明暗クッキリ分かれるロッテ&楽天 企業再生の参考になる?
首位・ロッテvs5位・楽天。ロッテはバレンタイン一派の一掃、楽天は野村カラーからの脱皮。チーム一新という共通したテーマを持って再生に取り組んだのに、明暗が分かれているのはなぜか。企業再生にも参考になるキーポイントは?
前体制を完全に一掃する徹底の仕方の差が、第一にあげられる。年俸5億円ももらっていたロッテ・バレンタイン前監督は延命を図ろうと、マスコミを使ってフロントを攻撃。球団側が千葉からの移転まで検討しているとの衝撃情報までリークして揺さぶりをかけたが、「たとえ日本一になってもバレンタイン監督の残留はない」と球団側は一歩も譲らなかった。
「赤字圧縮額、年間10億円」という明確な目標数字があることから、一切の妥協は許されない。ボビーマジック効果が薄れ、費用対効果のなくなった監督1人で年俸5億円、さらに数多くのスタッフの人件費など経費がかさむバレンタイン体制の完全崩壊を徹底したのがロッテ球団だ。
一方、楽天は野村前監督の勇退路線を敷きながら、ロッテのように「たとえ日本一になっても残留はない」という明確な方針を口にしなかった。だから「優勝して球団を困らせてやれ」と野村前監督は事あるごとに繰り返し、球団創設以来初のAクラス入りとなる2位になったことで攻勢に転じたのだ。「なぜ2位でクビなんだ。楽天はひどい球団や」と。これに対し、球団側は最悪の対応策をとっている。
「3年契約の名誉監督」という、信じられない身分保障だ。「名誉監督に契約期間があるのか」と、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督が驚いたというが、それが世間の常識だ。
2位になったのに解任したという世間体の悪さに後ろめたさがあるから、こんな非常識な待遇をしたとしか思えない。が、口封じが見え見えの名誉監督就任は最悪の策だ。野村カラーからの脱皮を打ち出していたのだから、功労金を支払ってでも縁を切るのが当然だろう。
後任監督、コーチ人事でもロッテと楽天は対極にある。ロッテはバレンタイン監督の下でコーチをしていた生え抜きの西村新監督を誕生させ、金森打撃、西本投手コーチと主要ポストのコーチを刷新している。
西村監督はチームを熟知しており、同時にバレンタイン監督の功罪を誰よりもわかっている。どう具体的にチーム再生をすればいいか、知り尽くしている。昨年までの日替わりオーダーから打線固定への変化は一例にすぎない。金森、西本新コーチコンビも新風を吹き込み、成功している。
楽天は広島で4年間、監督を務めたブラウン監督を起用した。「広島でBクラス続きの監督がなぜ2位のオレの後任なんや」と野村前監督は怒り爆発。「2位になったのに、なぜコーチ陣のクビまで切るんや」と野村派コーチの大量解雇にもクレームをつけている。
球団側からすれば、一番大事な投手担当の佐藤コーチは残留させ、後はブラウン監督の意向も入れてということなのだろう。が、野村前監督を苦肉の策で名誉監督に据え置いて、野村ファミリーのコーチを一掃しても主客転倒だ。明のロッテと暗の楽天−こうなるのは当然だ。
【気になるあの人あの話題】ロッテ・西本聖投手コーチ 投手再生の秘訣とは?
