天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

第一回味方團能の会

2013年03月17日 | 能狂言
今日(3/17)京都観世会館で催された味方團(みかたまどか)さんの能の会に行ってきました。

2階の自由席でしたので、開場の40分前くらいに会場に着くと3番目でした。

正午開場、入り口でパンフをいただくとお着物姿の女性とそのお子さんらしき男の子が「いらっしゃいませ。」かわいいなあと思いつつ急いで階段を駆け上がり、2階席へ。
歌舞伎の2階席と違ってかなり近かったです。
最前列の中央に席をとり、喫茶コーナー(?)で800円のカレーライスを食べ、パンフを見ているとさっきの男の子くんは味方團さんの息子さん慧(さとる)くんとわかりました。
そして今回、仕舞「猩々」で初舞台とのこと。

午後一時、開演

仕舞「箙(えびら)」味方玄

仕舞(しまい)って舞?なんですね。地謡さんが5名ほど。まったくわかりませんでしたが、普段歌舞伎で見てる踊りと違ってかっこいいと思いました。

仕舞「船弁慶」キリ 林宗一郎

キリってなんぞやと思いましたが多分おしまいの部分のことかなと思いました。
何でかと言うと、知盛の霊が出てくるところからだったからです。薙刀持ってでんっと飛び上がったりしてこれまたかっこよかったです。

仕舞「猩々(しょうじょう)」味方慧

さきほどの味方慧くんがてけてけてけと切戸口から登場。多分おじいさん?に「こっち向いて」みたいにされて謡が始まると、大きな扇を持っててけてけてけと。
思わずあたたかい笑いがおきていました。
酔っ払ってふらついているのか、よたよたなのかわからないかわいらしさがありました。
お酒を飲むしぐさもかわいかったなあ。ものすごく扇が大きくて。

舞囃子「熊野(ゆや)」村雨留 林 喜右衛門

舞囃子って演目のクライマックス部分を舞う形式のようでしたが、あまりにもお囃子さんと地謡さんが心地よかったもんですから、うとうと…。桜の扇が綺麗でした。ごめんなさい…。

小舞「海人(あま)」茂山良暢

小舞(こまい)って狂言の方が舞う舞のことなんですね。
後ろにずらっと狂言師の方々4名紋付袴で並ばれて、謡いが始まると扇を持った茂山良暢さんの舞が始まりました。地謡の1人に逸平さんが
これまで気がつかなかったんですが、能の謡と狂言の謡って違うんですね。狂言のほうがハキハキしている感じがしました。もちろん流派によって違うかもしれませんが。

一調「弱法師(よろぼし?)」味方健

一調(いっちょう)ってなんぞやと思っていましたら、小鼓さんと謡さんが舞台に。
これまた気持ちよく、うとうとうと…。すみません。

狂言「蜂」野村又三郎

演者1人、後見1人の狂言でした。
「このあたりに住まいする又三郎というものでござる。」でちょっと笑いが。本人が本人って。
清水さんでお花見をして宴会している中に紛れ込んだり、自身のお酒を木にやったり、酔っ払って寝てしまうと「ぷーーーーーん。ばちっ。」とさされてしまう。と春らしい一曲でした。

休憩20分(2時10分~2時30分)

能「道成寺」赤頭

味方團 福王和幸 喜多雅人 中村宣成
茂山千五郎 茂山七五三

さてさて、お待ちかね道成寺、地謡さん8人、お囃子さんに後見さん、鐘後見さんに演者さん含め、約20名ぐらいが舞台に。2階席から見ると圧巻でした。
しかもみなさん裃長袴姿。こんなに大勢が長袴って時代劇の殿中の場面でしかないので生で見れて嬉しかったです。
さらに橋掛かりから逸平さんや島田さん含む狂言後見の4名が太い棒にささった釣鐘を舞台中央に持ってきて、二本の棒で島田さんが釣鐘の紐?縄?を天井に上げて、逸平さんが天井のわっか(多分?)に引っ掛けて通し、そして鐘後見の方に渡されると出て行かれました。

