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中華的妄言

2006-02-23 21:26:38 | 歴史諸随想
 政治面でランキングトップを誇る人気ブログ『依存症の独り言』の以前の記事「中華思想と阿Q正伝」に面白いコメントがあったので、是非取り上げてみたい。中華思想に毒された者の硬直性この上ない見本だからだ。

「masaさん、坂 眞さん:中華思想について本当に知っているのかな?日本文化、思想のもとは中国ですよ。中華思想を侮辱すれば、自分自身を侮辱することと同じではないか。「チャイナ=シナ」と思ったら、「日本=倭寇」にも賛成しなければならないね!
名前: 飛魚 February 9, 2006 06:38 PM」


「masa さん、坂 眞さん:魯迅先生の作品はその時代の暗い面を提示することによって、一般民衆の目を覚ませます。「阿Q正伝」という小説の時代背景について理解 できない人は中華思想を非難する資格はない。もし、日本人はあQ精神をもっと勉強すれば、日本の自殺率が低くなるに違いない。
名前: 飛魚 February 9, 2006 06:47 PM」


  2ちゃんねるあたりではよくこのような書込みを見かけた。私が見たのは世界史板だが、中国批判となると決まって、「中華思想を侮辱すれば、自分自身を侮辱 することと同じ」「中華思想を非難する資格はない」と盛んに反論というより脊髄反射していた類がいた。では、そのような者はさぞ中華文明に詳しいと思いき や、全く分かってなかった。まず世界史板というのに、具体的事例や史料文献を提示できなかった。いかに2ちゃんでも歴史に詳しい者ならソースをつけるのが 基本。例えば唐軍がアッバース朝に大敗したタラス河畔の戦い(751年)を中国史上たった一度の敗戦に過ぎない、朱元璋(明の太祖)は朝鮮人、など書いて いたアホもいた。

 飛魚とやらも本当に魯迅の本を読んでいるか疑わしい。この輩はおそらく在日朝鮮または中国人なのは明らかだが、前者の色合いが濃いような気がする。ネットで在日朝鮮人が中国人に成り済ますのは十八番だから。
  「日本文化、思想のもとは中国」とあるが、日本が文化思想面で中国から多大な影響を受けたのは事実だ。だが中国から文化思想が入ってきてもそのまま猿真似 したのではなく、かなり国に合うように変えているのだ。宦官など受け入れなかったのは有名。中国と日本では社会があまりにも異なるので、これは賢明な選択 だ。
 儒教にしても日本は儒教国といえない。本家の儒教は孝を第一に説くが、統治のため利用した江戸幕府は忠を至高の教えにしている。孝が第一な ら父子で逆臣するのが正しいとなるからだ。儒教圏では男でも裸を嫌うが(人は衣服なり)、日本では女はともかく男は裸になるのは恥ではなかった。夜襲を受 けてフンドシ姿でも立派に戦えば英雄だが、中華文明では英雄の資格を失う。貞女二夫にまみえず、など守っていたのはごく少数の上流支配層くらいで、武家で も中級以下は若くして未亡人になった女性は大手を振って再婚していたのだ。

 日本の文化思想にかなり影響を与えたのは仏教の方だろう。何気なく使っている「旦那」 などは元は梵語のダーナ、意味は布施をする人から来ている。四苦八苦、縁起なども仏教からの用語だ。中国も少なからず仏教思想の影響は受けており、永遠に 生き続けられるので輪廻転生は取り入れられる。儒教が影響力のあったのはせいぜい朝鮮とベトナム北部程度であり、東南アジア諸国はむしろインド文明圏に あった。宗教色がない儒教は魅力に欠ける思想だったのだろう。

 「中華思想を侮辱すれば、自分自身を侮辱することと同じ」とは中華圏でな い日本にはそれゆえ当てはまらない。日本に限らずある文明の影響を受けたとしても、その文明の批判を全くしない国の方が珍しい。古代ローマはギリシア文明 をかなり取り入れたが、決してそっくり真似たのではなかったし、現代の西欧諸国は古代ギリシア、ローマには敬意を払うが、その子孫のギリシア、イタリアは 見下している。イスラムを生んだアラブはイスラムを伝えてやったと威張る事はまずないし、トルコやイランもイスラムの解釈で激しく議論する。