開幕から1カ月。ロッテが西村新監督の下、予想を覆し、パ・リーグ首位を快走している。チーム打率は12球団トップ、昨年リーグ5位だったチーム防御率もリーグ1位と飛躍的にアップ。その投手陣を今季から支えているのが、かつて巨人で活躍した西本聖投手コーチ(53)だ。低迷が続いていたロッテ投手陣をどう立て直したのか直撃した。
--去年は防御率がリーグ5位の4.23。それが今季は3点代の半ばでリーグトップ。西本コーチが就任して投手陣がよみがえった
「選手がそれぞれの立場で、やるべきことをしっかりやってくれている。それに尽きるよね」
--キャンプではどんな指導を
「渡辺俊介、薮田、川越というベテランから、若い大嶺、成瀬、唐川もみんな素直に話を聞いてくれた」
--どんな話を
「それぞれの投手に目標もある。成瀬は背番号(17)ぐらい勝ちたいというのはあるだろうし。渡辺俊介も昨年は3勝13敗だったけど、そんな投手ではない。小林宏は抑えになって、どうしなければいけないか。去年までは直球がシュート回転したり、抜ける球が多かったから、昨年4勝13敗だった。そういう球をなくせば、本来持っている力を発揮できる。いろんな話をした」
--若手も成長した
「唐川と大嶺もローテーションに入るためには、どうしたらいいか。大嶺はキャンプから球が高めに行っていたので、セットポジションで2年ぐらい投げていたのを、振りかぶらせるところから、もう1度やろうと」
--各選手に目的意識を持たせるということ
「自分の投げた球には責任を持たないとダメ。自分の目標のために、それが必要だと思ってやってくれている。僕らの役目は環境(を作ること)と手助けだから。自分で経験したことから、選手にはこういうのが必要だろうと意見を言いながら。話をして、その中でやってくれれば」
--昨年までのバレンタイン監督は、メジャー式で投手には投げ込ませなかったが、キャンプでは投げ込ませた
「去年までは15分以上投げてはいけなかった。(今年)大嶺なんて300球投げましたよ。力がないのが力をつけるには何をするかということでしょう。どうしたら制球がつくかといったら、やはり体にいかに覚えさせるか。力のないやつは、練習をやらないと、うまくなるわけがないし」
--メジャーでは肩、ひじは消耗品といって投げ込んでいないのに、田沢(レッドソックス)らは故障して手術した
「メジャーと一緒にしたらアカンわ。一般的にメジャーはこうだからと言っても、そこに行くまでの段階が大事。自分はキャンプではしっかり投げないといけないし、シーズンに入ったら投げ込むことはないという考えですから」
--西本コーチはシーズン中でも投げ込むイメージがあったが、そんなに投げなかった?
「投げる意味がないじゃないですか。中日に行ったころ、30歳過ぎれば、先発する前のブルペンで投げる以外は、行かなかったりね」
--阪神(星野監督時代)ではブルペン担当だった。今回は投手兼バッテリーチーフコーチ。違いは?
「阪神の時はブルペンを預かって、ブルペンをしっかり見ていればよかった。今回はバッテリーとしての相手への攻め方も考えないといけないし、投手全体を見ないといけない。去年までずっと見ていた井上(ブルペン担当の投手コーチ)がいるから。彼の力は大きいし、(各投手の)性格とかいろんなことを聞きながら。まだすべて把握できていないからいろんな状況で、チームに迷惑をかけているかもしれないけどね。正直言って、去年見ていないからね」
--それにしても順調な滑り出しです
「今のところはそれなりの結果が出ている。でもまだ4月だから。4月でシーズンが終わるならいいけど。まだこれからですよ」
■にしもと・たかし
1956年6月27日、愛媛県松山市生まれ。松山商から74年ドラフト外で巨人入団。シュートを武器に81年には18勝をあげ、日本シリーズMVPと沢村賞を獲得。中日に移籍した89年は20勝で最多勝を獲得。93年にオリックス、94年に巨人に復帰し、同年限りで引退。通算165勝128敗17セーブ。2003年に阪神投手コーチ、今季からロッテの投手兼バッテリーチーフコーチに就任した。
