無名人独白集

美しいもの、麗しいもの大好き。その真逆は嫌い。
故に「小異に拘り、大道を外す事勿れ」
そんな我侭で偏屈な人の独り言。

その異常性

2006年08月30日 07時06分34秒 | 教育、歴史、道徳に関わる話し
30万円渡す約束で殺害依頼 稚内の女性刺殺事件 (共同通信) - goo ニュース

以前、五逆についてお話させて頂きましたが、
http://blog.goo.ne.jp/mumyoujin_1969/d/20060713<参照

この事件も、この社会文明が限界に達し、その歪が現れた、
異常性この上ない話でありましょう。

私が、特に注目したのは、
犯行に介在した実子の友人が、
心情的に感応のみにて事件に関わったのではなく、
金銭による契約にて関わった点であります。

そこには、まさに歪んだ大人社会の縮図を見る思いがしますし、
実際、彼等の目には、社会と云うものがそのやうに映っており、
それが、悲しいながら現実であったとしても決して良い話ではないことを、
教えられる大人が周囲に居なかった事を現しているものと思えてなりません。

その思いは、16歳の少年が、30万円を用立てられる異常性を見るにあたり、
より一層強められるのです。

どのやうな環境にあったか詳細を知らぬ身なれど、
あえて無責任に云わせていただくのであれば、
こういった事件の発生は、
何らかの歪みが大きく作用するからこその、結果に過ぎず、
その、根本的原因は、
「カネこそが全て」
「他の価値は認めるが、理想では飯は食えぬ。やはり現実が優先、カネが優先。」
「キレイ事だけ云う人間は青い、理想主義者は現実を知らない人間」
といった極めて狭量な利己的なる拝金主義、利己的なる現実主義により、
理想が忘れ去られ、ひいては人として人間としての向上心が薄れ、
精神の堕落に甘んじ、獣化へ退化の道を歩み続けている、
現在の人間社会そのものではないのでしょうか?

両親が離婚していた事なぞは、
それを取り巻く要因の一つに過ぎない気がしてきます。
離婚そのものが問題なのではなく、それに対する周囲の大人の対応の根底にある、
精神性の方がよほど問題なのではないであろうかと私は感じるのです。


私はここで、試しにひとつの問いをしてみたいのです。
「離婚して家にいなくなった父や母の事を、
 子に直接触れている片親やその親族が、手元に残された子に対し、
 悪い印象を与えるやうな言動を行ってはいませんか?」


云うまでも無く、子供たちにとっては、ろくでもない影響しか与えないにも拘らず、
大人たちが自らの感情や、自己正当化または、
狭量かつ無責任な知識・情報や思慮に基づく親族愛の為に
取りかねない行動であります。

私は、そういった精神性の狭窄視野、自己中心性、利己主義を生み出す、
社会の土壌自体こそが、根源原因だと思えてしょうがないのです。





この事件について、語る大人の方々よ、
もう待ったなしの状況になりつつあり、
早急な改善をしなければならない時点に達しつつある事を、感じ論じて頂きたい。

子供の居られる方には、このやうな社会に対し、
どのやうに対していかねばならないのかを考えた上で、
教育方針を決め、自らの子供に対して頂きたい。

子供を持たぬ方たちは、その異常性を認識し、
社会の事象に当って頂きたい。



よくある、事件の中の一つとして、
驚いて、適当に論評して終わりにしている事自体が既に、
大きな異常である事に気付いて頂きたい。


先日、旧年来の友人と話した事柄を最後に記させていただきます。
「職に貴賎は無いものの、徳、不徳は厳然とそこに存在する」
コメント (5)
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