ミセスローゼンの道後日記

梅咲いて夫はヨガに明け暮れぬ



帯の文句すごい。買ってしまった。

ニックの大阪コンサートのプログラム用に、ニック自身が書き下ろしたプログラムノート(曲目解説)が素晴らしい。今すぐ生徒に読ませたいが、12月5日当日まではむろん公表出来ない。と言うと、お、ローゼンそんなの書いてくれるの?とか、こっちの時はやってくれんかったじゃんけ、と思う人も居るかもしれぬが、それは時の運。つまりタイミングの問題である。どう言うことかと言うと、ニックに物を頼む時は、交換条件が必須なのだ。ニックは元々コンサートで曲目解説を喋らない、プログラムも一切書かない。

「私の曲に対するメッセージは、全て私の演奏の中にある。いかなる先入観も無しに、あなたの心で受け取って欲しい。あなた一人の為に全てを賭けて弾いているのだから。」

またこうも言う。

「コンサートにたった一人しかお客さんが来なくても、その一人の為に僕の持てる全てを捧げる。今宵の観客の一人一人を、そのたった一人だと思って弾く。」

「ボクシングの選手がボクシングの歴史や、自分の技や、どれだけいいグローブをはめているか、なんて解説を戦う前にしないのと同じこと。これは真剣勝負なんだ。」

と言うわけで、よほどの交換条件がない代わり、解説をやらす事は普通はできん。が、今回はたまたま交換条件があった。それはどんな事かと言うと、ニックの憧れる若いイタリア美人のスキーティーチャーから、「富士山が見てみたい。あなたの山小屋に泊まりに行ってもいい?詩人の奥様とも日本の自然や日本文化について語りたいわ!」とニックが頼まれてたから。これをOKする代わりに、解説書いてくれる? と持ちかけたら、ニックは即書いた。それが素晴らしい出来なのである。



コメント一覧

msgecko
月波さま
追伸
大阪コンサートは、真にチェロの魅力が味わえる素晴らしいプログラムなので、ぜひお越し下さい!お待ちしています!!!
msgecko
月波さま
「あちらにいる鬼」読了当初は大ショックで、しばらく何も言えず、それから益々、作者井上荒野さんと寂聴先生が好きになりました。アダムとイヴ以来の男とは、女とは、という人間の根源の在り様を見せられましたね。そしてまた寂聴先生の句集「ひとり」を読むと、もーたまらないっす。泣かされます。
月波
こんにちは!遅ればせながら、この本読みました。すごい話でしたね〜。荒野さんの作品は今までに3冊しか読んでませんが、繊細な男女の機微を描くのが上手い人だなという印象でした。で、この本を読んで全て納得しました。人は自分の中にあるものしか出て来ないんですよね。

クラシックは何の知識もないのですが音楽は大好きなので、大阪のコンサートに行ってみたい!ブログの文章が町田カラーに染まっていて、楽しいです(^o^)
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