<ロッテ>大嶺、楽天戦中止で安堵「仙台は気温が低い」
22日、2戦連続完投勝利中のロッテ・大嶺は先発予定だった楽天戦(Kスタ宮城)が雨で流れ、本拠地の千葉マリンに戻って23日のソフトバンク戦にスライド登板することになった。中止が決まった午後4時前には仙台市内の気温は4度を切っており、沖縄・石垣島出身の大嶺は「気温が低いのでけがをしないか、怖さがあった」と安堵(あんど)の表情。ソフトバンクは昨季3勝無敗、今季も7日に完封勝ちした得意の相手だけに「いつも通り、低めを意識し、腕を振っていく」と力を込めていた。
大嶺が23日スライド登板
ロッテは先発予定だった大嶺がスライドして23日に先発する。
相手のソフトバンクには7日に完封勝利を飾っており「前回同様、低めを意識して腕を振りたい」と気合十分。登板予定が変わり調整が難しいが「いつもどおり、自分の仕事をきっちりやるだけ」と気にする様子はなかった。
小野は登録抹消…代役は2軍戦視察で決定へ
ロッテの小野が左中臀(でん)筋挫傷のため出場選手登録を外れた。21日の楽天戦(郡山)で痛めたもので、西村監督は「3勝している投手だし、早く戻ってきてほしい」。
当面は野手1人を1軍昇格させるが、27日からの9連戦中に小野の代役となる先発1人を1軍昇格させる予定。23日は千葉マリンでのソフトバンク戦前にイースタン・リーグ巨人戦があり、同監督は「自分の目で見ておきたい」と自ら視察する。
ロッテ小野が左臀(でん)部痛で登録抹消
ロッテの小野晋吾投手(35)が22日、出場選手登録を外れた。21日の楽天戦に先発登板した際に左臀部(でんぶ)に張りを覚え、5回限りで降板していた。西村監督は「大したものではないが、抹消した方が本人も楽になると思った。3勝している投手だし、当然早く戻ってきてほしい」と軽症であることを強調した。
<ロッテ>小野が登録抹消…臀部痛めて全治10日〜2週間
ロッテの小野晋吾投手(35)が22日、登録抹消された。21日の楽天戦で先発し、臀(でん)部を痛め、仙台市内の病院で検査の結果、「左中臀筋挫傷」で全治10日〜2週間と診断された。西村監督は「患部の違和感が強くなっているため、ローテーションを1回飛ばす」と話した。
ロッテが小野の出場選手登録を抹消
ロッテは22日、小野晋吾投手の出場選手登録を抹消した。再登録は5月2日以降。
ロッテ小野は郡山で「けんけん3勝」
アクシデントにもロッテ投手陣はめげなかった。5人の継投で、楽天に二塁すら踏ませなかった。緊急事態が発覚したのは5回だった。2死まで取ったところで、先発小野晋吾投手(35)が異常を訴えた。左でん部の張り。寒さを考えると無理はできない状況だった。ベンチに1度下がり、治療している間に、急ピッチでマーフィーと伊藤が肩をつくった。
マウンドに戻った小野は横川を気力で三振に仕留めた。投げ終わりにバランスを崩し、右足でけんけんするほど。後はリリーフに託すしかなかった。「寒くていつもより肩ができるのが遅かった」と言いながらも伊藤はこの日、だれよりも速い149キロの速球で楽天の中軸を抑えた。8回をピシャリと封じた薮田も「緊急降板? だれかがダメでも助け合うのがチーム」と胸を張った。
まだ連敗を知らない4月初旬、開幕ダッシュに成功したチームを見ながら西本投手コーチは「いつかくる連敗をどう止めるか。そればかり考えている」と話していた。その真価が発揮されたのがこの日の試合。コンディションのいいリリーフ陣が、緊急事態も救った。守護神の小林宏は「ブルペンが一丸となっている。ぼくも言葉と行動で引っ張っていきたい」と一体感を口にした。今季初めての連敗を止めたのは、チームスローガンに掲げる投手陣の「和」だった。
<日本野球連盟>元ロッテ・柳田ら5人の競技者登録承認
