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大飯原発3、4号機運転差し止め

2014-05-21 19:22:16 | 時事
皆さま、GEIT(Governance of Enterprise Information Technology)のエバンジェリストこと、ITコーディネータの元村憲一です。

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ブログの第109回目は、個人的に注目している原子力発電についてをお伝えします。


判決が出ましたね!

福井地裁は本日、福井県おおい町にある関西電力大飯原子力発電所3、4号機加圧水型軽水炉(PWR)に対して、再稼働を認めない判決を言い渡しました。


今回の訴訟は、以下の概要です。

福井や大阪など22都道府県の住民189人が原告となり、関電を相手取って、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の安全対策が不十分で耐震安全性が保障されていないなどとして、運転や再稼働の差し止めを求めたものです。

今回の訴訟では、福島第1原発事故の後、両機が再稼働していた2012年11月の提訴時点における安全対策の是非が審理されていました。

裁判での主な争点は、以下の通りです。

 ・耐震設計上の想定:想定される最大の地震の揺れ(基準地震動)は妥当か
 ・安全対策上の手法:非常用の発電機や給水ポンプなど、放射性物質が外部に漏れるのを防ぐための安全対策は有効か



福井地裁の樋口英明裁判長は、250Km圏内に住む原告の請求を認めました。

そして、「具体的な危険性が万が一でもあれば、運転が差し止められるのは当然」として原告側の主張を全面的に認め、「再稼働してはならない」という判断を示しました。

東京電力福島第1原子力発電所事故後、原子力発電所差し止め訴訟の判決は初めてとなります。


両機は定期検査のため昨年(2013年)9月から運転を停止しています。

現在は、昨年(2013年)7月に施行された原発の新規制基準に基づいて、原子力規制委員会が安全審査に入っている最中です。


この大飯原子力発電所3、4号機を巡っては、大阪高裁が今月9日に別の住民らが再稼働差し止めを求めた仮処分裁判の抗告審決定で、規制委の結論前に差し止めが必要とは認められないとして、住民側の申し立てを却下する全く逆の結果が出ています。


この判決により、司法判断で耐震安全性に疑問符が付いた事になります。

今後、全国の原発の安全審査や多くの訴訟にも影響を与える事になりそうです。

脱原発弁護団全国連絡会(事務局・東京)などによると、2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所事故後、全国で住民側が提訴した原発の運転差し止め訴訟は少なくとも16件ある様ですから、その行方に注目です。



私はこの夏、原子力発電無しで乗り切れるようなら、原子力発電所不要論が成立すると考えています。


原子力発電は、化石資源の乏しい日本にとって、コスト面(安い)を良く言われていますが、本当にそうなのでしょうか?

もう1度、原子力発電に掛かるライフサイクル全てのコストを一から見直して、明快な論理で公表して欲しいと思います。


素人の私が少し考えてみただけでも、以下の様な事が挙げられて、莫大な費用が掛かると思います。

事故の確立や影響の見積りにもよりますが、0%にはなり得ないので、その対策費用が必要となります。

しかし、1度何か起これば制御不能になり、3年以上が経過した現在でも収束できない、かつ事故前の状態には絶対戻らない事を考えると、その事後費用は莫大なものだと思います。

現在増税されている復興特別税の内、原発を原因とする割合は大きいのではないでしょうか?

更に過去と違って、その安全対策にかかる費用は、かなり増大しているはずです。

そして、何より重要となるのが、その放射能廃棄物を気の遠くなるほど長期に渡って管理して、できるだけ安全に処分する費用でしょう。

この件は、臭いものには蓋? と言う様に、先延ばしにして何も具体的に決まっていないようですから。


この記事を読んでいただいてお分かりのように、私は10代の頃から、危険な原子力発電不要論者です。



最後まで、お付き合いくださいまして、ありがとうございます。

次回以降は、本題のGEITの凄いフレームワークCOBITを中心に、ISACAが発行している資格などについても順次お伝えして行きます。

ただし、ISACAの資料は、著作権の管理が非常に厳しいため、全引用とかはほぼ不可能となっています。

表現を変えたり、かみ砕いた言葉などで説明して行く予定です。


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ITリテラシー その2

2014-05-20 22:38:16 | GEIT
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ブログの第108回目は、久々に「ITリテラシー」シリーズの続きをお伝えします。


今回は、ITリテラシーより更に広い概念、情報リテラシーについてです。


「そんな事、ちょっとググれば解るでしょ?」

と言うような事を、かなり質問されます。


自分のやりたい事があるのだけれど、でも、何をどう検索すれば解るかが、解らない状態。

そしてやっとの事で、何とか情報を検索しても、書いてある事がよく解らない?

