天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

はじめてのお能鑑賞

2013年02月24日 | 能狂言
今日(2/24)大阪能楽会館で催された「こどもとたのしむ能狂言 能の巻」を観に行ってきました。
自由席でしたので開場30分前に会場につきましたら、一組の家族の方が待っておられるだけ。
ちょっとすると、大人の若い方、年配の女性などなど、30人くらいの列になりました。
大人1人の鑑賞はどないやねんと思っていたので安心しました。
9時半開場予定でしたが外も寒かったせいか、9時20分に開けてくださいました。

先月、茂山家のお米とお豆腐の会を観たばかりなので、どこが良く見えるかわかっておりました。
それで、真正面ブロックのいちばん右側に座りました。
今回は目付け柱?があるので真正面だと橋掛りが見えないのでした。

おこさまのためのお能の会ですので、おこさままみれ。
でもみなさんお行儀が良い。さすがです。

9時開演

ご挨拶とお能の歴史を軽く大西礼久さんがされたあと、「謡に挑戦」ということで、「高砂」の一節が書かれた紙を手に立花香寿子さんご指導でみんなで謡います。
ピンポンパンのお姉さんみたいな立花香寿子さん。
「みなさん、おはようございます。」といわれると、会場のおこさまたちも元気な声で「おはよーございますっ!」と。なんてお行儀がいいんだろう。気持ちよかったです。

「高砂」って、時代劇で祝言のときに「たかさごやこのうらぶねにほをあげ~て~」なんてよく聞きますが、実際なんのことだかわかっていなかったんです。
なにやら、高砂(兵庫県)と住吉(大阪府)の松が根がつながっている相生の松を見るとかなんとかで船旅をしている様子を謡っているとか。とりあえず松がつながっているから結婚式で謡われるとか説明されていたかと思うのですが、ちょっとあやふや。

それで、このピンポンパンのお姉さん、説明のときは本当に声が高いのに、「高砂」を謡われると何とも低くてかっこいい声なんです。後ろから「おおおおおっ~。」って声がしました。
そして拍手~。すごいすごい。女性の方もいらっしゃるんですね。知りませんでした。

2回ほどお姉さんについて謡ったあと、実際お囃子の方が舞台に出てこられ、本番。
曲は続いて、舞もありました。

能面体験の抽選のあと、おこさまたちの準備の間、荒木健作さんによるお囃子説明。
能管は竹でできていて、いぶして作られている。今お使いなのは300年前のものだとか。
小鼓は1年以内の馬の革でできている、胴は桜の木。左手の紐を握っていくと高い音になると、ぽんぽんぽんぽん…と徐々に音が変わっていきました。面白い。
大鼓は演奏前に乾燥させて使う。素手でたたくと痛く怪我をするので指は和紙で、手のひらは革でガード。
太鼓は牛の革でできていて、中心の4センチくらいの革の部分だけを打つ。マタエモン台という台に載せて使う。マタエモンさんが作ったからそういう名前だとか。人の形になっていて面白かったです。

太鼓 大鼓 小鼓 笛 謡 の順番に並ばれる。雛人形の五人囃子もこの順番で並べてくださいとのことでした。へぇ~。

そのあと、能面体験のおこさまたちが順次舞台へ。すりあしの手ほどきを受けたらしくぎこちない歩き。
面のほうが顔より大きいおこさまも居てかわいらしかったです。

10分休憩

能楽鑑賞「安達原」
里女 鬼女 梅若基徳
山伏祐慶  福王知登
共山伏   喜多雅人
能力    善竹隆平

10分ほど大西礼久さんの解説の後、始まりました。
「般若といえば『桃太郎侍』かと思いますが、般若は女性なんですね。」という説明に笑ってしまいました。多分ほとんどの親御さん、「桃太郎侍」見てない世代かと思います。

まずは橋掛りからお囃子さんがすり足で登場、その後地謡さん6人が登場。先ほどの立花香寿子さんもいらっしゃいました。
そして後見さんが橋掛かりから大きな四角い箱みたいなものを静々と舞台中央に置かれ、そして始まり始まり。

いきなり「ぴよよよよーきゃぁーーーっ」という能管が開始の合図?
「いよぉぉぉ~」ぽんっ!カンっ!とお囃子が。すごいすごい。ナマナマナマ!
それだけでさぶいぼものでした。

橋掛りから山伏さん二人登場。普通の人間は面をつけないそうで。「私は旅の阿闍梨。日が暮れたけど宿がなく探している。」みたいなことを謡っておられました、というより終始台詞は謡ってはるんですね。
知りませんでした。
中央の箱は何かと思っていたら里女が中に入っていました。庵だったんですね。
糸車は何かと山伏。里女は糸車を回しながらなんか無常を謡ってます(たぶん)。
山伏が泊めてくれ、里女はええけど中見たらあきませんで。と橋掛りで一度振り返ってから、出て行きました。

まどろむ山伏。まどろむといっても座って、左手をまげて、目をつぶっているだけ。
橋掛りに座っていた能力が庵が気になって仕方がない。
中を見ようとすると山伏が起きて「こら、見るな、近くで寝なさい。」と。
なんどか問答をしているうちに山伏が寝入ってしまい、能力は中を見ると、軒の高さまで人の骨があるとビックリ。代わりの宿をさがしてまいりますと退場。

その間が間狂言というみたいです。(たぶん)全くの狂言師さんだけで話が進むのかなと思いきや、能の方とからむんですね。台詞まわしが違って面白かったです。
善竹隆平さん、ええ声してはりました。狂言観にいきたいな。

般若の面に白い髪、三角の模様の着物の鬼女が登場。
うわっ、桃太郎侍みたい!(←やっぱり思った私)
「見たなあ。」

さてここから楽しみにしていました、山伏が数珠をじゃらじゃらじゃらじゃらとするところ。
地謡さんがお経みたいな四文字熟語謡ってはる中、山伏が鬼女を追い詰めます。
橋掛りまできて、また本舞台へ戻ってきてと。
お囃子は太鼓も加わってとっても派手。地謡さんもお経ちっくで派手。そして山伏のじゃらじゃらじゃらじゃらの音に、鬼女の凄み。うおーーーー、楽しい。

鬼女はお経で弱ったのか去っていき、山伏も去っていき。
すると、お囃子さんが椅子をたたんだりして橋掛りから退場、地謡さんたちは切戸口から退場。
いつのまにか終わっておりました。

12時20分終演。

■□■

おこさま向けの会だったので端折って演じられるのかと思ってましたがそうでもなさそうでした。
1時間たっぷり堪能。
お能ってすごい。
お話は歌舞伎の「黒塚」が好きなので知っていました。
狂言も何度か観ていてなんとなくどういう風に観るのかわかっているつもりでしたが、やっぱりお能は違いますね。
やっぱり狂言のように、まず「私は何某で何々してます。」とうい説明から入って、状況は観客の想像にゆだねていました。
違いは台詞がみんな謡ってはるんですね。そしてお囃子の伴奏付き。地謡さんは歌舞伎でいう義太夫もののような感じで状況と人物の気持ちとかを謡ってるようでした。
そして、面をつけていて狂言よりもお衣装が豪華でした。
おそらくいきなりこれを観てもサッパリだったと思います。歌舞伎と狂言を観ていたから面白かったと思えたんだと。

いやあ、有意義なはじめてのお能鑑賞でございました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2/10松竹座 二月花形歌舞伎... | トップ | 3/10 「30th Anniversary 杉... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

能狂言」カテゴリの最新記事