この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#535 「NHK大河ドラマ篤姫」(篤姫と尚五郎)2

2008年12月31日 | その他

#634 「NHK大河ドラマ篤姫」(篤姫と尚五郎)1からつづく。

篤姫は挨拶に訪れ平伏している尚五郎(小松帯刀)を懐かしげに笑顔で迎え、奥の部屋に請じ入れる。
そこには、碁盤がおいてある。

昔のように篤姫は帯刀と話をしながら碁を始める。

急に帯刀はあらたまって篤姫に言う。
「もう昔のことなので思い切って申しますが」
「何でしょう。」
帯刀はためらう。
「やはりやめます。」
しかし、帯刀は意を決して言う。
「やはり申します。
 実は私はあなたをお慕いしていたのです。」

篤姫は笑顔で帯刀を見る。そして言う。
「知っていました。」

「ええ?」と帯刀。

篤姫は笑顔で言う。
「ジョン万次郎さんから聞きました。驚きました。」


「ではそれを承知の上でお聞きします。」と帯刀。
「はい。」
「もし・・・・」と帯刀
「もし ?」
帯刀は言う。
「もし斉彬様からの養女のお話がなければ
 私と一緒になって下さいましたか?」
篤姫はそれを聞いて笑顔で答える。
「それを聞いてどうなさるのですか?」
「私のあのころの気持ちにけりをつけてやりたいのです。」
「私の答えは。」
「お答えは?」
篤姫は笑顔で言う。
「亡き夫、家定に相談致します。」
 「ああ・・」と帯刀は笑う。「ずるいなあ、それは。」



 篤姫は帯刀に言う。
「また会いに来てくださいますか?」
「しばらくはむつかしいかと、近く薩摩に帰ることになっていますし。」
篤姫は沈んだ顔で言う。
「さびしうございます。」
「お城を出て、大切な人がつぎつぎといなくなっているのです。」
「人がいなくなるのではなく、また会うときの楽しみのためにひとときお離れになるだけのことです。」
篤姫は笑顔で、
「そうですね、私たちもこうやって会えるのですから。」

そう言って篤姫は、若いときに帯刀(尚五郎)の求めに応じて交換したお守り袋をしみじみと見る。
「ああ」と笑う。篤姫も笑顔でこたえる。
「何ですか?」
帯刀も懐から嘗て篤姫と交換した守り袋を取り出し篤姫に見せる。
「まあ。」篤姫が涙ぐむ。
       
               

「次に会うときまで元気でいます。」
帯刀も涙ぐむ。
「そうですね。」
「次に会うときまで。」
「ええ。」
二人は涙顔で言う。

               

小松帯刀はやがて病気で亡くなり、二人は再び会うことはない。

このドラマの最終回では、尚五郎の訃報を聞き泣く篤姫が見られる。

ただのドラマではあるが、脚本もよく、俳優も実に好演であり、見ている方も涙が出そうになるシーンであった。

自分自身のことになぞらえてこの場面を見ていた人も多かったのではなかろうか・・・・などと私が考えるのは考えすぎであろうか。


画像:NHK TVより


リンク:YouTube 「良し篤姫」(HiNoMoToSoul氏投稿)←クリック












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