  以前の記事にも書いたが、「阿Q正伝」で女のためにしくじる主人公を魯迅は「中国の男性は世界を変える能力を有しているのだが、婦人の為に台無しになって しまう」と儒教的男尊女卑丸出しで書いていた。女一人制御できない者が世界を変える能力などあるはずもない。同時代のインドの作家や社会運動家が「パルダ(ペルシア語でカーテンの意、女性隔離)打ち破れ!と盛んに女性の地位向上を訴えていたのとは実に対照的だ。勿論魯迅は妾も有している。

  日本人が阿Q精神を学ぶ事などまずありえないし、その必要もない。良くも悪くも自殺を図るのは、人間としての死を選ぶからだ。自ら何にもせず他人にすがっ て生きるのでは、もはや人間とは呼べない。寄生虫か、存在の価値もない腐った肉塊だろう。阿Q精神者の国では結局いつまでも民度の向上など望めず、それゆ え非阿Q精神国に移住する。日本が阿Q精神を取り入れたら、真っ先に生きていけないのが飛魚の類。阿Q精神なら人権など皆無で、忌み嫌う異民族を平然と血 祭りに挙げるのだから。

◆関連記事:「打落水狗」「聊斎志異

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2 コメント

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歴史という名のフィクション (Mars)
2006-02-24 01:06:07
こんばんは、mugiさん。



私も確認しましたが、本当にア○過ぎますね、飛某。シナ人でありながら、シナと呼んだのは、孫文もその一人ですが。本当に、シナがダメならば、中国の正式名称(People's Republic of China)もおかしいのでは?



飛某の正体ですが、私も半島系のニオイがします。大体、「日本=倭寇」という考え方自体、日本人的ではありません。初期倭寇は日本人も多くいましたが、大陸・半島系も混じっていましたし、後期倭寇では、日本人よりも大陸・半島系の方が多かったとも言われています。また、倭寇自体、海賊行為も行っていたでしょうけど、それだけでなく、密輸業も少なくないことが想像されています。そういう事実を知らず、「元寇」の事は棚上げしながら、「日本=倭寇」と罵るのは、半島系以外、聞いたことがありませんね。

でも、これも他人事だとは笑っていられず、昨年、大陸・半島系からイチャモンをつけられましたF社の教科書では、その内容を記載しています。が、問題がなかった他社の教科書では、あいまいに、ぼかしているところもあります。

事実に基づく内容ももちろんですが、教育要綱では、日本の歴史を学び、自国を愛する気持ちを育てるようになってたと思いますが、周辺国に慮り、自国の悪いイメージのみを植えつける教育業界の闇は、かなり深刻かつ早急な対策が望まれます。



日本は徳川幕府成立後、200年以上鎖国を続けましたし(、開国後も、欧米に学び、競ってきたのですが。

確かに、大陸・半島系の影響を受けたにせよ、それが全てではないと思います(春に愛でる花も違いますし)。

そういう、柔軟的で、自分の利益となるよう、取捨選択していったのが、我々日本人であると思います。

そういう考えすら受け入れられないのが、やはり日本人ではないように思えてなりません。

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中華的妄想史観 (mugi)
2006-02-24 23:54:51
こんばんは、Marsさん。



飛魚はシナ=蔑称と思い込んでる。2ちゃんでわざわざ“中華人民共和国”と書いている者もいましたが呆れるほどの奴隷根性です。周辺諸国を常に蔑称で呼んできた中華主義国の被害妄想なのでしょう。



倭寇は元寇以前にはまず見られなかったのですが、それ以降は侵略してきた半島や大陸への恐怖と警戒もあり発生したのは確かです。ただ、後期となると9割が漢族だったと明の記録にさえあります。元寇時に朝鮮王はモンゴルに積極的に日本侵攻を提言してましたね。文永の役の時、対馬の住民虐殺の果て、女子供は掌に穴を開け、それに荒縄を通して奴隷として強制連行されたところは朝鮮王のもと。惨いという言葉もこの時の“もんごい”からきてます。ベトナム戦争といい、常に大国の侵略のお先棒を担ぐ国ですから。



儒教というのはつくづく思想が硬直化するものだと思います。柔軟な発想が失われ、何事にも頑なになる。一神教と違い異端という考えはないはずなのに、中国皇帝の御用学問だったのも大きいと思います。反日こそが在日のアイデンティティとなっているのは明らか。

このような反日外国人は無用です。ネットでもダボハゼ化している。
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