われることはなく、嘉門さんのポエトリーリーディング調?小芝居が展開される。原曲「好きにならずにいられない~」部分からはメロディに乗せて正調替え歌になる。「今何時?そうね ダイアン・レイン」でちょっと笑ったことを告白しておこう。

②夏のサマー
作詞・作曲:嘉門達夫、編曲:工藤隆
こちらはちゃんとパロディとして成立している。夏の風物詩として当時メジャーだったTUBEの楽曲を真似て作られたオリジナルソング。内容もTUBEっぽく、日本語と英語がめまぐるしく交錯していく。雰囲気重視で意味不明のカタカナ英語を入れ込んでいく悪ノリ感は①とは比べ物にならないくらい楽しげ。

③④カラオケ

定価1000円、レンタル落ち100円。
オフィシャルに載っている8㎝短冊はじつに40枚。マキシ時代になってもシングルリリースが途切れることはなく、今年の最新シングルは「アホが見るブタのケツ・2」。初回限定盤はCD+DVD!継続は力なり。

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