703 ~NAOMI’s Room~

「この自由な世界で」/2007年イギリス



「この自由な世界で」
原題:「It's a Free World...」
/2007年イギリス

受賞:第64回ヴェネチア国際映画祭/脚本賞



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監督: ケン・ローチ
脚本: ポール・ラヴァーティ
音楽: ジョージ・フェントン
出演: キルストン・ウェアリング、ジュリエット・エリス、 レズワフ・ジュリック 他
配給:シネカノン

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真夜中。

ケン・ローチ監督は、
今まで作品を観たことがないはずだけど、名前を知っていた。
おそらく、アイルランドの活動家を舞台にした
「ジミー、野を駆ける伝説」(2014)が引退作品では!?という
ネットニュースを最近読んで、名を目にしていたからだと思う。

まだ観ていないけれど、今回の作品を観て、
改めて「ジミー・・も」観てみたいと思った。




「この自由な世界で」は、労働者と移民問題がテーマ。


理不尽な理由で会社を解雇された
シングルマザー・アンジーが、ある事業を始める。

それは、外国人労働者たちに仕事を斡旋するビジネス。

しかし徐々に、足を踏み入れたらいけない領域へ。
境界線を越えたあとも、無意識に、深みにはまっていく。。



主人公のアンジーに、もうそこまでにしときな!って言いたくなる。

でも、彼女自身は、
自分の行動がまちがっているとは思っていない。

そして、それは実際、まちがっていない。のかもしれない。
すべては、愛する息子を想う母親の性。


移民問題を納得し難い問題と捉え、
第一、知見もない私は、
ただ違法なだけなのでは?と思ったし、
いまも思ってる。

法の正・誤。
決まったモノに対して
異論を覚えたりするのは当然。


日本でも、復興や五輪に向けての外国人労働者の雇用と、
その後の不法滞在の問題を少しニュースで読んだ。

日本では、あまり浮き彫りになっていないと思っていたけれど

考えてみれば、ものすごく近いところでも
常日頃、経験していた。





「ある者にとっての自由は、
ほかの者にとって自由の侵害になる。」


何が本当に善くて、何が本当に悪いのか。


監督のインタビューを読んで、
吉田修一の「悪人」を思い出した。




社会派の監督には、奇妙な魅力を感じる。
恐ろしいのに、なんだかあったかい。

目を凝らして現実を見つめて、
映画全体を通じて鋭い主張をしているのに、

その視線がやさしいなぁと思う。

「悪人」でも、こう感じたけれど、
誰もを悪人のように仕立てあげながら、
全員の肩をもっている感じ。

まちがってないよ、とやさしく微笑みかける。

偽善者だとは感じない。

本当の善人とは、こういう人なのか。

でもすべて見透かされているような感覚になって、
少し怖い。



映画の一言。
「自由の共存とは。」


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