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拾い読み★2016-354≪コラム記事≫

2016年12月19日 20時28分56秒 | マリーンズ2016

黒田、三浦、サブローら……2016シーズンで現役を引退した選手たち

偉大な記録を残し、いくつもの記憶をファンの胸に焼きつけた……今季で現役生活にピリオドを打った選手たちを紹介する。

日米を席巻した黒田、横浜一筋の三浦らが現役に別れ

 まずは投手から見てみよう。生涯成績は以下の通りだ。

◆今季で現役を引退した主な投手
*1 黒田の成績は日米通算
*2 ()内は最終在籍球団

黒田博樹(広島)533試合 203勝184敗 防御率3.51
三浦大輔(DeNA)535試合 172勝184敗 防御率3.60
福原忍(阪神)595試合 83勝104敗 防御率3.49
新垣渚(ヤクルト)172試合 64勝64敗 防御率3.99
武田勝(日本ハム)244試合 82勝61敗 防御率3.02
小松聖(オリックス)159試合 25勝26敗 防御率4.38

 96年ドラフト2位で広島に入団し、07年オフにメジャー移籍するまでの11年間で6度の2ケタ勝利を達成した黒田博樹。08年のロサンゼルス・ドジャース1年目は9勝10敗。ニューヨーク・ヤンキースに移籍した1年目の12年には16勝11敗という好成績を挙げ、メジャー通算成績は79勝79敗の5分だ。

 昨季、8年ぶりに広島東洋カープに復帰。海を渡る前は速球を武器にしていた男が、ツーシームという球種を操るようになった。左打者の内角ボールゾーンからストライクゾーンへシュートする「フロントドア」と呼ばれる技法でファンを魅了。また、左打者の外角ボールゾーンからストライクゾーンへスライダーを投げ込む「バックドア」も駆使した。

 古巣復帰1年目は11勝8敗、防御率2.55という好結果を残した。
 今季も10勝8敗、防御率3.09で、チームの25年ぶりリーグ制覇に貢献。今季限りでの引退をファンは惜しんだ。マツダスタジアムでの優勝報告会ではチームメイトから胴上げされると、その後マウンドへ。背番号15は「クロダコール」を一身に浴び、万感の思いに浸っていた。

 黒田の1学年上の三浦大輔は、91年ドラフト6位で横浜大洋ホエールズに入団。横浜一筋25年間の通算成績は172勝184敗。Bクラスの常連だったチームを支え続け、05年には最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得している。

 チームとして唯一頂点に立ったのが98年。18年前の日本一を知る最後の選手だった三浦の引退登板は、雨の中、6回1/3を投げて10失点という結果だった。それでも、最後の横浜スタジアムのマウンドで全力投球を貫いた三浦。“ハマの番長”は最後まで打たれ強かった。

 タテジマのユニフォームを18年間着続けた男がいる。阪神タイガースの中継ぎエース福原忍だ。14、15年と2年連続で最優秀中継ぎ投手に輝き、昨季まで5年連続で50試合に登板したタフネス右腕は、引退試合となった10月1日の読売ジャイアンツ戦で甲子園のファンに別れを告げた。

 甲子園が最後の登板になったのは福原だけではない。11月12日に行われた12球団合同トライアウト(甲子園)が新垣渚の現役最後のマウンドとなった。

 02年に自由獲得枠で福岡ダイエーホークスに入団し、速球とスライダーを武器に04年には奪三振王に輝いた。14年途中には東京ヤクルトスワローズに移籍したが、新天地での3年間でわずか4勝しか挙げられずに今オフ戦力外通告。トライアウト後、希望していたNPB球団からのオファーは届かなかった。98年、夏の甲子園で151キロを記録した沖縄の星は、かつて輝いた場所で静かにユニフォームを脱いだ。

