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文楽通し狂言「義経千本桜」を視聴破

2010年01月03日 | テレビ
”義経千本桜”、元旦に初段と2段目(3時間半)、2日に3段目(3時間)、そして今日3日は4段目(2時間20分)と、少し居眠りもしたけれど、完全視聴を達成!自分としてはかなりの快挙でした!!
12月に教育テレビの「知る楽」(しるらく)シリーズで松井今朝子さん講師の「極付歌舞伎謎解」を見始めて、「暫」、「廓文章」、「菅原伝授手習鑑(寺子屋)」、そして「義経千本桜(四ノ切)」を少しかじっていたところ、元旦の新聞テレビ欄でこれを発見。
この歌舞伎はぜひ見なくてはと思って臨んだところ、これが何と歌舞伎ではなく人形浄瑠璃・文楽通し狂言の「義経千本桜」でした。しかしストーリーの勉強になると思い、少し我慢しながら見てみました。音声切替で解説を聞きながら見ると場面場面がだいたい理解でき、少しづつ面白みが増してきて、それでもちょっと冗長さも感じて時々退屈は感じながらも、最後の4段目狐忠信は実に面白く、特に最後のシーンは狐の人形と人形師が吉野の満開の桜をバックに空中を天駆ける宙吊りシーンとなって、ジ・エンド!これには大感激! 家族が朝寝をしている間のお楽しみで、画面に集中できたのも大変有難かった。そして今3日夕方、家族が買い物に出かけてのんびりしたひと時、思い出しながら書いている。

解説でも言っていたが、「義経千本桜」という名前から想像すると全編源義経が主人公のストーリーと予想するのだが、段ごとにスポットの当たる人(もしくは動物)が異なり、義経の落ち行く姿を軸にしながらも、人情豊かな各主人公の話を一話ごとの完結で繋げてゆくというオムニバス形式になっている。話のひねりも利いていて、「実は・・・」という展開に「なるほど・・・」と感心してしまう、楽しいお話の連続でした。昨今、味わい深いミステリーが多いが、歌舞伎のストーリーもなかなかのもの!
江戸時代の娯楽として上方地方で大いに人気を博したという事だが、単なる伝統芸能=教養としての鑑賞ではなく、その物語性にとても意外な満足感を覚えてしまった。あまり人に言っても伝わらないとは思うが、とてもすばらしい出会いが得られるお正月となりました。
人形浄瑠璃のヒット作を歌舞伎に取り込み、さらに歌舞伎のヒット作が年数をかけて磨き上げられて歌舞伎の古典として現代にまで伝わり、さらに手を加えられて今も多くの人を楽しませているという事実が素晴らしいと思います。
教養ではなく「お楽しみ」として付き合ってゆきたいと思う、お正月の収穫でした。

~記憶に留めるために、人形浄瑠璃「義経千本桜」の場割を書き写します。~
 ※これだけを眺めてもさっぱり物語は分かりませんが・・・、歌舞伎の芝居構成の勉強になります。
◆初段
 口・・・大内
 中・・・北嵯峨庵室
 切・・・堀川御所
◆二段目
 口・・・伏見稲荷
 中・・・渡海屋
 切・・・大物浦
◆三段目
 口・・・椎の木
 中・・・小金吾討死
 切・・・鮨屋
◆四段目
 口・・・道行初音旅
 中・・・吉野蔵王堂
 切・・・河面法眼館(狐忠信)
◆五段目
 吉野山中(今回は割愛)

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