日本野球連盟は22日、元ロッテの柳田将利外野手ら5人を日本野球機構傘下のプロ退団者として競技者登録を承認したと発表した。柳田は青森山田高のエースとして、春夏3回甲子園に出場。05年の高校生ドラフト1巡目でロッテ入りしたが、08年10月に戦力外通告を受けた。現在は、NOMOクラブ(大阪)に所属。外野手としてプレーする。
【鷲さん目線】
遠征続きの楽天には恵みの雨
1週間以上遠征が続いていた楽天のブラウン監督は「移動も厳しかったし、いろいろ選手と話もできたのでよかった」と雨による中止を前向きにとらえた。
練習では選手に直接トスを上げて指導するなど精力的に動いた。23日から始まる日本ハム3連戦に向け「1日休んで、いい流れでいけると思う。とにかく勝つことに集中したい」と話した。
【鷹さん目線】
【ソフトB】「どこでもドア」杉内消えた
ソフトバンク杉内俊哉投手(29)が23日のロッテ戦(千葉マリン)先発へ余裕を漂わせた。22日は福岡ヤフードームでキャッチボールなど軽めの練習。千葉への移動を前に「どこでもドアで行ってくるわ」と謎の発言? を残して引き揚げた。ハーラー単独トップの5勝目へ、力みはまったく感じられなかった。
ボク、トシやもん(=^T^=)
【気になる記事】
女子プロ野球開幕へ!燕・川端妹が気合
京都と兵庫の2球団が参加する日本女子プロ野球リーグは、23日に京都市のわかさスタジアム京都で行うナイターで開幕する。22日は雨のため京都が京都市内、兵庫は奈良・生駒市内の室内練習場で最終調整した。
京都は約3時間半の練習をノックやティー打撃に費やした。ヤクルトの川端慎吾内野手の妹、友紀内野手(20)は「2週間ほどひじを痛めていたが、何とか間に合ってよかった。チャンスで1本打つことが目標」と笑顔で語った。兵庫はシートノックや打撃練習を約2時間半。厚ケ瀬美姫内野手(19)は「楽しみで仕方がない。守備のスピードを見てほしい」と意気込んだ。
2チームは10月まで40試合を戦う。
首位・ロッテvs5位・楽天。ロッテはバレンタイン一派の一掃、楽天は野村カラーからの脱皮。チーム一新という共通したテーマを持って再生に取り組んだのに、明暗が分かれているのはなぜか。企業再生にも参考になるキーポイントは?
前体制を完全に一掃する徹底の仕方の差が、第一にあげられる。年俸5億円ももらっていたロッテ・バレンタイン前監督は延命を図ろうと、マスコミを使ってフロントを攻撃。球団側が千葉からの移転まで検討しているとの衝撃情報までリークして揺さぶりをかけたが、「たとえ日本一になってもバレンタイン監督の残留はない」と球団側は一歩も譲らなかった。
「赤字圧縮額、年間10億円」という明確な目標数字があることから、一切の妥協は許されない。ボビーマジック効果が薄れ、費用対効果のなくなった監督1人で年俸5億円、さらに数多くのスタッフの人件費など経費がかさむバレンタイン体制の完全崩壊を徹底したのがロッテ球団だ。
一方、楽天は野村前監督の勇退路線を敷きながら、ロッテのように「たとえ日本一になっても残留はない」という明確な方針を口にしなかった。だから「優勝して球団を困らせてやれ」と野村前監督は事あるごとに繰り返し、球団創設以来初のAクラス入りとなる2位になったことで攻勢に転じたのだ。「なぜ2位でクビなんだ。楽天はひどい球団や」と。これに対し、球団側は最悪の対応策をとっている。
「3年契約の名誉監督」という、信じられない身分保障だ。「名誉監督に契約期間があるのか」と、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督が驚いたというが、それが世間の常識だ。
2位になったのに解任したという世間体の悪さに後ろめたさがあるから、こんな非常識な待遇をしたとしか思えない。が、口封じが見え見えの名誉監督就任は最悪の策だ。野村カラーからの脱皮を打ち出していたのだから、功労金を支払ってでも縁を切るのが当然だろう。