 チームメイトに「俺のために優勝しろ」というメッセージを残し、現役を退いた武田勝。北海道日本ハムファイターズに11年間在籍し、通算82勝を挙げた。入団1年目の06年は日本シリーズ第3戦に登板して勝利投手に。日本一に貢献した。09年から4年連続での2ケタ勝利は、左腕投手では球団史上初という記録だ。来季は独立リーグ「ルートインBCリーグ」石川ミリオンスターズの総合コーチとして指導することが決まっている。

 2年目の08年、15勝(3敗)を挙げて新人王を獲得した小松聖も現役を引退。オリックス・バファローズで10年間プレーしたが、この年の成績が小松のキャリアハイとなってしまった。翌09年にはWBCの日本代表にも選ばれ、順調なプロ生活を歩むかと思えたが苦戦。13年から4年連続で1軍未勝利に終わった。お立ち台での雄叫びで人気を博した男が、現役生活に別れを告げた。

ロッテファンに愛されたサブロー、通算228盗塁の鈴木も引退

 続いて野手に目を向けてみよう。生涯成績は以下の通りだ。

◆今季で現役を引退した主な野手
* ()内は最終在籍球団

サブロー(ロッテ)1782試合 打率.265 127本塁打 655打点
鈴木尚広(巨人)1130試合 打率.265 10本塁打 75打点
廣瀬純(広島)978試合 打率.273 51本塁打 253打点
倉義和(広島)719試合 打率.217 23本塁打 126打点
栗原健太(楽天)1026試合 打率.293 153本塁打 586打点
牧田明久(楽天)691試合 打率.253 23本塁打 150打点
森岡良介(ヤクルト)557試合 打率.241 7本塁打 97打点
鶴岡一成(阪神)719試合 打率.235 18本塁打 140打点
多村仁志(中日)1342試合 打率.281 195本塁打 643打点

 PL学園高から94年ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団したサブローは、2度の日本一(05、10年)に貢献。特に05年は「つなぎの4番」として活躍。10年は3位から“史上最大の下剋上”へと導いた。11年途中に巨人へ移籍するも、FA権を行使して翌12年にはロッテに復帰。チームへの愛着は大きかったといえる。

 ウグイス嬢によって語尾を伸ばす「サブロー」のアナウンスは、球場の名物だった。9月25日の引退試合(QVCマリン)には3万113人が来場し、「4番・ライト、サブロー」のコールを受けて現役最終打席へ。結果は右中間への二塁打となった。多くのファンに愛され、千葉を去った背番号3。またいつか、ロッテのユニフォームを着る日が来るかもしれない。


 試合の終盤、ここぞという場面で塁上に現れるのが鈴木尚広だった。「代走のスペシャリスト」として、通算228盗塁を記録。200盗塁以上を記録した選手の中で盗塁成功率.829は歴代トップの成績だ。巨人での20年間で通算1130試合に出場。試合の限られた時間の中で己の役割を貫いた。

 現役最後のプレーとなったのが、10月10日のDeNAとのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第3戦(東京ドーム)。同点の9回の場面、内野安打で出塁した村田修一の代走で出場するも牽制タッチアウト。サヨナラにつなげることができずに終わった。

 それでも、鈴木が残した功績が色あせることはない。役者が揃う巨人の中にあって、脇役として存在感を放った男は、偉大な記録を残してグラウンドを去った。

 万年Bクラスだった時代の広島を支えたのが、廣瀬純と倉義和、栗原健太の3人だ。10年には135試合に出場し、打率.309を記録したこともある廣瀬だったが、昨季は1軍出場ゼロ、今季は1試合と、優勝に貢献することができなかった。倉も昨季はわずか1試合の出場のみで、今季も唯一の1軍出場となるはずだった引退試合が雨天中止という結果に終わってしまった。

 00年から16年間広島でプレーし、15年オフに自由契約となって東北楽天ゴールデンイーグルス入りした栗原健太も現役引退。通算打率は.293、1082本の安打を記録した。06年から4年連続で20本塁打以上をマークし、4番を務めた実績もある。しかし、新天地で輝きを取り戻すことができなかった。