検索結果が、本当に自分のやりたい事を検索できているのかが解らない。

書いてある事が、全くその通りに進んで行けば何とかなるけど、ほんの少しでも違うとそこから先が解らない。


解決策のノウハウを探そうとしているのだけれども、解答が見つけられない、または、応用が利かない状態です。

ノウハウだけで切り抜けようとしても、基礎知識が圧倒的に欠如しているので、論理だって理解して行けない状態になっています。


ITの世界は、聞き慣れない専門用語が多く、基礎から順に正しく理解していないとその先の所で、ノウハウを自分のコンセプチャルスキル(概念化)として、吸収できません。


ITを思いのままに利活用するには、情報の基礎理論が必要になる場合が多々あります。

デジタル・ディバイド(情報格差)で、高度情報社会に置いてけぼりを食わないためにも、基礎の学問は必要になります。


よ~し! 基礎から少し勉強してみるか。 と思われた方に、こんな本はいかがでしょうか?

出版社:培風館

『情報社会を理解するためのキーワード 1』, ISBN-10:4-563-01701-9
『情報社会を理解するためのキーワード 2』, ISBN-10:4-563-01702-7
『情報社会を理解するためのキーワード 3』, ISBN-10:4-563-01703-3


目次の概要

1 人間の情報行動
 (情報行動
  情報空間
  知覚
  記憶 他)

2 情報システムとしての社会
 (資源配分メカニズム
  技術
  情報の非対称性
  探索
  ネットワーク 他)

3 情報社会の基盤
 (価値システム
  慣習、制度
  法制度 他)

4 情報化の影響
 (階層構造のフラット化
  リストラクチャリング
  オープン化 他)

5 情報システムの基本概念
 (情報
  ヒューマン・コミュニケーション
  言語
  記号論
  ターミノロジー
  情報伝達
  デザイン
  複雑系
  知識
  情報文化 他)

6 情報システムの企画・設計・開発・運用
 (情報システムの構築
  企業情報システムの特徴
  情報システムの構築活動
  情報技術者の役割
  情報技術によるビジネス改革
  アプリケーションの構造
  アプリケーション計画
  アーキテクチャ計画
  システム開発へのアプローチ
  プロジェクト管理 他)


高度情報社会のキーワードを理解するのに、お薦めの3冊です。


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次回以降は、本題のGEITの凄いフレームワークCOBITを中心に、ISACAが発行している資格などについても順次お伝えして行きます。

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COBIT5フレームワーク その20

2014-05-19 21:04:42 | GEIT
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ブログの第107回目は、このブログの本題になっている GEITについての続きです。

前々回の第103回目から、組織全体のITガバナンスのフレームワークCOBIT5のプロセス能力モデルについての説明を始めました。

今回も、COBIT5のプロセス能力モデルについての続きを取り上げていきます。


COBIT5のプロダクトには、以下の国際標準に基づいたプロセス能力モデルが含まれている事を前々回説明しました。

 ・ISO/IEC 15504 ソフトウェア技術 ─ プロセスアセスメント


そして前回は、COBIT5のプロセス能力モデルと旧バージョン(主にCOBIT4.1)の成熟度モデルとの違いについて、説明しました。

今回は、COBIT5になって何が良くなったかについて、説明します。


変更の効果

COBIT5のプロセス能力モデルとCOBIT4.1の成熟度モデルの効果を比較すると、以下の様になります。

 ・実行されているプロセスへの焦点の強化
 ・重複の削除によるコンテンツの簡素化
 ・プロセス能力アセスメントのアクティビティと評価の信頼性と再現性の改善
 ・プロセス能力アセスメント結果の有用性の改善
 ・一般的に受け入れられているプロセスアセスメントの標準への準拠



・実行されているプロセスへの焦点の強化

 以下の2点を確認するために、よりプロセスへの焦点を強化しています。

 ・目的を実際に達成していること
 ・期待されている必要な成果を提供していること



・重複の削除によるコンテンツの簡素化

 COBIT4.1成熟度モデルアセスメントでは、プロセスアセスメントをサポートするために、以下を含む特定のコンポーネントを複数使用する必要がありましたが、すっきりと簡素化されました。
 