後任監督、コーチ人事でもロッテと楽天は対極にある。ロッテはバレンタイン監督の下でコーチをしていた生え抜きの西村新監督を誕生させ、金森打撃、西本投手コーチと主要ポストのコーチを刷新している。
西村監督はチームを熟知しており、同時にバレンタイン監督の功罪を誰よりもわかっている。どう具体的にチーム再生をすればいいか、知り尽くしている。昨年までの日替わりオーダーから打線固定への変化は一例にすぎない。金森、西本新コーチコンビも新風を吹き込み、成功している。
楽天は広島で4年間、監督を務めたブラウン監督を起用した。「広島でBクラス続きの監督がなぜ2位のオレの後任なんや」と野村前監督は怒り爆発。「2位になったのに、なぜコーチ陣のクビまで切るんや」と野村派コーチの大量解雇にもクレームをつけている。
球団側からすれば、一番大事な投手担当の佐藤コーチは残留させ、後はブラウン監督の意向も入れてということなのだろう。が、野村前監督を苦肉の策で名誉監督に据え置いて、野村ファミリーのコーチを一掃しても主客転倒だ。明のロッテと暗の楽天−こうなるのは当然だ。
【気になるあの人あの話題】ロッテ・西本聖投手コーチ 投手再生の秘訣とは?
開幕から1カ月。ロッテが西村新監督の下、予想を覆し、パ・リーグ首位を快走している。チーム打率は12球団トップ、昨年リーグ5位だったチーム防御率もリーグ1位と飛躍的にアップ。その投手陣を今季から支えているのが、かつて巨人で活躍した西本聖投手コーチ(53)だ。低迷が続いていたロッテ投手陣をどう立て直したのか直撃した。
--去年は防御率がリーグ5位の4.23。それが今季は3点代の半ばでリーグトップ。西本コーチが就任して投手陣がよみがえった
「選手がそれぞれの立場で、やるべきことをしっかりやってくれている。それに尽きるよね」
--キャンプではどんな指導を
「渡辺俊介、薮田、川越というベテランから、若い大嶺、成瀬、唐川もみんな素直に話を聞いてくれた」
--どんな話を
「それぞれの投手に目標もある。成瀬は背番号(17)ぐらい勝ちたいというのはあるだろうし。渡辺俊介も昨年は3勝13敗だったけど、そんな投手ではない。小林宏は抑えになって、どうしなければいけないか。去年までは直球がシュート回転したり、抜ける球が多かったから、昨年4勝13敗だった。そういう球をなくせば、本来持っている力を発揮できる。いろんな話をした」
--若手も成長した
「唐川と大嶺もローテーションに入るためには、どうしたらいいか。大嶺はキャンプから球が高めに行っていたので、セットポジションで2年ぐらい投げていたのを、振りかぶらせるところから、もう1度やろうと」
--各選手に目的意識を持たせるということ
「自分の投げた球には責任を持たないとダメ。自分の目標のために、それが必要だと思ってやってくれている。僕らの役目は環境(を作ること)と手助けだから。自分で経験したことから、選手にはこういうのが必要だろうと意見を言いながら。話をして、その中でやってくれれば」
--昨年までのバレンタイン監督は、メジャー式で投手には投げ込ませなかったが、キャンプでは投げ込ませた
「去年までは15分以上投げてはいけなかった。(今年)大嶺なんて300球投げましたよ。力がないのが力をつけるには何をするかということでしょう。どうしたら制球がつくかといったら、やはり体にいかに覚えさせるか。力のないやつは、練習をやらないと、うまくなるわけがないし」
--メジャーでは肩、ひじは消耗品といって投げ込んでいないのに、田沢(レッドソックス)らは故障して手術した
「メジャーと一緒にしたらアカンわ。一般的にメジャーはこうだからと言っても、そこに行くまでの段階が大事。自分はキャンプではしっかり投げないといけないし、シーズンに入ったら投げ込むことはないという考えですから」
--西本コーチはシーズン中でも投げ込むイメージがあったが、そんなに投げなかった?
