国際情勢について考えよう

日常生活に関係ないようで、実はかなり関係ある国際政治・経済の動きについて考えます。

潘基文氏の苦悩

2006-10-17 | 国際社会

インターネットの世界というのは匿名性が高いせいか、通常では考えられない誹謗中傷が横行することがあり、ちょっとびっくりしてしまうことがあります。とくに、国際情勢を扱う日本のサイトやブログでは、アジアの近隣国に対して、その政府と一般市民を区別することなく、一般的な言い方で中傷する記事も散見され、とても悲しくなります。ここでこうしたことを書くこと自体、何らかの非難の応酬を招く恐れもあるのでもうやめますが、私としては、一部のブログ等にこうした無節操な傾向があることを、ただとても悲しく思うということだけを述べておきたいと思います。

ふだんから、こうしたネット上の傾向に少し敏感になっているところがあるので、あるサイトの標題に、「潘基文外相を一日も早く解任せよ」とあるのを見たときは、ギョッとしてしまいました。しかし、よく確認すると、これはある韓国の新聞の社説の標題であり、また内容をよく読むと、その中身はまったくもってその通りというものでした(社説本文)。しかし、過激な標題です。「辞任を承認せよ」とか、そういうふうにはできなかったのでしょうか。注目を集めるためのテクニックだったのでしょうか。どうでもいいですが・・・。

かくして、国連事務総長というのは、高度の政治的中立性を求められるため、クオリティの高い仕事をすればするほど、多くの国から褒め称えられると同時に、多くの国から批判される宿命にあります。かつて、二代目の事務総長ダグ・ハマーショルド氏は、ある議場でいくつかの大国から公衆の面前で罵倒されたとき、顔を紅潮させながら沈黙を守り、あとで側近に、「これが仕事を達成した証しだ」と告白したことがあったそうです。本当に大変な仕事です。とても、私には務まりそうもありません。誰も私にやれとは言っていませんが。


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