笛が「ぴよよよおよよ、ぴいいいいいいいっ!」と鳴って始まり始まり。

「それがしは紀州道成寺の僧侶で候。新しく鐘ができたので供養をするので候。」みたいな名乗り。
なんか、今回のワキのお坊さん観たことある顔にお声やなあと思ったら!先月の初めてのお能でワキをされてた福王和登さんのお兄さんだったんですね。いやあ、そっくりでした。

始まったとたん、客席から「がさがさがさがさがさっ!」と紙をめくる音が。何かと思ったら、謡の本?プリント?を広げている音でした。すごいな、私ももっと好きになったらするのかな。

「これ能力(のうりき)よ」と橋掛かりに座っていた千五郎さんが本舞台に。

今日は女人禁制だから女人を入れるなわかったなと言いつけられるが、美しい白拍子が橋掛かりから登場。
朱色っぽくて、金糸がキラキラ。下にはウロコ模様のお着物。
僧侶にダメだと言われても一存で入れてしまう。

烏帽子を被って舞を始めるのですが、小鼓と大革のたまに「よおおおっポン!」だん!っとちょっと動く、「ひゃああ、カン!」とダン!とそしてシーーーーンと静まりかえった状態。ちょっと動くの繰り返しが10分15分くらいあったでしょうか。
ごくたまに地謡さんがささやくような謡。これがまた眠りを誘うのであります。

なかなか進まないのでウトウトしかけたところ、大革さんの「ひゃあああああきゃああああ。」となんとも形容しがたいお声に「カン!」と鳴ると、烏帽子を脱ぎ捨て小鼓と大革の激しい打ち合い、それにこたえるような激しい舞。そして地謡。なんともかんともかっこいい。私これが観たかった!

鐘後見さんが4人がかりでえっちらほっちらと吊り上げた鐘の中に入ったかと思うと跳び上がりその瞬間に鐘が落ち、見事すっぽり鐘の中に。
その様子をじっとみつめていた千五郎さんと七五三さん。鐘が落ちたと同時に千五郎さんはひっくり返る、七五三さんはごろんごろん転げまわる。すごい。

びっくりしたなあ。鐘が熱いぞ。ちょっとお前僧侶に言うてきてえや、これまでの仲やんか。いやいやできることとできないことがある。嫌じゃ嫌じゃと七五三さんは逃げてしまいました。

ただそれだけの間狂言でしたが、間(ま)が良くて、台詞のたびに大笑いしてしまいました。1階まで響いてしまったのでは?とちょっと心配。

そして千五郎さん僧侶に報告。さて、蛇が出てくるのかと思いきや今度は僧侶が女人禁制のいきさつを謡い始める。ああ、まだかいなあ。ちょっと長いよなあ、でもワキさん座ってばっかりで出番ないからこれくらいないとなあと思いつつ、ウトウトしかけてしまいました。ごめんなさい。

それでは祈祷をしましょうと、数珠をじゃらじゃらじゃらじゃら…。私の好きなパターンです。
すると鐘が動き出し、白い着物に隠れた蛇が出てきました!
白に金の三角のウロコ模様、袴?は赤かな朱色かなライトで良くわかりませんでしたが。赤い毛になって般若の面で、アンテナ棒みたいな棒はキラキラしてました。

ひたすらジャラジャラジャラジャラと僧侶の三人。揚幕あたりまで追い詰められたり、一瞬やられたかのようにうずくまったりしながらも、橋掛かりの終わりのところ(何というかわからない)でうぎゃーっと。
僧侶三人はキレイに三角に並んでいました。美しいなあ。

そしてわああ、やられたああ。みたいな感じで蛇は退場、暫くして僧侶も退場。

狂言方さんがまた鐘を片付けに出てこられて、きや逸平さん

お囃子さんも退場されたあと、地謡さんが残り、附祝言。
何を謡われていたのかわかりませんが、めでたい曲だったんでしょう。

4時20分ごろ終演。

約2時間、すごかった。疲れましたが面白かったです。

田中傳次郎さんのお兄さん、亀井広忠さんの大革の掛け声?すごかったです。なんとも形容しがたいお声でした。傳次郎さんをあっさりした感じの男前さんでしたし。(何観に行ってんだか…)
逸平さんもたくさんお目にかかれたしい 良かった良かった。

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