 ・一般的な成熟度モデル
 ・プロセス成熟度モデル
 ・コントロール目標
 ・プロセスコントロール



・プロセス能力アセスメントのアクティビティと評価の信頼性と再現性の改善

 3項目が改善された結果として、アセスメントの結果に関するステークホルダー間の議論および意見の相違が減少します。



・プロセス能力アセスメント結果の有用性の改善

 アセスメント結果の有用性を改善したCOBIT5の新しいモデルが、より正式で厳密なアセスメントが実行されるようにするための基礎を確立しています。



・一般的に受け入れられているプロセスアセスメントの標準への準拠

 国際標準に基づいたプロセス能力モデルに準拠する事によって、プロセスアセスメントのアプローチに対して、市場からの強力な支援が得られます。



以上の様に、COBIT5はイネーブラーと言う概念を導入して、その中の1つとしてのプロセスだけに絞り込む事で、国際標準に準拠したプロセスアセスメントを実現して、高い効果を生んでいます。



少し長くなりましたので、COBIT5のプロセス能力モデルの説明途中で終了します。

この続きはまた次回以降に、COBIT5のプロセス能力モデルについての続きとして取り上げていきます。


最後まで、お付き合いくださいまして、ありがとうございます。

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自伝 十三の巻

2014-05-18 22:24:24 | 自己紹介
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ブログの第106回目は、自己紹介の一部を自伝としてお伝えする続きです。

これを読んでいただく事で、このブログを書いているのは何者? というのを少しは知っていただけると思い、たどって来た人生のトピックスを書いてみます。


【決断】
ある日、バイクで来てしまったから飲み会に行けないと言う彼女のバイクを、プールから非常に近かった(100m位の距離)私の家で預かりました。

後日バイクを彼女の家の近所まで送り届けた帰り際、渡された手紙を読むと、そこにはこの様な事が記されていました。

「誘ってくれてありがとう。また誘ってくださいね。(ハート)」

これは、普通に考えて脈がある状態?


私の前に突然現れた女性、彼女にいつしか惹かれて行く自分を感じていました。

しかし、私には一生背負い続ける重荷である難病と言う現実があり、素直にすんなりとは、喜ぶ事ができませんでした。


病気の事を医師から説明され、どの様な制約を受けるかまた、再発した時に再度同じ薬が有効かは不明だと聞かされていました。

当時の医療は、内科なら内科の事だけで、患者の心のケアについてなど何も考えていませんでしたので、担当医はまだ10代の私に対して、非常に冷淡な医学的見地だけからだけの説明をしていました。

その結果当然のように、10代にして結婚を諦めて、人生の楽しみもほぼ捨てた状態で、それから約9年を過ごして来ていました。


結婚する気もなく女性と付き合う事を良しとしない考えだったので、皆でワイワイ楽しく騒ぐ事はあっても、1人の女性と深く付き合う事を回避し続けていました。

しかし、今回だけはなぜか違う行動となって現れました。

土産を渡す理由をつけて、「バイクで迎えに行くから、ヘルメットを持って出てきてくれないか?」 と電話で連絡をしたのです。

近所のファミレスで、彼女との冴えない初デートとなりました。


しばらくは、ごく普通の健康な男女の様に付き合いたいと言う願望があったのですが、結論は早い方が良いと病気の事を告白する日がすぐに来ました。

しかし驚く事に彼女は、私の難病の事を知っても全く動じませんでした。

本当に病気の事を理解したの? 難病と言う現実が分かっていないだけ?

戸惑いました。


その日以降も、本当にごく普通の健康な男女の様に付き合う日が続き、私の中で、疾うの昔に諦めていた結婚を決断する心の変化が起こりました。



今回はここまでにして、話は終わり、続きはまたの機会といたします。


最後まで、お付き合いくださいまして、ありがとうございます。

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COBIT5フレームワーク その19

2014-05-18 00:31:55 | GEIT
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ブログの第105回目は、このブログの本題になっている GEITについての続きです。

前回第103回目から、組織全体のITガバナンスのフレームワークCOBIT5のプロセス能力モデルについての説明を始めました。

今回は、COBIT5のプロセス能力モデルについての続きを取り上げていきます。


COBIT5のプロダクトには、以下の国際標準に基づいたプロセス能力モデルが含まれている事を前回説明しました。

 ・ISO/IEC 15504 ソフトウェア技術 ─ プロセスアセスメント


旧バージョンのCOBITとの違い

COBIT5のISO/IEC 15504 をベースにしたプロセス能力アセスメントと前のバージョンであるCOBIT4.1成熟度モデル(Val ITや Risk ITのドメインベースの成熟度モデル)では、以下の違いがあります。

