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拾い読み★2015-231≪コラム記事≫

2015年08月19日 23時56分17秒 | マリーンズ2011~15
【千葉魂】 西野クローザーとして生きる 先輩、仲間と喜び分かち合う

 心と心が通じ合っていた。7月24日、杜の都、仙台での楽天戦。最後の打者を見逃し三振に仕留めた。魂のこもったウイニングボールを手に取ると、受け取るべき主に返した。西野勇士投手はホッとした表情を見せた。先発投手にウイニングボールを渡す瞬間。それがストッパーにとって最良の時だ。ましてや涌井秀章投手のプロ通算100勝が、かかったゲーム。八回途中で右足がつり、無念の降板となったエースはブルペンに足を運び、「ゴメン。後は任せた。頼む」と西野に頭を下げた。意気に感じないわけがなかった。エースの魂と共にマウンドに上がった。

 「あの時は『任せたよ』と言われて、やらないといけないと強く気持ちが高ぶりました。気が引き締まる思いでマウンドに上がりました。ああいう風に言ってくれるのは、うれしかったし、その期待に応えられてよかった」

 涌井がブルペンで出番を待つ西野に声を掛けたのはこれが初めてではない。3月28日のホークスとの開幕戦(ヤフオクD)では、フラフラになりながら、後は託すようにブルペンに現れた。その他の試合でも要所要所でブルペンに姿を現し、最後のマウンドに向かう若き守護神に声を掛け、後押しするシーンがあった。

 「いつも気にかけてもらっている感じがします。涌井さんも西武時代にクローザーをやっていたこともあるので、気持ちを分かってくれている。よく試合後に『今日はどうだった?』とか優しく声を掛けていただいている」

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 ストッパー2年目。24歳の若きクローザーにとって、実績十分のエースのアドバイスは大きい。そんなに口数の多いタイプではない涌井だが、タイミングを見て声を掛ける。後輩の気持ちを最優先に考えながら、静かに話し掛けてくる。それがまた絶妙だ。

 ある日の試合後のロッカールーム。涌井がニヤリと笑いながら近づいてきた。「しっかり三人で抑えないとダメだぞ」などとちょっと皮肉を言った後、真顔になる。「ちょっとフォームが崩れていたね。だから、ああなってしまったのかもね」。その一言が西野をハッとさせる。貴重なアドバイスの数々に、いつも助けられている。

 「自分はまだ抑えの実績は2年目で調整法から気持ちの入れ方まで我流のところがある。そんな中でいろいろな人のアドバイスは本当に助かる。選択肢が増えるし、修正がしやすくなった。涌井さんはいつもボソッとアドバイスをしてくれる。いつも、ちょっとした雑談から入って、その後、本題に入る。その流れがとても自然で、構えないで聞くことができる。気を使っていただいているのを感じるから、ありがたい」

 ストッパーはチームの勝利のすべてを背負ってマウンドに上がる。先発の思い。ファンの思い。首脳陣の期待。彼の一つのミスが勝敗を分ける。運命を変える。その緊迫感、プレッシャーはその場面でマウンドに上がったことのある人間にしか分からない。その負担を、身をもって知る涌井は、だから誰よりも気に留める。機会を見ては声を掛けるようにしている。その配慮は優しさに包まれている。

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 西野はいつも表情一つ変えず、マウンドに上がり、最後を締めても派手なガッツポーズをとることはしない。涼しげに勝利のハイタッチを繰り返し、ウイニングボールを勝ち投手に渡す。表情が緩まるのはその時ぐらい。その姿がまたどこか涌井と似ている。

 「確かに派手なガッツポーズはしたことがないですね。言われてみれば、昨年の日米野球でノーヒットノーランリレーをした時もしなかった。これから先、ありますかね?派手なガッツポーズをすること。それは自分には分からないです」

 ペナントレースは佳境に突入した。肉体的な疲労は日に日に増す。精神的負担で心をすり減らす日々は続く。その中で日本一になるためにきょうもブルペンに向う。エース涌井が引っ張るマリーンズ投手陣にあって、その最後のマウンドを締める。これから先、誰も見たことがないような全身全霊のガッツポーズが自然と飛び出す瞬間が来ることを信じている。自身すら、想像していないような歓喜の時。いつも励まし、一緒に戦う先輩たち、仲間たち全員と喜びを分かち合うためなら、疲れなど感じない。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

(千葉日報)






兄弟骨肉争いのロッテHD あるのか球団売却 オーナー代行の次男が経営主導

 創業者一族による経営権争いで揺れるロッテグループで、日本の中核企業であるロッテホールディングス(HD)の臨時株主総会が17日、都内で開催。創業者の重光武雄氏(92)の次男で副会長の昭夫氏(60)が経営を主導していくことが確認された。

 今年1月にロッテHDの副会長を解任された長男・宏之氏(61)が巻き返しを図り、これを武雄氏が支持するなど骨肉の争いを展開しているが、ロッテ球団の売却問題への波及も考えられ、球界関係者も注視している。

 創業者の武雄氏に対し、ロッテ球団オーナーとして過去に何度かストーブリーグでの取材をしたことがある。強烈な印象が残っているのは1969年、球団の冠スポンサー的立場だったロッテが、経営に直接乗り出さざるを得なくなった時のことだ。

 「中村長芳さん(元岸信介首相秘書)から、スポンサーとしてお金を出してくれれば球団名にロッテを付け、大きな宣伝になる。球団経営は私がやるので何の心配はないと言われた。それなのに、新しい球団(西鉄ライオンズを買収した太平洋クラブライオンズ)のオーナーになってしまった。野球を全く知らない素人の私は、どうすればいいのか」

 深刻な表情でこう告白する姿を今でも生々しく思い起こす。そんな経緯から武雄氏は74年1月1日付でロッテ球団オーナーに就任したが、その後の1986年に、日本球界初の3度の三冠王に輝いた主砲・落合博満(現中日GM)を巡り巨人、中日が大争奪戦を展開した際にも、たびたび夜討ち取材を敢行した。

 武雄オーナーは午後11時過ぎに車を自ら運転して帰宅していたが、一度車庫に車を入れてから玄関前に出てきて「今日は何の取材ですか?」と丁寧に対応してくれた。

 球団身売りという深刻な問題に、ぶしつけな質問をしたこともあるが、嫌な顔ひとつせずに答えてくれたこともある。

 92歳で現職の球団オーナーである父、球団オーナー代行を務める60歳の次男の2人が、球団経営にどんな結論を出すのか。 (江尻良文)

(夕刊フジ)
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