「投げる意味がないじゃないですか。中日に行ったころ、30歳過ぎれば、先発する前のブルペンで投げる以外は、行かなかったりね」
--阪神(星野監督時代)ではブルペン担当だった。今回は投手兼バッテリーチーフコーチ。違いは?
「阪神の時はブルペンを預かって、ブルペンをしっかり見ていればよかった。今回はバッテリーとしての相手への攻め方も考えないといけないし、投手全体を見ないといけない。去年までずっと見ていた井上(ブルペン担当の投手コーチ)がいるから。彼の力は大きいし、(各投手の)性格とかいろんなことを聞きながら。まだすべて把握できていないからいろんな状況で、チームに迷惑をかけているかもしれないけどね。正直言って、去年見ていないからね」
--それにしても順調な滑り出しです
「今のところはそれなりの結果が出ている。でもまだ4月だから。4月でシーズンが終わるならいいけど。まだこれからですよ」
■にしもと・たかし
1956年6月27日、愛媛県松山市生まれ。松山商から74年ドラフト外で巨人入団。シュートを武器に81年には18勝をあげ、日本シリーズMVPと沢村賞を獲得。中日に移籍した89年は20勝で最多勝を獲得。93年にオリックス、94年に巨人に復帰し、同年限りで引退。通算165勝128敗17セーブ。2003年に阪神投手コーチ、今季からロッテの投手兼バッテリーチーフコーチに就任した。
<ロッテ>大嶺、楽天戦中止で安堵「仙台は気温が低い」
22日、2戦連続完投勝利中のロッテ・大嶺は先発予定だった楽天戦(Kスタ宮城)が雨で流れ、本拠地の千葉マリンに戻って23日のソフトバンク戦にスライド登板することになった。中止が決まった午後4時前には仙台市内の気温は4度を切っており、沖縄・石垣島出身の大嶺は「気温が低いのでけがをしないか、怖さがあった」と安堵(あんど)の表情。ソフトバンクは昨季3勝無敗、今季も7日に完封勝ちした得意の相手だけに「いつも通り、低めを意識し、腕を振っていく」と力を込めていた。
大嶺が23日スライド登板
ロッテは先発予定だった大嶺がスライドして23日に先発する。
相手のソフトバンクには7日に完封勝利を飾っており「前回同様、低めを意識して腕を振りたい」と気合十分。登板予定が変わり調整が難しいが「いつもどおり、自分の仕事をきっちりやるだけ」と気にする様子はなかった。
小野は登録抹消…代役は2軍戦視察で決定へ
ロッテの小野が左中臀(でん)筋挫傷のため出場選手登録を外れた。21日の楽天戦(郡山)で痛めたもので、西村監督は「3勝している投手だし、早く戻ってきてほしい」。
当面は野手1人を1軍昇格させるが、27日からの9連戦中に小野の代役となる先発1人を1軍昇格させる予定。23日は千葉マリンでのソフトバンク戦前にイースタン・リーグ巨人戦があり、同監督は「自分の目で見ておきたい」と自ら視察する。
ロッテ小野が左臀(でん)部痛で登録抹消
ロッテの小野晋吾投手(35)が22日、出場選手登録を外れた。21日の楽天戦に先発登板した際に左臀部(でんぶ)に張りを覚え、5回限りで降板していた。西村監督は「大したものではないが、抹消した方が本人も楽になると思った。3勝している投手だし、当然早く戻ってきてほしい」と軽症であることを強調した。
<ロッテ>小野が登録抹消…臀部痛めて全治10日〜2週間
ロッテの小野晋吾投手(35)が22日、登録抹消された。21日の楽天戦で先発し、臀(でん)部を痛め、仙台市内の病院で検査の結果、「左中臀筋挫傷」で全治10日〜2週間と診断された。西村監督は「患部の違和感が強くなっているため、ローテーションを1回飛ばす」と話した。
