失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「天気読み」小沢健二 「太陽は僕の敵」コーネリアス 1993年

2005-05-25 | KO系
衝撃のフリッパーズ解散後、一年余の沈黙を経て、奇しくも同時期に発表された2枚。

1993年、Double K.O.は再始動した。

左、小沢。7.21発売。
①天気読み
②暗闇から手を伸ばせ
③①のカラオケ

さて、このシングルを私は発売日に定価1000円で購入し、かなり気合を入れて自宅で聴いた。大多数のフリッパーズ・ファンがそうであったと思われるが、第一印象としては、「おおっ?どーしちゃったの!?」という反応。2曲ともあまりにも分かりやすい剽窃(パクリ、ともいう)が、フリパーズが「ヘッド博士」で到達した地点から後退しているようにしか聴こえなかった。アレンジは簡素といえば簡素で、小沢のヴォーカルも最初はいかにもショボく聴こえ、正直辛かったな。しかし、アルバム「犬キャラ」が出て、じっくり聴きこむごとに小沢の練りこまれた詞と音のポジティヴィティーにだんだんと心を動かされていった。まあ、これも大多数の小沢ファンの反応だったと思う。
今改めて聴くと、これがシングルでよかったのか?などと考えたりもするが、もうそれは1993年のサウンド・トラックとして封印された夏の思い出の一部になっているのも事実。

右、小山田。9.1発売。
①太陽は僕の敵~ザ・サン・イズ・マイ・エナミー
②ダイヤモンド・ボッサ
③①のカラオケ

小沢のソロデビューシングルに遅れること40日、挑戦的なタイトルを引っさげて、コーネリアスこと小山田圭吾もデビュー。当然、小沢のシングルは(もしかしたらアルバムも)既に聴いていたと思われ、タイトル曲の歌詞についても、深読みすれば小沢批判か?などと取り沙汰された。この辺も日本のレノン・マッカートニーと呼ばれる所以か。当時雑誌などでも、変わり果てた小沢の音楽性に対する違和感を表明していた。一部納得したり、でも「それじゃーフリッパーズのまんまじゃん」とも言えるコーネリアス作品に思い入れが薄くなっていったり。まあ、小山田が歌うだけでFGの影から逃れられるはずもなく、ソロになって新基軸をうち出す、という点においては小沢よりかなり不利な条件ではあるんだけど。
②はインスト。今聴くとレア・グルーヴと称してB級ジャズがもてはやされていた頃が懐かく思い出される。小山田出演の「UNO」のCM(曲は違うが)なども芋蔓式に思い出し、懐かしさ倍増。
こっちは930円。定価で購入。

言うまでもないが、2枚ともそれぞれの自作。もちろんアレンジも。

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2 コメント

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Unknown (中澤)
2015-04-13 19:14:00
'92年頃に友人の家で「ヘッド博士」を聴いて驚天動地した私は、この2枚を発売と同時に買いました。ある意味、フリッパーズでのそれぞれの役割を判りやすく示した音でしたね。そこからの変遷が又面白かったのですが。
音楽聞き始めから過去のものばかり聴いていたので、リアルタイムで新譜を追う、という初めての行為にワクワクしていた'93年を思い出します。丁度社会人になった直後でもあったし。
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Unknown (nakamura8cm)
2015-04-14 01:10:09
10年前の記事にようこそ!
ありがとうございます。
ほぼ同じですね。私はカメラトークから入って、確かファーストも聴いたあとで、ヘッド博士は発売日に買ったという順番でした。
そして突然の解散。
あれを超える解散ショックはないです。
あとからふり返れば、あのアルバム作っちゃったらねえ、とは思うけど、当時はそんなバカな!と動揺しまくりました。
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