703 ~NAOMI’s Room~

「扉をたたく人」2008年/アメリカ

ここ最近、またすごい勢いで映画を観ているのだけど
全然レビューが追いついていない。

とりあえず直近で観た2作だけ
残しておこうと思う。


『扉をたたく人』2008年/米(原題「The Visitor」




監督・脚本: トーマス・マッカーシー
音楽:ヤン・A・P・カチュマレク

出演:リチャード・ジェンキンス、ハーズ・スレイマン、ダナイ・グリラ…


アメリカで封切られた時には、わずか4館だった上映館が、
最終的に270館まで拡大した!という
あまり派手ではないけれど、少しずつ口コミで広がる様な
良い意味で「控えめに心に迫る」作品。

少し落ち込んでいるときは、私はこういう作品を観たくなる。
ちょうど観たいなと思っていた様な内容で良い選択だった。



初老の大学教授が、とあるきっかけで、移民のカップルと出会ったことで、
現実と向き合いながらも、生き甲斐や忘れていた交流を思い出すお話。



教授は一見、地位も名声もあるエリートのようだけど、
実際は何年も同じ講義を繰り返し行っているだけ。
執筆活動も、実は共著でほとんど関わっていない。

つまり、忙しい“フリ”をしているだけ。

奥様にも先立たれ、生き甲斐もなく、
「孤独」「虚無」の毎日。


そんなある日、とあるきっかけで、移民のカップルと出会うことに。
彼の方がやっていた「ジャンベ」を教えてもらい。
楽しさに気付き、次第にはまっていく。




でも実は、彼らは不法滞在者。
本当に心のやさしい人間だけど
いつも不安を抱えていた。
結局彼の方は、逮捕され、移送までされてしまう。



作品の中で、教授は、心から彼らを救おうとする。
きっと、人のためにこんなに一生懸命になったのは
久しぶりだったんだろうな。



大声を上げたり、仕事をすっぽかしたり、
彼らのために毎日必死で動く。



「9.11」にもそっと触れながら、
現実社会の闇を静かに映し出していた。


原題は「The Visitor」(訪問者)



カップルの彼の方の母親役、
ヒアム・アッバスは、イスラエル出身のアラブ系パレスチナ人で、
とても魅力的な女性だと思った。



主にフランス映画に出ている女優さんだそう。


トーマス・マッカーシーは、役者出身の監督だけど、
脚本を書く才能ももっていて、
この映画では監督も脚本も担当している。

ピクサー制作のアニメ『カールじいさんの空飛ぶ家』(10)の原案を
手がけたのもこの方なんだそうだ。





映画の一言。
「善良な人間。」




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