ロッテが小野の出場選手登録を抹消
ロッテは22日、小野晋吾投手の出場選手登録を抹消した。再登録は5月2日以降。
ロッテ小野は郡山で「けんけん3勝」
アクシデントにもロッテ投手陣はめげなかった。5人の継投で、楽天に二塁すら踏ませなかった。緊急事態が発覚したのは5回だった。2死まで取ったところで、先発小野晋吾投手(35)が異常を訴えた。左でん部の張り。寒さを考えると無理はできない状況だった。ベンチに1度下がり、治療している間に、急ピッチでマーフィーと伊藤が肩をつくった。
マウンドに戻った小野は横川を気力で三振に仕留めた。投げ終わりにバランスを崩し、右足でけんけんするほど。後はリリーフに託すしかなかった。「寒くていつもより肩ができるのが遅かった」と言いながらも伊藤はこの日、だれよりも速い149キロの速球で楽天の中軸を抑えた。8回をピシャリと封じた薮田も「緊急降板? だれかがダメでも助け合うのがチーム」と胸を張った。
まだ連敗を知らない4月初旬、開幕ダッシュに成功したチームを見ながら西本投手コーチは「いつかくる連敗をどう止めるか。そればかり考えている」と話していた。その真価が発揮されたのがこの日の試合。コンディションのいいリリーフ陣が、緊急事態も救った。守護神の小林宏は「ブルペンが一丸となっている。ぼくも言葉と行動で引っ張っていきたい」と一体感を口にした。今季初めての連敗を止めたのは、チームスローガンに掲げる投手陣の「和」だった。
<日本野球連盟>元ロッテ・柳田ら5人の競技者登録承認
日本野球連盟は22日、元ロッテの柳田将利外野手ら5人を日本野球機構傘下のプロ退団者として競技者登録を承認したと発表した。柳田は青森山田高のエースとして、春夏3回甲子園に出場。05年の高校生ドラフト1巡目でロッテ入りしたが、08年10月に戦力外通告を受けた。現在は、NOMOクラブ(大阪)に所属。外野手としてプレーする。
【鷲さん目線】
遠征続きの楽天には恵みの雨
1週間以上遠征が続いていた楽天のブラウン監督は「移動も厳しかったし、いろいろ選手と話もできたのでよかった」と雨による中止を前向きにとらえた。
練習では選手に直接トスを上げて指導するなど精力的に動いた。23日から始まる日本ハム3連戦に向け「1日休んで、いい流れでいけると思う。とにかく勝つことに集中したい」と話した。
【鷹さん目線】
【ソフトB】「どこでもドア」杉内消えた
ソフトバンク杉内俊哉投手(29)が23日のロッテ戦(千葉マリン)先発へ余裕を漂わせた。22日は福岡ヤフードームでキャッチボールなど軽めの練習。千葉への移動を前に「どこでもドアで行ってくるわ」と謎の発言? を残して引き揚げた。ハーラー単独トップの5勝目へ、力みはまったく感じられなかった。
ボク、トシやもん(=^T^=)
【気になる記事】
女子プロ野球開幕へ!燕・川端妹が気合
京都と兵庫の2球団が参加する日本女子プロ野球リーグは、23日に京都市のわかさスタジアム京都で行うナイターで開幕する。22日は雨のため京都が京都市内、兵庫は奈良・生駒市内の室内練習場で最終調整した。
京都は約3時間半の練習をノックやティー打撃に費やした。ヤクルトの川端慎吾内野手の妹、友紀内野手(20)は「2週間ほどひじを痛めていたが、何とか間に合ってよかった。チャンスで1本打つことが目標」と笑顔で語った。兵庫はシートノックや打撃練習を約2時間半。厚ケ瀬美姫内野手(19)は「楽しみで仕方がない。守備のスピードを見てほしい」と意気込んだ。
2チームは10月まで40試合を戦う。
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