北方領土に平和攻勢を掛けてはどうか

ロシアがロシアウクライナ戦争に苦戦している今が北方領土を取り戻す絶好の機会だ。自衛隊を動員して樺太まで「奪還」してしまえば良いと思うのだが、いくつかの理由がそれを躊躇わせる。

ロシア軍は思っていたより弱いようだし、士気も低い。ロシア国民のプーチンへの支持率は高いが（本当に高いのかはわからない）、軍に志願者が溢れているわけでもない。しかし日本がロシアに戦争を仕掛ければもしかしたらだが、ロシア人の愛国心を刺激してロシア軍が覚醒してしまうかもしれない。それは困ったことになる。

またロシア軍がミサイルを日本の都市部に撃つかもしれない。全てをミサイル防衛で防ぐことはできないだろう。やはりそれは好ましくない。

何よりロシアは核兵器を持っている。樺太まで奪われてもロシアが核兵器を使うとは思わない。しかし外交交渉で核兵器の使用を仄めかされれば、これまた困ったことになる。

日本が戦争に乗り出せば日本の評判がどうなるかわからない。日本は国際社会で好感を持たれている。しかしロシアウクライナ戦争のどさくさ紛れに樺太までの北方領土を奪還するとそうではなくなるかもしれない。

国家は嫌われても滅びないが、舐められると滅びると書いてきた。しかし嫌われるより好かれた方が良いのは言うまでもない。戦後のイメージを自ら捨て去ることはないだろう。日本が覚醒したなどと好感を持って迎えられるかもしれないが。

仮に北方領土を奪還しても正直なところ持て余すのではないか。北方領土の島民とその子孫が北方領土に移り住むのだろうか。北方領土はロシアでも後進地域で何もない。日本が奪還したあと金を湯水のごとく注ぎ込んで開発するにしても誰も移り住むことがなければどうしようもない。

しかも北方領土在住のロシア人をどうするのか？追放するのか？それでも良いとは思うが、やはりそれは非人道的行為なので日本の評判を下げる。あまりしたくはない。

何より自民党、岸田文雄に北方領土を武力により奪還するつもりがないだろうと思うのだ。それでは皮算用しても意味がない。

武力による奪還が駄目ならば外交、平和攻勢しかない。プーチンを相手にしても日本に北方領土を返還するつもりは欠片もないのだ。しかし北方領土は後進地域で北方領土在住のロシア人は貧困に喘いでいる。そこに日本が漬け込む隙があるのではないか？

映画『クナシリ』公式ウェブサイト

「保守速報」が記事にしていたが、国後島のロシア人の生活は悲惨に尽きる。そこに日本領になれば「良い生活」が出来ると囁くのだ。

別に騙すわけではない。本当に良い生活をさせてやれば良い。北方領土在住のロシア人には日本国籍を与えるし、北方領土日本復帰祝賀金（名称は今思い付いた）として一人一千万円支給してやれば良い。

さらに北方領土が日本領になれば金を湯水のごとく注ぎ込んで開発する。スーパーなり何なりも誘致して生活を劇的に改善させる。

愛国心からロシア領に拘るロシア人も結構いるかもしれないが、プーチンお得意の「住民投票」でもすれば良い。

国後島だけでも取り戻せればこちらのものだ。北方領土の島民とその子孫で移り住みたい日本人を移住させ、国家事業として国後島を開発する。国後島が栄えれば千島列島までのロシア人の気持ちは揺らぐだろう。樺太には資源があるので簡単には行くまい。

平和攻勢でじわじわロシア人の心を日本に傾かせるのだ。そうすれば武力に拠らずとも北方領土を奪還できる。

平和攻勢の内容はもっと洗練させる必要があるだろうが。

政府に北方領土を取り戻すつもりがあるなら今が絶好の機会なのだ。日本周辺でロシア軍が活発に動いているのも日本を牽制するためだ。岸田文雄にも自民党にも外務省にも防衛省・自衛隊にも武力行使する考えはないだろうにな。

北方領土を奪還するならたまには変化球を投げる必要がある。武力により北方領土を奪還するつもりがないなら尚更だ。