人の世は、滞在期間の定め無き、今日一日の旅の宿

 時 人を待たず、光陰 惜しむべし
 古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を 惜しまず
 唯 光陰のみ、之を惜しむ

日本の名薬 (文春文庫) - 2004/2/1

2010-04-01 | 日記

上位レビュー

まず、この本は、鈴木昶氏ほどの熱意は感じられませんでしたが、日本の伝統的な妙薬を知るのには、手頃で読みやすい本ではないかなと思います。

処方箋薬とも家庭薬とも深く関わってきた薬剤師として、自分なりの一つの考え方に行き着きました次第です。

それは、薬は、元々は、自然に存在しているところの薬草などを用いるのが基本であったのだろうということです。
また、薬は本来、具合の悪い時など、必要な時に、必要なだけ、使うべき道具のようなものであるべきということです。

今現在の医療では、下手をすると、この世に生まれた時からこの世を去る時まで、常に医療と関わりっ放し、常に薬と関わりっ放し、というケースが多いのではないでしょうか。
そうなると、私たちに備わっていた自然治癒力も段々と働かなくなってまいりますし、アンテナとしての感じる力も急激に衰えてまいります。

ゆえに、普段は生命エネルギーたっぷりの食べ物、そして微量ミネラルもたっぷり含んでいる“生きている”水を摂取していくことで、更には、土や木々といった自然からエネルギーを頂くことで、私たちは健康を維持していく形が望ましい、と思っています。

そして、日本の伝統薬こそ長い間の経験に則った、そして、数多の実践の中で、常に“安心安全”という篩にかけられてきた日本人の知恵の結晶そのものであり、日本人に最も合う薬なのではないかということです。
しかも、大方の薬は効き目が穏やか(勿論、即効のものもございます)なのに、いつの間にか、楽になっている、というパターンなのです。

確かに、この本では、比較的入手しやすい薬の名前も結構挙げられています。
例えば、「赤玉はら薬」は、ストレス過多の現代人に特徴的な過敏性腸症候群にぴたりと効くことで口コミで有名になりつつあります。

うちでも、30歳位の時に肺の病で医師から回復は無理だろうと言われた方が、赤穂浪士も飲んだと言われる「養命酒」で見事に回復したという100歳目前の女性のお客様もおられます。

コマーシャルもしてある「救心」に至っては、ただの強心薬ではなくて、精神安定作用に強力な解毒作用があり、素晴らしく応用の効く薬なのです。事故に遭った直後に飲めば、後遺症を予防してくれたりしますし、二日酔いを軽減しますし、急性アルコール中毒などの際にも著効です。うちでは、救心は、海外へ行く時のお供としては勿論、お酒に弱い方やあがり症の方のお供としてよく売れております。

他に、「樋屋奇応丸」などは、赤ちゃんや子供の様々な病気に限らず、大人や高齢の方にも使用できる万能薬とも言える類のものではないでしょうか。
…その他、説明し出したら、もうキリがございません(笑)

皆さんも、埋もれつつある日本の宝=伝統薬に気づいてください。
日本人の体質にピッタリと誂えられてきた伝統薬の存在に目を向けてください。

普段は自然治癒力によって健康に生活し、いざという時に、頼りになる存在、それが、本来の薬の意味なのです。

“座右の薬”は、きっと日本の伝統薬の中にこそある、私はそう思っています。

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