 ・定義された能力レベルの命名や意味は、COBIT4.1の成熟度レベルのものとは大きく異なっている
 ・能力レベルを定義する9個のプロセス属性は、COBIT4.1の成熟度属性またはプロセスコントロールによってカバーされる分野の一部をカバーしているが、範囲が限られており、方法も異なっている


全ての事業体のプロセスに該当する共通の属性は、COBITのそれぞれのバージョンで、以下の様になります。

 ・COBIT3rd Editionでは、重複するコントロール目標となる
 ・COBIT4.1では、プロセスコントロール(PC)の目標にまとめられる
 ・COBIT5では、アセスメントモデルのレベル2~5に定義されてる


実践手法での違い

プロセスアセスメントモデルの変更に関わる実務的な違いが、新旧のモデル間に存在する事は明らかです。

使用者はこれらの変更を認識して、アクションプランの中でこれらの変更を考慮できるように準備を整える必要があります。


考慮すべき主要な変更点は、以下のものとなります。

 ・アセスメントの結果は、記述に使用される数字の尺度や用語が類似しているため比較できるように見えますが、対象範囲、重点、目的に違いがあるため、比較は難しい。

 ・一般的には、COBIT5のプロセス能力モデルではスコアが低くなる。

 ・COBIT4.1の成熟度モデルでは、あるプロセスは、そのプロセスの全ての目標を完全に達成しなくてもレベル1またはレベル2を達成する事ができますが、COBIT5のプロセス能力モデルのレベルでは、スコアが低くなって、0または1になる。


COBIT5とCOBIT4.1の能力の尺度は、以下で示すようにおおよそ対応すると考える事ができます。

  COBIT5             COBIT4.1
────────────────────────────
 0:不完全なプロセス  ─── 0:存在しない
 1:実施されたプロセス ─┬─ 1:初期/アドホック
                 └─ 2:繰返し可能だが直感的
 2:管理されたプロセス  
 3:確立されたプロセス ─── 3:定義されたプロセス
 4:予測可能なプロセス ─── 4:管理され、測定可能である
 5:最適化しているプロセス── 5:最適化されている


ISO/IEC 15504のプロセス能力アセスメントのアプローチは、詳細なプロセスの内容にプロセスごとの成熟度モデルを含むアプローチを禁止しています。

そのため、COBIT5は、詳細なプロセスの内容にプロセスごとの成熟度モデルは含まれていません。

その代わりとして、このアプローチは、「プロセス参照モデル」(アセスメントに使用されるプロセスモデル)で必要な以下の情報を定義しています。

 ・目的の説明を含むプロセス記述
 ・プロセスガバナンスまたはプロセスマネジメントの実践手法と同等のベースプラクティス
 ・インプットとアウトプットと同等の作業成果物


COBIT5のアセスメントモデルは、各能力属性のための測定尺度、および適用方法に関するガイダンスを提供します。

それにより、各プロセスに対して、9個の能力属性のそれぞれについて、アセスメントを実行する事ができます。


一方、COBIT4.1の成熟度モデルは、事業体の成熟度プロファイルを生成します。

このプロファイルの主要な目的は、改善が必要な特定の弱点がある特質や属性を特定する事です。

このアプローチは、事業体が報告を目的として1つの成熟度の数値を得るのでなく、改善に焦点が当てられる場合に使用されています。


COBIT5のプロセス能力属性とCOBIT4.1の成熟度属性は、同一でなく、以下の様に、ある程度、重複したり、対応したりします。


  COBIT5のプロセス能力属性       COBIT4.1の成熟度属性
────────────────────────────────────────────────
 PA 1.1:プロセスパフォーマンス
 PA 2.1:パフォーマンス管理     達成目標の設定と測定
 PA 2.2:作業成果物管理
 PA 3.1:プロセス定義        認識と周知、ツールと自動化、
                     スキルと専門性、実行責任と説明責任
 PA 3.2:プロセス展開        認識と周知、スキルと専門性
 PA 4.1:プロセスマネジメント    認識と周知、達成目標の設定と測定
 PA 4.2:プロセスコントロール    ポリシーと計画および手続き
 PA 5.1:プロセスイノベーション
 PA 5.2:プロセス最適化


COBIT4.1で成熟度モデル属性のアプローチを使用していた事業体は、既存のアセスメントデータを再利用する事ができます。

これを上記の表に基づいて、COBIT5の属性アセスメントに従った再分類として実施する事ができます。



少し長くなりましたので、COBIT5のプロセス能力モデルの説明途中で終了します。

この続きはまた次回以降に、COBIT5のプロセス能力モデルについての続きとして取り上げていきます。


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