面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

派閥解消すると首相独裁が強化されてしまう

2024-01-23 12:26:46 | 政治
岸田文雄がいきなりぶちあげた派閥解消で岸田派、安倍派、二階派が解散を表明して自民党は大騒ぎになっている。私も派閥は嫌いなのだが、首相の権力を抑制する必要悪なのではないかと考えている。

民主主義は数というわけではないのだが、一国民が国会議事堂前で何かを訴えても無意味だ。その事が実現することはない。しかし連帯して集団を作り、署名を集めたり、集団で面会したりデモをすれば違うのでないか。一人では無視されるだけだが、連帯して集団を作ることで訴えを実現させる。それが政治なのだ。

マスコミには「数の力」は嫌われているが、何の力のない国民が政治に政策を実現させようとすれば数がいる。連帯して集団を作り組織化して政治に働きかける必要があるのだ。

農協や労働組合のような「中間組織」が民主主義には重要なのだ。一億分の一に分断された国民は選挙では人気投票のような投票しかできなくなる。そのために国民を束ねて政治に圧力を掛けるのである。中間組織というより「圧力団体」の経団連は私は大嫌いなのだが。

国会議員も同じことが言える。1月19日現在、自民党の国会議員は衆議院議員259名、参議院議員117名の計376名だ。つまり国会議員一人一人の力は376分の1しかないということだ。これでは何の力もないに等しい。

せっかく国会議員になっても執行部に言われるまま採決するだけでは国会議員になった意味がないだろう。一部の自民党議員が派閥を「政策集団」と呼ぶように政策を実現させるにはどうしても数の力がいるのだ。

ただ理想論ではあるのだが、民主主義は言論の力を重視する。国会議員が議会(国会)で優れた演説をすれば、首相が反対しようが、派閥が反対しようが国会議員がそれに従い政策が実現するというものだ。日本ではちょっとばかり考えにくいが、英国ではディズレーリが実現させている。

日本でも戦前の帝国議会では浜口雄幸の「腹切り問答」と斎藤隆夫の「反軍演説」が有名だ。斎藤隆夫は衆議院が軍部に媚びて斎藤隆夫を除名してしまうのだが。

派閥という中間組織が自民党からなくなれば首相の権力は途方もないものになるだろう。ただでさえ戦後日本の首相の権限は強いのだ。それを掣肘する派閥がなくなれば執行部に逆らうことはできなくなる。逆らえば粛清だ。理想論として演説での反対があるのだが、途方もなく強くなった首相の権力には対抗できないのではないか。

岸田文雄の生き残り、あるいは長期政権のために派閥解消をぶちあげたのはわかっている。政治資金収支報告書への不記載が問題なのに派閥解消をすり替えたのはそれが理由だろう。麻生太郎はせっかくここまで大きくした派閥解消などもっての他だから怒り心頭だ。老害には消えて欲しいものだが。

派閥は政策集団ではなくなり、自派閥から閣僚を何人輩出するかばかりの存在に成り果てていた。金を集めて分配することもそうだ。どちらも止めて政策集団になれば良いのだが、岸田文雄は派閥解消をぶちあげた。首相及び執行部の公認権は健在だから首相及び執行部の権力を途方もなく大きくなってしまう。派閥からの人事推薦と金集めを止めるだけで派閥は残すべきなのではないか。

新聞もテレビもオピニオンリーダーではなく財務省の犬でしかない。ジャニー喜多川の絶賛していたように権力と癒着する性質を持っている。日本の新品は有害だから不買・解約を広めるしかないのだ。テレビもワイドショーを見るのは止めよう。

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(参考文献)
『憲法原論』小室直樹著

(参考ブログ)
三橋貴明『意味不明で意味明確な自民党の「派閥解消」』

三橋貴明『意味不明で意味明確な自民党の「派閥解消」』

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