naoの*のほほ~ん日記♪

目指せ!舞台女優~付き人~マネージャー~ネフローゼ症候群~結婚~アロマセラピスト

昔の話6

2006-11-16 22:31:46 | 付き人
「昔の話5」の続き

付き人の仕事は本当に大変だったけど、Nさんはとってもかわいがって下さったし
もう見るからに私は大変!と周りの人達は認識しているので
「大変でしょう~よくがんばってるわね!」と周りの人にも良くしてもらった。

お芝居の表も裏も同時にみることが出来て勉強になった。
・・・といっても自分に袖から舞台を観る余裕があるのはほんの少しの時間だが。

この時、まだ私は実家から通っていた。
最初は地方をあちこちと移動してというのが多かったので
みんなホテルに泊まるので問題なかった。
東京公演の時は、Nさんは仕事の時は家に帰らず、ホテルに泊まるので
一緒のホテルをとってもらった。わ~贅沢!
今まで働いたバイトのどれよりも高額のバイト料をもらっていたし
公演が終わった後は、Nさんとスタッフ、共演者と毎日のように飲みに連れて行ってもらった。
洋服もNさんのお下がりを頂いたりして、ほとんどお金を使うことがなかった。

というわけで、あっという間に一人暮らしする資金が貯まり
ちゃっかり、そのお金で東京に一人暮らしを始めたのだった。

田舎モンの私にはこの時期貴重な経験をたくさんさせてもらった。
Nさんは一流ホテルに泊まるし、何かあったときすぐ行けるように
同じフロアーが常だったので時にはツインで、広くてきれいな部屋ばかりだったし
移動も、新幹線はグリーン車、飛行機はスーパーシートだったので
マネージャーが特に打ち合わせが無いときは、隣に座らせてもらった。
特に、飛行機は初めてだったので、チェックインや搭乗口の意味もわからずドキドキした。
窓にかじりついて首が痛くなるほど外を眺めたもんさ。
慣れとは恐ろしいもので、今じゃ「窓側じゃなくて通路でいいで~す!
あ、すぐ降りられるように、出口に近いところにしてくださいね」などと注文を出す始末。。。


食事といえば、美味しいものが並び、Nさんは私が「こんなうめーもん初めてじゃ~」
ぐらいの勢いで、美味しそうに食べるので、これもあれもとすすめてくれた。
おかげで、だいぶ体重が増えたのはいうまでもない。

ホテルでは、私の仕事は荷物を出して、洋服を掛けたり
お風呂の準備をしたり、お酒の用意をしたりする。
ここでもお気に入りのキャラクターの飾り付けははずせない。

大抵、スタッフや共演者がNさんの部屋で飲んで騒いで
ひとしきり盛り上がると、一人帰り、二人帰り・・・
最後は当然Nさんと私二人、部屋に残る。

すでにこの時点で深夜になっている。

ところが、Nさんはまだまだ元気でテンションが高く
昔の舞台の話や尊敬する女優さんの話や真似をしてくれるのだ。
普通だったら、相当疲れているし、寝たいよう~と思うのかもしれないが
私はこの時間が大好きだった。
舞台メイクのテクニックなんかもこの時間に教えてもらったり。

いつもTVの仕事では呼ばれないのだが(メイクさんもスタイリストさんも
マネージャーさんも運転手さんもいるので、仕事がない)
Nさんが私の勉強になるだろうと、特別にドラマの仕事によんでくれた。
エキストラの仕事ももらったりして、これはまた勝手が違って勉強になった。

Nさんは言ってみれば「手がかかる女優さん」の部類に入るかもしれない。
だけど、一生懸命やればやっただけ、かわいがってくれる人だった。
Nさんの付き人がやれたら、どこでも通用するよ!とよく周りの人が言っていた。
実際、その後他の人に付いても、困らなかったから、ありがたかった。

Nさんやスタッフには感謝しています。


まだまだ、つづく・・・









昔の話5

2006-10-26 00:21:55 | 付き人
2月12日以来とまってしまっている「昔の話」シリーズ。
勝手に自分でシリーズ化してしまったのだが
始めちゃったら、完結しないと~って事で、久々に復活。

女優のNさんには本当によくして頂いたな~。

私は付き人の仕事が初めてだったので、引き継ぎをしてくれる前付き人さん
マネージャーさん、現場マネージャー兼運転手さんのSさんが一から教えてくれた。
特にSさんは色々と手伝ってくれ、教えてくれた。
まず車が到着したら、ドアを開けること。
荷物を持ち、部屋まで案内するために先を歩くこと。
とにかく、Nさんが歩き出したら止まらなくてすむように
ドアというドアは先回りして開け、エレベーターもダッシュして押し・・・
でも、バタバタと走るのではなくスススーッとさりげなくやらないといけない。
そんなこともだんだん覚えていった。
まるで、忍者だね!

エプロンにはすぐに出せるように、ティッシュやはさみ、安全ピン、ウエットティッシュ
等が常に入っていて、飲み物もいつも持って歩いていた。
私の尋常でない肩こりはこの頃から始まった?!

ミュージカルの舞台のある一日。
舞台スタッフと同じくらいの時間に会場入り。

まず、Nさんは楽屋に飾りが施してないとイヤなタイプだった。
美空ひばりさんも紫で部屋を統一するために、家具やテレビも
自前を持ち込んだという話を聞いたことがある。
皆それぞれの方法で、精神統一やテンションを高めていっているのだ。

なので、鏡前(化粧前といったるもするが)はピンクのレースを天井から吊り下げ、
鏡のまわりはお気に入りのポストカードをたくさんぺたぺた貼って、
お化粧品を並べて整えておく。お気に入りのカセットテープも用意する。(まだカセットだった)
これがまだ一ヶ月同じ会場での公演だと飾りは付けっぱなしなのでいいのだ。
地方で、一回公演で各地を転々とだと、この飾りを2時間かけて作ったと思ったら
夜には2時間かけて外し、また次の会場で・・・と繰り返さなければならないので、しんどい。

本番用のドリンクを作って、前の日洗濯したキャミとタイツ各種と
スパッツ等の裏にパウダーをはたき(早替わりの時汗ですべりが悪くなるので)用意する。
ミュージカルの主役だったNさんは、とにかく出番やら早替わり(着替え)が多い!
舞台袖には上手、下手とも早替わり小屋があって
(小さい簡易部屋、楽屋まで戻る時間はないのでここで着替える)
そこに衣装を並べておく。

書けばきりがないのだが・・・そんな感じでNさんをお迎えする。
簡単にリハーサルなどをして、本番だが、、、
とにかく私は走り回っていた!
舞台の裏を下手へ上手へダッシュしまくり、
数秒で着替えて出て行くので「衣装脱がして~着せて~ハイ出番!」
というのを繰り返した。
しかも、トラブルもよく起こるし、お芝居は止められないしで
瞬時の判断も必要だったので、気持ちも張り詰めていた。


この時本当に「猫の手も借りたい」とはこのことか!とじみじみ思った。
本当に分身が欲しかった。←わらいごとじゃなくね

若いから出来たんでしょうな~。。。


つづく