 野手ではその他、05年の楽天創設時の最後の一人となっていた牧田明久、ヤクルトで選手会長も務めた森岡良介、阪神の他、DeNAや巨人にも在籍した鶴岡一成、横浜やソフトバンクなどでプレーした多村仁志らが現役を引退した。

 華々しく引退した選手もいれば、ここで紹介しきれなかった選手のように静かにユニフォームを脱いだ選手もいる。彼らは皆それぞれの思いを胸に、次なるステージへと向かう。

(ベースボールチャンネル)


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来年もいてもらわないと困る― 渡辺俊介が社会人チームに与えたインパクト

社会人チーム「新日鐵住金かずさマジック」に加わった渡辺俊介というスパイス

 多くの子供たちの笑顔があふれていた。千葉県、君津市の新日鐵住金君津球場。かずさマジックがおこなった野球教室。その場所には未来の、将来のプロ野球選手がまちがいなくいた。

 年末、まもなく紅白歌合戦もおこなわれる。球界ではカープ鈴木誠也を形容する「神ってる」がなんと、流行語大賞にも選出された。そんな年の瀬、千葉県君津市でおこなわれた野球教室。16年夏の都市対抗野球にも進出した、かずさマジックは地域との交流に力を入れている。

 まず驚いたのは、球場のすばらしさ。「これが社会人のチームのものか……」と思うほどのもの。両翼95メートル、バックネット裏にはすばらしいスタンドがそびえ立つ。

 球場の壁面の色はマジック・カラーのブルー。「これは選手が全部ペンキで塗ったんですよ」。投手用ブルペンなども選手が土を積み上げた。すべてが手作りの自前のボールパークなのだ。

 マジックには元千葉ロッテマリーンズの渡辺俊介が在籍する。だがプロ・アマ規定の関係などあり、この日は指導ができなかった。しかし、すべての選手が丁寧な指導をおこない、子供たちは必死にボールを追いかけていた。

チームに与えたインパクトとは…

 キャッチボール、守備練習、ティー打撃。そして最後に、マジックの選手によるロングティー打撃。スタンドにポンポン打球を放り込む姿に、拍手が巻き起こった。しかもそのボールは公式球ではなく、子供たちが使用するのと同じ軟式球。社会人チームとはいえ、レベルの違いが垣間見えた。13年、社会人日本選手権優勝。その実力をみせつけてくれたようだった。

 かつて自身も社会人時代にプレーし現在は兼任コーチとして在籍する渡辺俊介。彼がチームに与えたインパクトも大きい。

「身体のうまい使い方を選手に指導してくれています。今の自分の身体をうまく使うことですね」と内藤幸司コーチ。

「食事とかを含めて、とにかく準備の重要性を教わりました」とはファイターズにドラフト8位で指名された玉井大翔。

「イエスマンではなく、誰もが考えることをさせてくれた。答えを与えるのではなく、考えることを」と鈴木秀範監督。

鈴木監督「来年もいてもらわないと困る」

 鈴木監督は続ける。

「来年、俊介がプレーをするかは僕もわかりません。でも必ず、ここの場所にいます。というか、いてもらわないと困ります。彼の存在はチームにとって本当に大きい。若い選手に、いろいろなものを受け取ってもらわないと」

 野球教室、多くの若手選手たちが子供たちに一生懸命指導をおこなっていた。教えることで自分に身に付くこともきっと多いのだろう。

 社会人野球、厳しい環境だろう。だが、かずさマジックとは、とても先が明るいチームに感じた。

 残念ながら、16年の日本選手権は予選で敗退した。しかし、房総から日本全国へ、千葉の風が吹くのはすぐ近いのではないだろうか。そして、ここからマジック、そしてNPB、MLBで大きなホームラン、剛速球を投げる選手が出て来るはずだ。


山岡則夫●文 text by Norio Yamaoka
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。 Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

(Full-Count)


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